B級オーディオのススメ(NW-ZX507ソニーのDAP)
CDソフト間の音量差が大き過ぎていつかは自動音量調整機能の有るDAP(デジタルオーディオプレーヤー)を購入するつもりだった。
とは言え選択肢も少なく、最新型はかなり価格アップしていたので2019年発売のこの機種にした。
かなり安くなったようだが、それでも新品で5万円ほどはした。
使いにくいが、音はとても良い。
とげとげしさが皆無で、突き刺さりがなく滑らか。ビロードのような感触とでも表現すべきか。音数が多く表現力も有り、イヤホンで聴いても広がりが増したような聴こえが有る。重低音以下もシャープで立ち上がりが軽やか。
長時間聴いても聴き疲れせず耳にも優しい。
スピーカーで例えると、801D4を思わせるような美音。CDプレーヤーやDACでは、中々音の違いが判別しにくいのだが、こちらのDAPは比較的分かりやすい音の造り方。
ピュアオーディオとしては間違いなくAクラスではあるが、Sクラスでは無いかな。
67撃目
まさにコレ。お上品で端正な音などでは無くギョッとするような美音がSクラスの音。
当然のように好電源状態で無ければこの域には達する事は出来ないが、見果てぬ夢。
各曲間の音量を揃える機能が便利だけど、軽くコンプレッサーが効いているかの印象も有りダイナミックレンジは圧縮される方向なのかな。 それらの音質チューニングをすべて外せばピアノ高域部のピアノの鋭さも出てSクラス音源としても使えると思う。
ソニーはかないまる氏が引退されてから見る影も無くなったような印象だったが、これは久しぶりに素晴らしい音色で驚いた。
12/17追記
エージングで音が良く成るというので100時間以上鳴らし続けてみたたがガッカリするような結果になった。
果たして、今回購入したNW-ZX507にエージングは関係無いのか、100時間では効果ゼロで200時間超えて初めて効果が出るのか。
具体的に描いてみると、全体的にダイナミックレンジが圧縮されたかのように尖ったところが皆無で鮮烈さが霧散する印象。
決して悪い音では無いし、広がりも不自然なほど得られるのだが、ワイドレンジな楽曲にはガッカリ感が大きい。
S級オーディオを常態として手に入れられないのなら、A級でもB級でも大差なしと思ってしまう。もちろんハイエンドオーディオ機器を揃えたA級オーディオの方が普通電源状態では好ましい音色なのだが、違いは僅かでありA級を高いレベルで達成しようと欲するならば、高額機器は元より広い頑丈な専用部屋も必要になるし、広いと下手な反射も抑制するスキルが必要になってくる。
その辺はB級オーディオなら何でも有りなので気楽なものだが、好電源状態時にS級オーディオを堪能するためにはニアフィールドリスニングが必要になって来る。
補正機能を全部OFFにしても鮮度は上がらずガッカリしたが、積極的に機能を活用すると良く鳴った。
とくに良い感じなのが以下の機能。
豊かな低域を実現する「DCフェーズリニアライザー」
アナログアンプの位相特性をDSP演算によって再現
「DCフェーズリニアライザー」は、アナログアンプと同じ位相特性をDSPによる演算で再現。これにより、デジタルアンプでありながらアナログアンプに近い、十分な低音感が得られます。当機能による効果は、カーブの異なる6つのモードからお好みに合わせて選択できます(OFFも選択可能)。
ピュアオーディオ路線ではないが、振り切ってDAPの機能として低域の立ち上がりを鋭くするような特性に出来たら嬉しい。