メイプル リレー小説
Amebaでブログを始めよう!
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

第二章 「冒険へのダイブ」 -6-

ナミ達は、雲の公園を進み、スピルナの家近くまで来た。


「・・・・あれ?」

「どうした、桃。」

「らわんは?」

「ほんとだ・・・・・何処行きあがった?」

「迷子になってんじゃないのかwwwっうぇwwwwwっうぇ。」



   ++++++++++++++



「・・・・あといくら居るんだ。」


らわんは、大量のメイプルキノコの対応に苦戦していた。

いくらしとめても、きりがない。


「ちっ・・・・・・頼む、シルバーホーク。」


らわんは、銀色の鷹を召還し、その鷹は、らわん前方のメイプルキノコの群れに突っ込んでいった。


「とにかく、ここから抜けないと・・・・・。」


   

++++++++++++++



スピルナの家の前には、1人の少女が立っていた。


「すみませ~ん、スピルナさんのお宅ってここですか?」

「はい、そうですけど、スピルナ様に何か御用です・・・・・・あ。」


その少女は後ろに居た誰かを見つけ、声を上げた。

その誰かは黙ってろとでも言いたいのか、人差し指を口に当てていた。


「・・・・ウイング様も、一緒だったんですね。」

「「「「「ウイング様ぁ!?」」」」」

「・・・・・・・。」


   

++++++++++++++



所変わって、オルビスTV局のとある控え室・・・・・・・・


「お待たせしましたわ、アル。」

「ん・・・・・・その格好、きわどいな・・・・・。」

「あら、お気に召しませんの?ワタクシは好きですわよ?」


オルビスチャンネルの歌番組の収録のため、ヴェルティアとアルベルはこの場所に居る。

ヴェルは、実は有名な歌手であった。

ヴェルの格好は、闇色のリキュール。今回の彼女の曲は、大人の魅力が十分詰まってる曲だ。

アルも、ダークコートを着ている。彼は、ヴェルのバックダンサーとして出演することになっていた。


「・・・・・ねえ、アル。」

「ん?」

「・・・・アルは、ワタクシの事、どう思ってますの?」

「ぶっ!!」


アルは飲んでいた水を吹いた。


「なっ・・・・・いきなり何だ・・・・。」

「突然気になったのですわ。どう思ってますの?」


ヴェルをの妹のように接してきたアル。

だが、昨日の夜、アレから一晩中考えた自分の気持ち。

それが、アルを覗き込むヴェルの瞳に導かれた。


「・・・・・・好きだ。」

「・・・本当、ですの?」

「・・・・ああ。ずっとヴェルを守ってやりたい。」

「うれしいですわ、アル♪」


ヴェルはにっこりと微笑み、ソファーに座っていたアルに抱きついた。


「っとと・・・・・。」


アルは顔を赤らめつつ、ヴェルを受け止めた。


(フフッ・・・・ワタクシの事、ず~っと守ってもらいますわよ。)


「ねえ、アル。」

「ん?」


ヴェルは、自分とアルの唇を合わせた。


「!?」


初めは驚いていたアルだったが、すぐにそれを受け入れた。


「んっ・・・・・・」

「んんっ・・・・・」


2人だけの時間が、過ぎていった・・・・・。



「ヴェルティアさん、アルベルさん、リハーサル入りますのでよろしくお願いします。」


スタッフが部屋の外から声をかけ、2人はようやく互いの唇を離した。


「・・・・・・・いきましょう、アル♪」

「・・・・ああ。」


2人が出て行った後、何もない部屋に現れた、水晶。

その水晶は、何故か欠けていた。



by albel

第二章 「冒険へのダイブ」 -5-

「皆気楽だなあ・・・」


らわんは一人武器であるアールンを担ぎなおしてため息を吐いた。

とりあえずついては来たが、

自分としてはあまりやる気を出せないでいる。


(淫らな魔力・・・・ふん、馬鹿馬鹿しい)


