バンド結成はしたもののそれからしばらくは方向性の確認だったり突然のトラブルであったり、集まってはいるけれどなかなか前に進めない状況が続いていました。
僕以外の二人は以前からアコースティックユニットとして活動はしていたので楽曲自体は何曲かあったんですがそれをどう言う形で三人でやるのか。
一年が過ぎ、二年目も相変わらず集まっては飲んだくれて帰路につくような日々を送って。
音楽をやりたいと言うモチベーション自体は下がってはいないけれど、なんだか中途半端に時間だけが過ぎて行ってる。
だけど結果的に色々な編成を確認しつつ、ギターボーカル、カホンコーラス、ベースと言うスリーピースのユニットでやってみようか、と言う話になり。ようやく三人それぞれのプライベートな時間も合わせられるようになって。春の訪れと共にいよいよバラバラだった歯車は回り始めたのでした。
それまでの衝動が一気に溢れんとばかり週に一回のペースで定期的にスタジオ練習。新しい楽曲も増え個々それぞれのプレイスタイルも見えてきだしモチベーションも上がってきたところで…
以前、僕以外の二人が出演していたライブバーからの出演オファーが。いよいよホントの意味での始まりを迎えるかに見えたのですが。
「申し訳ないがおれは辞める。」
カホン担当からの突然のメールは晴れた朝の光の中でさえ僕の心を曇らせるような一言でつづられていたのでした。
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