本「忍びの国」

忍びの国
著者:和田竜
出版:新潮社
発売:2008.5.30
時代劇なのに、ハリウッドのアクション大作を見ているかのごとき痛快さ。織田信長の伊賀攻めを背景に、伊賀忍者「無門」の顛末を描く、歴史大河小説。
登場人物は、RPGの勇者のような超人ばかり、しかしほぼ全員歴史上の人物、しかも人間がしっかり描かれていてリアリティを失わない。それが生身の迫力になって反映され、一層物語をふくらます。
史実に基づいた展開、突然挿入される歴史資料を読み解くようなくだり、そしてなにより写実的な文章。小説なのに、まるで物語が目の前で繰り広げられているような現実感で迫る。
帯には「われらの時代の歴史小説」と唄われている。確かに歴史小説をこんな感覚で読んだのは初めてだ。痛快で速い、そして軽やかだ。池波正太郎や山本周五郎の重さは無い。重量感をつけるとこの軽快感は恐らく出ない。それが長所で短所と感じる。
ただ重さを期待する歴史小説ファンを置き去りにするものではない。どの世代にも受け入れられる緻密な筆の力がある。和田竜がひろく人気を持つのはそこであろう。
歴史小説ファンはもちろん、SF、アクション、アドベンチャー好きでもいける。歴史や忍者ものRPGファンはハマること必至。激しくオススメ!















