ジュリアとヒラリー | 徒然名夢子

徒然名夢子

日々此々と過ごしけるに
東に音楽の美しきを聴けば、其処何処に赴き
西に優れたる書物のあると聞けば、其処何処に赴き
其処においても何処においても
心楽しからむことのみを願い生きることは
我の本心にほかならず

メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64、MWV.O 14(1844年)

ソロ:ジュリア・フィッシャー 指揮:チョン・ミョンフン

オーケストラ:フランス放送交響楽団 サン=ドニ音楽祭(パリ)

 

ソロ:ヒラリー・ハーン 指揮:パーヴォ・ヤルビィ

オーケストラ:フランクフルト放送交響楽団 

時と場所:2012年6月11日 韓国芸術センターコンサートホール

 

二人の女性若手名手の聞き比べである。

ジュリアの音源は若干録音が悪いが、彼女の持ち味である叙情性が、フェリックスの協奏曲にぴったりあっている。ソロが独立した音楽になっている。

 

一方のヒラリーだが、冒頭にもたついているのか?と想う人も多いようだが、彼女はオーケストラの音を待っていて、それがソロのテンポに影響している。影響しているといっても音楽を壊すほどでもなく、むしろ優雅な様相表現につなげているところが見事だ。

 

ジュリアの方はチョン・ミョンファンの手のひらで踊らされているように聞こえる。オーケストラの土台は揺るぎなく、その上でソロのジュリアがひらひら踊るような感じ。

 

ヒラリーはオーケストラを導こうとして、それにつられてパーヴォはオーケストラを鼓舞する。これはソロとオケの戦いだ。互いの音楽表現の重ね合いで生まれる音楽美が、ここにある。