なんと、体重が80kgに! 8Kgもやせた!今月になって、ひざも痛くなくなったな~なんて思って体重計に乗ったら、体重が減っていた。このままいけば70Kg代になるんじゃね?なんて思ってる。おそらくはピアノ毎晩・ほぼ毎日弾いているからだろうとは思う。90分×2レッスンのうち、僕が弾いているのは30分程度だろうとはおもうけれども、休憩時間とかにそれこそがんがん弾きまくっているので、結構前腕や掌底の筋肉がついてきつつ、脂肪が落ちているのかも。腹回りも少ししばんだような。
今日、スタジオに早めに入れたので、自分の練習をしていた。慣らしでドビュッシーのベルガマスク組曲を弾いていた。弾いていて思ったが「これ弾いちゃまずいんじゃないだろうか」と。案の定サブリーダーが聞きつけて、「ドビュッシー好き?」と聞かれた。一瞬答えに困ったが「はい、あとアラベスクが好きです。」というと、目を輝かせたサブリーダー、「そうか、君もフランス人だったんだね」といって握手してきた。「ありがとう...」といってなんとなくお辞儀した。やっぱりまずかった。「かなりテンポがゆっくりだよね」と問われ、「ええ、今スライド・タッチ(グラデーションと言う人もいる)とハンド・パフォーマンスを練習していました」と答える。スライドは、鍵盤を弾くとき、弾いた瞬間に鍵盤の奥から手前にスライドさせ、かつ徐々に鍵盤から指が離れていく動作で、指だけでやると下品に見えるが掌、手首、ひじを回転させるように行うと、前腕が踊るように見える。それで弾いていない掌が空中にあるとき、次の音への準備として掌を回転させ音楽の雰囲気にあわせてひらひらさせるのが、ハンド・パフォーマンス。まさに演技。音には影響ないと思いたいが、弾く方としては、前腕、肘の乳酸を分散させ、長時間演奏ができるようになるので、やはり演奏力への良い影響はある。
話がそれるが、この長時間演奏ができるというのは、なかなか難しい。マラソンランナーが1晩のうちに生まれないように、ピアニストも長い期間にわたって練習を通して、長距離ランナーのようになっていく。日本では、高度産業成長期に、ピアノを習う子供たちが増えたのだが、3~4歳の幼児がピアノを弾き始めて、直面するのが、体力。鍵盤を弾けない、押し込んでしまう、指が回転しないなど、様々な課題があり、楽しいから無理をすると、指を故障したり、掌や肘の筋肉を傷めてしまうことがあった。そこで編み出されたのが「脱力奏法(僕がかってに名付けた)」、これは肩から指先まで、力を抜いて弾く。掌に卵を挟むようにして鍵盤の垂直方向から鍵盤を叩く、というような演奏技術だ。実際、形だけ見れば、ブルグミュラーを弾くには十分かもしれないが、バッハやモーツアルト、ベートーベンは音は出せても、音楽にならない。幸いなことに、僕が4歳から12歳まで師事した先生は、この方法は教えなかった。脱力奏法があることに気が付いたのは小学校に入ってからで、ピアノを習っている女の子がちらほらいた(男の子は僕だけだった)ので、うちに来て一緒に弾いたり、誕生日会で女の子の家で弾いて見せたりしていて、演奏方法がちがうことに気が付いた。脱力奏法の欠点として、音の発色が悪い。クリアな単音がだせない。またレガートとノンレガートが正確に分離できない。音が複雑に絡まるようなソナチネ以降では本来ダンパーペダルなど不要なのだが、踏まないと音がぶつぶつ切れてしまう。すなわち楽譜の支持度通りに演奏できないのだ。この頃、この脱力奏法のために原典にないペダル操作を加筆した、楽譜が日本国内に多量に出回った。僕もこの多量に出回った楽譜を買ってはいたが(輸入楽譜よりはるかに安い)、先生はかならず、不要な部分と間違っている(原典とは異なる部分)を赤鉛筆で修正してくれていた。脱力奏法は結果的には、ピアニストとしての前腕から指先への成長期における骨格形成を邪魔して、演奏の体力もつけさせないという結果になった。本来脱力奏法が目指したものは、骨格がきちんとできあがっていないうちは、最小限の力で最大のパフォーマンスが発揮できるように、しかも子供が理解できるように、考えられたのだと思う。しかし指導現場では、重要な部分が抜け落ち形だけまねて教える先生方が多かったのだろう。幼少時代の幼馴染で大学に入るぐらいまで続けていたのは、僕とあと一人の女の子だけだった。20人ぐらいいたのだけれどね。
僕が指導されていたのは、鍵盤に対して力の方向は垂直に。鍵盤を押すと、垂直にならない。作曲家の時代によって、曲によって指の先、指の腹の少し上、指の腹、指の第2関節といったところで弾くが、そうであっても力の方向は垂直に。弾くときに、掌のテンション(張力)を感じること。このテンションが鍵盤を弾く動作そのもの。この感覚に遅れや乱れが無いように、普段から指の運動をすること、などなど。非常に細かい。これは小学校低学年の頃の記憶なので、その前がどうだったかは不明だが、バイエルという入門者向けの楽譜は、習い始めてすぐ終わったと思う。記憶に残っているのは、とにかく音階とアルペジオの単調な練習ばかり。弾け弾け弾けだった。小学校低学年のころ、やっと曲らしい曲を弾いていたように思う。ブルグミュラーとか。クライスラーとか。4~5年生になるとバッハ、モーツアルト、ベートーベン。6年に入るころにはショパンをかなりやっていた。小学生がこれらの作曲家の何をもって演奏していたかは、ほとんど覚えていないが、とにかく先生には叱られた。とくに指の運動や姿勢は悪い箇所を鞭で叩かれながら弾いていた。先生が魔女だと思ったことがあった。小4ぐらいから、先生は土曜日午後家に来て、家に泊まって、日曜日の夕方市内に戻るという練習だったので、毎週末はピアノ漬け。先生が、母と夕飯を作っているときも僕はピアノを弾いているのだけれど、運指(鍵盤をどの指で弾くかという指示)を間違えると台所から、「〇〇小節から弾きなおし!」と声が飛んでくる。見ていないのに、どうして? と何度もそういうことがあったので「魔女だ」と思っていた。しかし、後年演奏聞いただけで運指ミスや、この運指ちがいでどの楽譜で練習してきたががわかるので、先生は魔女ではなく、本当のピアニストだったのだと理解した。
動画は高橋孝輔さんの演奏。ミスタッチは聞かなかったことにしてね。全体としては良いので。