そんな事のために鍛えてきたわけではないのに。
何もしなくても、ナミ達がなんとかしてくれるだろう。

特にみぃは、凄まじい力を持っているのがわかっていたからだ。
スピルナのいる庭園の奥へ続く門を見つめて、

らわんは弓の弦を弾きつつ眉を細めた。


「・・・・まてよ?」


ふと何かが自分の中で警告を発した気がした。
頭をよぎった考えをもう一度心の中で復唱する。
冷や汗が頬を伝った。




・・・・だとしたら、どうして今まで彼女のマナは漏れてなかったんだ?




相当の魔力を持つスピルナでさえも、

自分の大陸を守るのに精一杯な程の力。
それほどの力があるなら、どうして今まで何も無く、

魔力が漏れる事も無かったのだろうか?


何かによる力の増大。


自分の中の何かを増幅させて放出させる何か・・・



(!!)



ドクンと胸が鼓動し、背筋が凍りつく。

桃達に関係がある事。魔力、力の増大。


・・・闇の


「まさか・・・・」


らわんは皆に自分の考えを聞かせようと、すぐに顔を上げた。
だが、目の前にあったのは雲でもナミ達でも、絶望でもなく。


「・・・カニング・・・?」


一瞬前まで目に映っていた景色が、

別大陸にあるはずの景色と酷似したものになっていた。

いや、景色が変わったのは幻想でもなんでもない。
何かに移動させられたのだ。
カニングの工事途中放置状態現場へと。


伝えるのを拒むように、何者かが邪魔だと言うようにらわんの場所を移してしまったらしい。

そして気づくと、らわんの周りを大量のメイプルキノコがぞろりと取り囲んでいた。

たいしたことのない雑魚だが、

その数は圧倒を極めていた。


町までぎっしりと埋め尽くされるようにキノコが並んでいるのが目で捉えられる。



「・・・足止めかよ。畜生」








暗い部屋の中、アルが寝ているその隣で、
ヴェルティアは不適な笑みを浮かべながら手元の水晶を見つめていた。


そして水晶の中では、一人の弓使いが戦っている姿が映し出されている。



「鋭いコはき・ら・い・・・♪」



そう小さく笑いつつ、水晶の中の人物へと呟き。


「舞台から出ていてもらうわ」





そして水晶の映像は一瞬で黒く濁ると、
手をかざすとすぐに何も無かったかのように透明に戻っていた。

第二章 「冒険へのダイブ」 -4-

「うぉぉぉ!!冒険のにおいがするぜぃ!」

アラストルは、両手を大きく上にあげ絶叫した。


「オルビスか・・また来ちまった・・」

そう、ここオルビスはより強さを求めて修行する場所でもある。

みぃは、ここからもう少し奥に行った「エルナス」という場所で毎日修行をしていた。

そして、久しぶりに兄貴のすなぉに会うべく船着場であるオルビスに滞在中に、ヴェルの体内からマナが流れると言う異様な光景を見てしまったのだった。



「わーい!なみぃ、ここかわいい服いっぱい売ってるよ!買いに行こっ!」

桃は、すっかり浮かれ気味である・・・

毎日、こんな調子である桃を相手にするウイングは、「・・・・またはじまったよ・・こいつ・・」と、飽きれ気味につぶやいた。


「ウイングも大変だよな!!うぇっwwうぇうぇw」

アラストルは、他人事のように大笑いしている。


「桃、これからママから言われているヴェルティアと言う女性を探さなきゃならないんだから・・急がないと。」

