数年前のことだが、私は障害者の通所施設に勤めていた。
先日、その施設で発行している会報が来た。
その施設では、まわりの職員にいろいろお世話になったり、障害者の人たちもあまり悪い人(意地悪な人や悪意のある人)というのはおらず、私としては人間関係的には良い環境だったと思う。
しかし、この会報を読むときにいつも気になるのは、ここに来ている障害者の人たちが、全てとは言わないが一般社会に暮らしている人たちに比べてかなり至れり尽くせりの手厚いサービスを受けているにもかかわらず、あれが良くない、もっとこうしてほしい、ああしてほしいなどと言い続けていることだ。
障害年金の額も、この施設のメインの利用者である知的・身体障害者の方が私のような精神障害者より高い。
この施設には、結婚・出産の経験がある障害者女性が来ていて、自分が結婚・出産していることに対して誇りを持っており、周りの人間に対してもそういった態度で接していた。
しかし、私の先輩職員の話を聞くと、彼女が出産した当時(数十年前)この施設の職員やボランティアが毎日彼女の家に行って子供の世話をしていたそうだ。
また、車いすユーザーの男性は、数十年前は駅にエレベーターが無く、階段を上がるときにそこを通りかかる人にいちいち声をかけて、車いすを持ち上げてもらって上がっていたそうだ。
今は駅にエレベーターができたのでその必要は無くなったのだが、今度は「人とのふれあいが無くなってさびしい」と言い出した。
今はこの会報には障害のある子供が普通学級に入る運動のことがよく載っている。
障害者だけではないが、人の欲求というのはきりがないもので、何か一つ叶うとまた次、というようになるのが常である。
障害者の中でも、私が勤めていたような施設に通所している人とそうでない人とのあいだでは受けられるサービスにかなりの違いが出てしまい、それも問題視されている。
こういった施設に通っている人たちは、自分が恵まれている立場にあるということをもう少し理解してほしいとも思う。