OSSライセンスを正しく理解するための本 | ナナとトモのブログ

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最近は書評メインですがナナ(ダックスフント)のかわいさを世界に広めるブログです。

オープンソースソフトウェアは別名フリーウェアとも呼ばれますが、このフリーは

無料という意味ではなく自由という意味です。何の自由かというと基本的にはその

ソフトウェアをいつでもどこでも動かせる自由だということです。よく OSS では

ソースコードの公開が必要と言われますが、ソースなしではちゃんと動かせるとは

保証できないからだという意味なのでしょう。

 
OSS ライセンスというと GPL や LGPL があります。GPL のソフトを使った製品は
自動で GPL になる (GPL 汚染) から気をつけろという話がありますが、この本は

それが誤解であり、正しく使えば恐れることはないと解説しています。

 

この本のメインは「OSS ライセンスは著作権に基づいて理解すべし」というもの。

そして「著作権の使用と利用の違いを正しく理解すべし」というもの。

・使用は著作物を見る・聞くなど、単なる著作物の享受

・利用は複製や公衆送信など

 

他人の著作物は、使用は無断でもできますが、(著作権で守られているので) 利用は

無断ではできません。しかし「ライセンスの条件に従うかぎり利用も認めるよ」と

いうのが OSS ライセンスだと理解すればすごくわかりやすいものだとわかります。

「GPL のソフトを使ったサーバプログラム」がライセンス上どうなのかよく議論に

あがりますが、そのサーバで動かすだけなら「単なる使用」なので問題ないことが

わかります。複数のサーバで動かそうとすると必然的に複製することになりますが、

普通の著作物は複製できません。でも OSS ライセンスに従えば複製してもよいと

いうだけの話のようです。

 

AGPL だけは特殊なライセンスらしいので注意が必要ですが、それ以外は著作権を

正しく理解すれば確かに何も恐れることはなさそうです。