一昔前の宇宙論では、宇宙は
・ビッグバンで始まり
・どんどん膨らんでいくがある時点で縮み始め
・ビッグクランチで終わる
という風に描かれるのが多かった気がしますが、宇宙が縮むどころか膨らむ速度が
加速している証拠がいくつも見つかったため、最近では
・永久に膨らみ続ける
とされることが多くなりました。10^100 年も経つと物質やエネルギーの密度は
ほぼ0になって物理現象は何も起こらなくなるようです。宇宙は死ぬので、ビッグ
ウィンパー (すすり泣き) と呼ばれるとか。
この本では最新宇宙論に基づき、宇宙の変遷を明らかにしていきます。また宇宙が
誕生してから 138 億年という時間がいかに一瞬の出来事なのか、長い時間が経つと
星や銀河はどう変化していくのかといったことを分かりやすくまとめてあります。
昔の宇宙論しか知らない人にとっては宇宙の始まりがビッグバンでない (始まって
少し経ってから起きた現象) というのも驚きでしょうが、加速膨張の話、ブラック
ホールの蒸発の話など、面白い話が満載です。
暗黒物質や暗黒エネルギーなどの正体が明らかになればまた宇宙論も見直されるの
でしょうが、それらが明らかになるのはいつになるでしょうか。