もはや、どっちが姉でどっちが妹なのかわからない状態だ。


「さて・・・どう探したらいいのかな。」

「なみ、同じ魔として何か感じるものはないのか?」

「う、うーん・・・・」


「なぁ、ここから下に降りて行くとスピルナってばぁさんがいるんだよ。とりあえず会いに行かねーか?」

「ウイング詳しいな、お前ここに来てたのか?」

「あっ・・ああ・・」

何か詰まったような物の言い方をするウイング。


その一方で・・・何も緊張感のない桃が、またきゃーきゃー騒いでいた。

「いやーん、これかわいぃぃぃ!!!ちょっと、なみ見てよ!これこれ!!あっちでは売ってないような服がいっぱいだよ。」

「きゃぁぁ!!本当だっ!って・・・桃・・あんたその手に持ってるの何?な、な、なんか・・エロすぎ・・」

スケスケのワンピースを持って桃は、鏡に向かってポースをとっている。

(実は、裸だった自分が気に入っていたんじゃないの?)と、なみは桃を見てブツブツと桃に聞こえないように小声で言っていた。


「・・・・ったく・・・おいっ!行くぞ」

すなぉが声をかけ7人は何かヒントになるものはないかと、スピルナと言う人に逢いに行く・・・


「桃っ!早く来い!」

まだきゃーきゃー言っている桃を、ウイングが首根っこをつかんで無理やり連れて行くのであった・・。


「おいっ、ここ気をつけろよ!フィクシーという姿こそかわいいが強暴なモンスターがうろうろしているからな!」


By 桃姉



第二章 「冒険へのダイブ」 -3-

(なんなんだ・・・押さえ切れないこの欲情は・・・)


オルビスの船着場近くに宿をとったアルベルとヴェルティア。

さっきからアルベルの下半身は、モゾモゾと落ち着きがなかった。


ヴェルのことは、かわいい妹のような存在だったのに、

なぜか今日は女を感じてならなかった。

今までこんなこと思ったこともなかったのに・・・


(うぅ・・・・俺は年上がタイプだったよな~~~!!??)


自分に言い聞かせながら、ベットに横たわった。すぐさまヴェルもアルの横に

コロンと横たわり・・・


「アル~~」

鼻にかかる甘えた声で、背中を向けたアルに近づいてきた。


「その・・・大きなきのこ、どうにかなりません?」


(ば、ばれてるじゃないかっ!・・・・どうにかって言われても・・・あぁぁぁあぁあ)


「しかたないなぁ・・・私がお手伝いしますわw」


「ぇ!?なにを?あ・・・い、いいのかっ!?」(って何言ってんだ!?俺)


(あぁぁぁもうどうにでもなれーーー!!)


背中を向けてた体をむきなおし、ヴェルにのしかかろうとした時・・・!!!


「わ!うわ・・・ぎゃーーーーーー!!!」


「なんて声をだしてるの?アル」


「だ、だって俺・・・裸・・・!?!?」


大事な部分を手で覆いながら、再び背中をむけた。


「あら!頭のきのこ、取れましたわね。寝るのに邪魔でしょ?

 じゃぁ、おやすみなさ~~ぃw」


アルの裸になんの興味もないのか、すぐさま寝息をたてていた。



(・・・なんだ・・・・キノコ帽子のことか・・・でも、なんなんだ!?

 なんで俺まで服が消えたんだ??)


狐につままれたかのような顔をしたアルのjrは、奇妙な出来事のおかげで?

正常に戻っていた・・・



(あ~~~ぁ・・・)

