今にも潰れそうなホテルは、

昔は豪華なホテルだった。

 

そのホテルを所有する富豪のゼロは、

ここに来るといつも狭く風呂のない

使用人の部屋に泊まる。

昔使用人だった頃の自分の部屋だから。

 

全てはこのホテルで始まり、

ゼロがホテルを持つに至った経緯が

小説家に語られる。

 

共産主義やファシズムや疫病など

いろんな社会情勢の中で、

人はいつも不安で楽しみを求めていて、

失いたくない人としての誇りや愛とか、

滑稽にも見える真剣な人間の姿が面白かった。

 

 

↑小説家は、富豪のゼロの話に聞き入る

 

 

↑毎朝ペンで線を引いて髭を作る。

線一つで、しっかりして見えるの不思議

 

 

ブダペストホテルにはグスタブというコンシェルジュがいた。

高齢でお金持ちの不安なマダムたちは、

グスタブに会いにホテルに来てた。

楽しんで夜のお供までするグスタブ。

 

その客の一人、マダムDが怯えていた。

あまりの怯え方に気にかけていた所

マダムDは殺され、

グスタブが犯人だと投獄されてしまう。

 

犯人は息子と雇った殺し屋で、

殺し屋が邪魔者を殺しまくるから

コメディタッチだけど怖い。

指とか首とか画面から目を背けたよあせる

 

グスタブはゼロとアガサのおかげで

がんばって脱獄w

ゼロとの逃亡劇は面白かった。

 

 

てんやわんやでマダムDの遺書が見つかり

グスタブに全財産が譲られるびっくり

ゼロがホテルのコンシェルジュになり、

幸せが来たはずだった…

 

でも戦争がやって来て

グスタブは銃殺され、

遺産はゼロが引き継ぐことに。

 

国有化の流れで資産はほとんど国に渡し

今にも潰れそうな流行らないホテルだけ

交渉して手元に残せたゼロ。

「アガサのために残した」のだと言う。

短い間だったけど幸せだったから。

 

グスタブはアガサと結婚したけど、

アガサと息子は病で亡くなったらしい。

静かに泣く姿がまた悲しい…

 

 

面白かったから気づかなかったけど、

この物語で心から幸せになった人は

いないように感じた。

 

でも小説家は良いネタに出会えて、

本にもできたし銅像にもなってるし、

子供もいて楽しそうだし幸せかも。

 


凄く面白かったニコニコ