先月、いつも行っているパソコン教室で、星占いの連続講座が開催された。
その当時は私もまだスピ全盛期だったので申し込みし、体験版として最初の会を受講することになった。
偶然、私と同じ年の女性の先生だったが、私に対してはあまり目を合わせないようにしている感じで、一緒に講座に参加していた高齢女性に対しては積極的に話しかけていた。
 その回では自分の生年月日をタブレットに入力してホロスコープを作成し、自分が生まれた時に太陽系の各惑星が12星座のうちのどこにあったかを見てそれによってその人の性格や考え方、得意分野などを割り出すということをした。
 その時は自分に関することは当たっているように感じられたので、次の回(第1回目)も受講することにした。
 そして約1ヶ月後、第1回目の講座に出ると、太陽系の各惑星が人に与える影響などが書かれている資料を配られてそれに沿って進められた。
 その中で金星は女性性を司り、火星は男性性を司るということを説明されたのだが、女性性は受身、包容力などで男性性は主体性、攻撃性などだという極めて古い価値観だった。

 私はそういうのは信じていないので、「え?」と思ったが、さらに月経が月の周期と一致しているとかいう話も出た。その時、先生は生理とか月経とか言わずに「月のもの」という言い方をしており、そういったものを賛美しているような感じで、だんだん気分が悪くなってきた。

 私はそういったものを賛美する派ではないし、女性=妊娠、出産というふうにも思っていないので、すごく古い価値観を押し付ける場みたいな気がしてきて、その回は何とか最後までいたが、1週間後くらいにパソコン教室の別の先生に電話して、自分から受けたいと言って出た講座だが、最近はスピに対して疑問を持ち始めていることや気分が悪くなったことなどを話して次からは出ないと伝えた。
その先生(女)は驚いたようで、「マジかよ~」と言われたが、私としては講座の内容が自分に合わないことに加えて全5回なので残りの受講料1万円以上を支払わなければならなくなるのも痛いので引き下がれなかった。
その結果、パソコン教室の先生(星占いの先生とは別人)とは気まずくなったが、しかたないと思っている。
長年スピ界に浸かっていて最近感じるようになってきたというか判ってきたことは、この業界はジェンダーを再教育する場になっているということである。
スピの人達が言っていることや、そういった人達のセッションを受けて幸せになれた、物事がうまくいったお客さん達の体験談を読むと、相変わらず女の幸せは恋愛がうまくいくことや結婚、出産であるというものばかりで、そういった旧来の価値観を強く刷り込む場に他ならないことを強く感じさせる。
そういう昔ながらの幸福感、男女観をそこに来る人皆で共有して共同幻想に浸りましょうという世界なのだな、と思うようになった。
 長年この中にいたので、自分の元々の感じ方や考え方を見失いそうになっていたことに最近やっと気付いた。やはりスピも洗脳の一種なのだなと痛感した次第である。