自分のjrを指でピンっとはじきながら深いため息をついた・・・




ビクトリア・ヘネシス桃の家では、母がだしたミスティックドアへ

7人が順番に入っていった。


扉と続いてる先は・・・・・オルビス



by nami


第二章 「冒険へのダイブ」 -2-

「これは幻ですよ、すなぉくん。」


何処からともなく聞こえた、聞き覚えのある声。

それはすぐに何もない空間に姿を現した。


「久しぶりね、ナミ、桃。」

「ママ!!」

「お母さん!?」


声の主は、ナミと桃の母であった。

ナミたちの母は、今では地方の魔法使い達と連絡を取り合う重要な任務を背負うようになっていた。


「幻・・・?これが・・・幻なんですか?」

「そう。その証拠に・・・・・ほら。」


母が左手を握り、そしてその手を開くと、先ほどまで裸であった6人が、服をちゃんと着ていたのだ。


「・・・・どうなってんだ。」


動揺の色を隠せないウイング。

それはみぃと何かぶつぶつと独り言を言っているアラストルを除いた4人にも同じことだった。


「これはね、魔法を使うときに使用するマナが原因なのよ。

ナミ、よく落ち着いて、ここのマナ、感じて御覧なさい?」

「う、うん。・・・・・・・・・・あれ?何なの、この変な感じは・・・・なんだか、えっちい・・・・・。」

「分かる?これはね、ある魔法使いの体内マナが、外に漏れたものなのよ。」

「ちょっと待ってくれ。体内マナなんぞ、体の外に出るのか?

それに、ビクトリア全域を覆うほど、多量なマナが体内にあるのはおかしくないか?」

「実際の所、マナが漏れたりするのは、体質なのよ。しかも、ホントに漏れ出すのはとんでもなく珍しいこと。

そして、マナは体の中でほぼ無限に生成されるの。」

「このマナの中にいると、何が起こるんだ?」

「そうねえ・・・・幻によって裸になって、そしてさっき現れた牛によって・・・・・・。」


5人の額に、冷や汗が流れた。


「・・・・まあ、淫らな方向に堕ちて行く、とでも言っておきましょうか。」

「で、でもママ。マナにそういう変なものが混ざったりするの?」

「まだまだ勉強不足ね、ナミ。体内マナは、その人の心の欲望とかも含まれるものなのよ。」

「で、何故みぃはそのことを知ってんだよ。」

「単なる偶然よ。ちょうどマナが漏れ始めた頃、近くにいたのよ。それで、協力してもらったの。」

「でも、それぐらいなら、難しい話じゃないはず・・・・どうして?」

「まず、順を追って説明するわね。」


ナミ達の母は、この事件の詳細を語った。

漏れ出しているマナの源泉は、おそらくオルビスに住んでいるヴェルティアという女性らしい。

ヴェルティアは人見知りが激しく、大人しそうであるが、本性は淫らな女性と言われている。

年下で彼女のタイプなら、男女問わず色々なことをするという、困った人らしい。


「おそらく、当の本人は自分のマナが漏れてることに気づいていないわ。

そして、何故かそのマナは、ヴェルティアと深い関わりを持つある人から、桃、あなたにリンクしたの。

私にも、何が原因でこうなったのかは分からないけどね・・・・。

私は、今から高位の魔法使いの方々を呼び集めてその漏れたマナからこの大陸を守ります。

できれば、皆にはそのヴェルティアの居場所をつかんで、これをうまく装備させてほしいの。」


母がナミに渡したものは、綺麗な石がついてあるイヤリングだった。


「これで、マナの漏れを防げるわ。あと、皆にこれも。」


7人に手渡したのは、さっきのとは違うイヤリング。


「それをつけてれば、源泉に触れても大丈夫よ。」

「ちょっと待った。オルビスにヴェルティアがいるのなら、何故オルビスは無事なんだ?」

「それは多分、魔力の高い魔法使い達がすぐに気づいたからでしょう。

オルビスにはスピルナ様もいらっしゃるから、それで無事だったのよ。」

「あたし達が、やるの?」

「できるだけ、そうしてもらいたいの。

ヴェルティアに深い関係を持ってる人は、桃やナミ、すなぉくんにもよく面識のある人だから。」

「えっ・・・・誰?」



「・・・・・・アルベルよ。」






「・・・・・くしゅん!」

「アル、大丈夫ですの?」

「ああ、多分な。多分誰かが噂してるんだろう。」

「そうですの?とにかく、早く帰りましょう。明日も早いですわよ?」

「ああ。ヴェル、行こう。」





by albel

第二章 「冒険へのダイブ」 -1-

二階にあがった三人を襲ったのは長い沈黙だった。


みぃを二人の視線が鋭く刺している。


「まぁ、なんだ、、、もっと明るくいこうぜ。」


沈黙を破ったのはすなぉだった。


みぃもゆっくりと話し出す。


「・・・まず、らわんさんがさっき言ってたことだけど、実際オルビスとエルナス、そしてルディはこの変異はまったく起きてない。そして、そこにいる人々は、旧大陸でおきているこの変異すら知らされてない。ちなみに、船の運航は停止されているし、牛乳でのワープも不可能になっている。こっちからの移動はもちろん向こうからこっちへもこれない・・・こんなところか。」


