表紙にもありますが、14 章構成なのは大学の授業用テキストとして使うのを想定
しているのでしょう。各章の終わりに簡単な演習問題があるのもそれっぽいです。
そういう意味ではあくまでも「言語学の入り口」を示す本であり、各章ではさほど
詳しい内容が書かれているわけではありません。
しかし音韻論・形態論・構文論・語用論といった主要分野に加え、文理解・文産出
といった心理言語学の分野も扱っているのはなかなか。社会言語学の分野までなら
扱っている本は多いのですが。まあ心理言語学は実験が難しいので、最近になって
まともな実験ができるようになり、まともな論文が出てきたという面もあるのかも
知れません。
1つ難点を言うと、この本のフォントは「言」や言偏の1画めが手書き風に斜めに
なっているのでスゴく違和感があることでしょうか。内容はいいだけになぜこんな
ヘンなところにこだわったのか疑問です。