羽衣伝説系の物語。
アザラシの皮を脱ぐと人間の姿になる
セルキーという神話上の種族がいて、
短期間しか人間とはいられない。
母と妹がそのセルキーだった兄のベン。
ベンは人間で、事情を知らない。
妹シアーシャが生まれ突然母が消えて、
何が起こったのか分からないベンは
シアーシャに優しくできないでいた。
兄妹のケンカの原因が、
親にあるのがとてもよく分かる。
人間も妖精も、
登場人物みんな自分の人生が分からず、
迷いながらいるのが印象的な作品。
耐えられない悲しさを小瓶に詰めて、
息子や自分やその他の妖精たちを
助けようとした魔女のマカも良かった。
アイルランドの物悲しい音楽がまた良い。
見た後もずっと耳に残って、
つい口ずさんでしまう。
すごく面白かった
↑妹のシアーシャは幼いから、
どんなに意地悪をされても兄のベンを
無償の愛で大切にしてる。
シアーシャが魔女のマカに捕らえられ、
石にされそうになって弱っていく中、
必死に助けに来たベンがシアーシャに
今まで意地悪したことを謝る場面が凄く良かった。
でも、兄妹がこうなっていたのは
両親のせい。
親二人とも何も話してくれないのは酷。
シアーシャのコートを隠していたから、
妻がセルキーで海へ帰ったことを知ってたのに
妻が去った悲しみで頭がいっぱいで、
自分のことだけで目一杯で
ちゃんとベンに話さなかった父。
自分がセルキーで海へ帰る重要なことを
ベンに話さなかった母。
ベンは話が出来る年齢なのだから、
話してあげれば良かった。
話してくれないまま海から離れても、
シアーシャがピンチになるだけだったし
兄妹でがんばって乗り越えれたのは奇跡
↑自身のセルキーのコートではないけど
本能的にアザラシのコートを着て
風呂場で水を浴びていたシアーシャ。
可愛い...
でも、このコートではアザラシにはなれない。
↑シアーシャのアザラシ姿が可愛い
たぶんこの中で最強なのは、
犬のクーだった。
どこにでも駆けつけてくれる最強犬w
↑セルキーのコートを着て歌う。
なんとか間に合って、
元気になって良かった。
メロディーが妙に耳に残る
↑妖精の世界に戻る母に、
最後に会えて良かった。
セルキーの物語で7年会えないとあったから
それを元にしてるんだろうな。
シアーシャは妖精ではなく、
「ここにいたい」と人間を選んだ。
家族一緒にいられない寂しさは、
そこら中に転がってるとはいえ悲しい。
でもマカのように悲しみを瓶に詰めたら
石になってしまうから、
自分を想ってくれる人に気づいて感謝して
新しい生活を送るのが一歩なんだな。
兄妹が笑っていられるから、
寂しいけど良いラストだった。
何回も見たい映画