「ぇ、ちょっとまてよ。じゃぁなんでお前がそれを知ってるんだ?お前はエルナスにいたんじゃないのか?じゃあどうやってこっちに・・・」


すなぉはいつもと違うまじめな顔をしていた。


「・・・」
みぃは黙って話そうとしない。


「まさか、ここまでいって話さないとかないですよね。それとポケットにはいってる船のチケットも説明していただかないと納得できないなぁ。」


らわんは相変わらず挑戦的な目をしていた。


「しかも原因についてはなにも聞いてないぞ。それも知ってるんじゃないのか?」


すなぉは少しいらついたようすだった。


みぃは諦めたように口をそっと開いた。


「わかった、、、これ以上隠すこともできなさそうだし。俺はたしかにエルナスにいた。それで・・・」


「キャーー!」


突然下からナミの悲鳴が聞こえた。


「!」


三人は立ち上がり急いで階段をおりた。


「なんでここに・・・」


すなぉはヘイストをかけながら目の前の牛に向かって戦闘態勢をとる。


「私たち装備がないからやばいよぉ!」


ナミはMGをかけて牛を見ながらおろおろしている。


装備がないためみんな防御力は最低だった。


「どうにか持ちこたえて隙をついて逃げるぞ。」


すなぉが言い終わったと同時に後ろから何か飛んでき・・・
そう理解したときには牛はもう倒れていた。


「おい、、、どういうことだよ。」


すなぉの後ろに立っていたみぃは完全に服を着ていた。


by.みぃ

第一章 「迷探偵達の晩餐」 -7-

その場に、張り詰めた空気が流れた。

時間にすれば数秒、しかしそれは、とても長いものに感じた。

自分達が、妙なダンボール姿なのも忘れみぃに視線が集中する。



「兄貴、ちょっと二人で話がしたい・・・」


観念したのか、みぃが呟いた。



「えっ、俺も知りたいんだけどなあ。」


アラストルが意義を申し立てる。



「そうだよぉ、私達だって・・・・」

「分かった。じゃあ2階でいいか?」


なみと桃も口を尖らせたが、すなぉがそれを制す。

視線を合わせすなぉとみぃが立ち上がり2階に上がろうとする姿を見てらわんがやっと口を開いた。



「僕も、話を聞いていいかな・・・」

「いや、すまない。とりあえず先に俺が聞いてくるよ。」


すなぉが申し訳なさそうにらわんに答える。みぃは、その姿を見ようとすらしていなかった。



「ねぇ、さっきからオルビスは無事だって言ってるけどエルナスも無事なんじゃない?」

「!」


言葉を続けるらわんにみぃは、階段を上る足を止めた。



「エルナスは、他のところにいる業者と金額が違うんだよねぇ、あのほら名前なんだっけ」

「オスマンだ・・・・」


独り言の様にさらに続けるらわんに、みぃが背中越しに答える。



「らわんさん、あなたも上がってきてください。憶測だけでみんなに語られても困りますから・・・」


みぃが、無造作に向きを変える。その目は、しっかりとらわんを見据えていた。

表情を変えぬままらわんが立ち上がり階段のほうに身を向ける。

すなぉの前を通り過ぎみぃと並ぶと、みぃにしか聞こえないように呟いた。



「みぃさん、服から船のチケット出てますよ。」


みぃが、素知らぬ顔で階段を上るらわんを睨む。



「おい、事態は深刻かもしれないんだ。早く話を進めよう。」


不穏な空気を感じたすなぉが、あわてて階段に駆け寄る。



「大丈夫、らわんは信用できるヤツだから・・・・」


みぃにそう呟くと、みぃの背中を押して階段を上っていった。



残ったみんなが、息を呑みその姿を見つめる中、胸のところを切り抜いてあるダンボールを身につけている桃は、必死でダンボールの前後を入れ替えようと、もがいていた。





第一章 「迷探偵達の晩餐」  完




by すなぉ







第一章 「迷探偵達の晩餐」 -6-



「で、とりあえず状況をまとめてみようか」



すなぉがダンボールの服で動きにくそうに座り、その場にいた全員を静めた。
そしてそれぞれの話をまとめ、今回起こっている事件について考える事に決定した。



「まず、この異変だ」



すなぉはそう言ってらわんを指差した。

らわんはダンボールの服も無かったため、

メル袋はやめて今は呼び出したパペットである案山子の服を着ていた。

もちろん、服の下は素っ裸である。



「突然俺達の服が消えている」



一部にとっては大した問題にはならないんだろうな(特にアラストルには)、とすなぉは思いつつも、
間違いなくこのままではマズイ。



「これについては原因不明、そして今ここにいる全員に起こっている事態なんだ」



「みぃさんはまだ服が残ってるよね、どうしてだろ」



まだ下半身に僅かな衣類を残しているみぃに向けてナミが問うと、みぃに目線を逸らされた。
その様子をらわんは横目で一瞬だけ見つめる。



「とりあえず疑問は後だ、今は事実だけを伝える。・・・オルビスにいる住民達は皆、無事らしい」



すなぉがナミの疑問を制し、先程のテレビで見た事実を述べた。
やたらと静かな部屋に、更に重い雰囲気が渦巻く。



(オルビスか・・・・)



ウイングが誰にもわからない程度に表情を暗ませ、すぐに戻す。



「そして、らわんが見た謎の人物三人。それと襲われた武器屋」



アラストルと桃、ナミは揃って首を傾げ、らわんとウイングはどこか考え事をしているような顔つきになった。
こういう時は皆わかりやすい性格をしているなあと、すなぉは感心した。


ただ、みぃの表情だけはどこか、雲のように掴めなかった。
そしてすなぉは、外見に殺されつつも何時に無い真剣な顔で呟く。
そして最後にまとめなければならない、残り一つの情報。







「みぃ、お前は何を知っている」




byらわん

第一章 「迷探偵達の晩餐」 -5-

「「「・・・・・・」」」


「おい・・なんだよ、このかっこうはぁぁ!!」


「そんなこと言ったって、武器屋にも何にもねーんだぞ。これしかねーだろうが」


ウイングは、自分のかっこうを見て文句を言っていた。

どこの街の武器屋に行っても、何もない。

しょうがないから、傍にあったダンボールを器用なアラストルが洋服に仕立てたのだ。

そのかっこうがどうしても許せないウイングは、「あー、もぉー、許せねーこんなかっこう!!」と文句ばっか垂れていた。


「てか、うるせーなぁ!桃はぁ!静かにしろって」


「ぎゃぁぁ、アラ~~!!何なのよ、このかっこうはぁぁ!!」

横で、ぎゃぁぎゃぁ騒いでるのは桃である。

ダンボールで洋服に仕立てたのはいいが、胸のところだけぱっくり開いているのだ。

いたずら好きなアラストルの仕業である。


「ちょっとー、なんであたしのはしっかり作ってくんないのよ!!」

ぎゃぁぎゃぁ騒いでいるので、周りにいた人たちがその姿を見てゲラゲラ笑っていた。


「いいじゃねーか、お前どうせ胸ないんだから。うえwっうえうえw」


「てか、俺のかっこうもなんなんだよ!!くっそーアラのやろう!」

ウイングの姿を言えば・・・大事な部分を隠してあるのだが、キレイに葉っぱの形に切り取られていた。


「しかしよぉ、どうしたらいいんだろうな。」


「ねえ、このままここにいる気?」


周りの人たちもみんな、裸になっていて状況を読み込めないでいた。

泣いている人、怒っている人、その場に立ち竦んで動けないでいる人・・・


「とりあえず、家に帰ろうか・・・」


「あぁ、この姿見たら、すなぉやなみに大笑いされるだろうなぁ。」


三人は、恥ずかしいダンボールの姿で桃の家に帰ることにした。


「あっ、ちょっとお前ら待ってって」

アラが、桃とウイングを呼び止めた。


「なんだよ、恥ずかしいからさっさと帰ろうぜ」


「あいつらの分、作ってくからちと待ってろ。うえっwうえうえ」


三人は、ヘイストをかけ急いで家に戻った。



「たっだいまー!お前らの服持ってきたぜ!」


「「ただいま・・・・・・・」」


「「「「ぎゃははははははは!!!」」」」

三人の姿を見て大笑いしている、すなぉ、なみ、みぃ、らわん。


「「・・・・・・・・・」」


「おっ、なんか人が増えてるぞ?!二人分しか用意してなかったぞ・・」

ただ一人楽しそうなアラストルは、すなぉとなみに自分が作ったダンボールの洋服を渡した。


「「・・・・・・・」」


「ありえねー・・・・・」

すなぉが、自分の姿を見てつぶやいた。


ウイングと同じ大事な場所を葉っぱの形にかたどっているダンボール姿のすなぉ。

桃と反対に、下の部分だけぱっくり開いているダンボールを見につけたなみは、あまりのショックに言葉も失っていた。


「「アーラースートールー!!!」」

三人が帰ってきたことによって、重い空気が流れていた桃の家に笑いがこだました。



By 桃姉




第一章「名探偵達の晩餐」-4-

「フンフンフン♪~♪~♪」


なみはシーツを体に巻きつけてはいるが、自分のおかれてる状況にもかかわらず、

テレビの前でアルベルの華麗な踊りを見て、体を軽くゆすっていた。


「なんでノレるんだよ・・・」


久しぶりに再会した兄弟は、苦笑いしながらため息をついた。

すなぉは、前触れもなく戻ってきたみぃに探りをいれたかった。

しかも奇妙なことが起こった、その日に帰ってくるのはタイミングがよすぎる。


(ふぅ・・・少し様子をみるか・・・)


と、その時玄関の扉が開いた。


「ちわ~~っす!桃~、すなぉとなみはいるかぃ??」


「「らわん!!」」


やはりらわんも裸だった。なにを考えてるのか、下半身にはメル袋をくくりつけて

大事な逸物を隠していた。


「ぷっ!!もぉ~らわん、そっちのほうがはずかしいわよ」


裸に慣れてしまったナミは、メル袋を指差してゲラゲラと笑っていた。


「いやぁ~、町にでてたら、なんだかおかしなことになってて、これしかなかったんだよぉ。

んで、ヘネシスの武器屋に行ってみたけど、誰もいなくってさ・・・

いったい何が起こってるの?あれ?桃は?」


「町に服を買いにでたんだが、途中でタオルまでなくなる始末だ・・・

 今、ウイングとアラストルが桃のあとを追いかけてるよ。」


「あ、そうそう!らわん、こちらみぃ。すなぉの弟よw」


「ども」


「へぇぇすなぉっちの弟さんかぁ、ちわっ!・・・・」


勘のいいらわんは、みぃをじーっと見つめた。何か感じ取ったんだろう。

すなぉにはすぐにわかった。


「桃たちは大丈夫かなぁ~~。」


自分の心を察知されないように、らわんはわざととぼけたように言った。




カニングの路地の隅で、ダンボールを身にまとった3人組みがポツンと座っていた・・・


by nami


1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>