本「空中ブランコ」

空中ブランコ
奥田英朗 著
文芸春秋
文庫化されて、いまさらやっと読みました。
「はっきりしたメインキャラクターのいるシリーズ小説はいい。」アガサ・クリスティの探偵小説を夢中で読んだ頃を思い出す。色白でデブの精神科医伊良部一郎が、とんでもない方法で患者を治療する。「イン・ザ・プール」に続く短編集。治療方法が探偵小説のようでおもしろい。精神を病む患者達のディテールはとてもリアルだ。その反面、伊良部先生は漫画のキャラクターのようだ、しかも簡単な線で描かれた漫画のよう。この虚構と現実の極端なコントラストも探偵小説と一緒だ。
伊良部先生を、映画では松尾スズキが、TVでは阿部寛が演った。漫画的キャラだからどんな人でもできるのだけど。何かしっくりこない。一昔前ならサモハン・キンポーか、ちょっとあざといだろうか。若き西田敏行…?では知性が足りない。塚地?ダメダメ!!デブで、大らかで、ひとなっこい。けど嫌みじゃないくらいに知性的。良い育ちの品もある。「誰かぴったりした役者いないかなぁ!」。でもシャーロック・ホームズも、ポワロも、フィリップ・マーロウも、映画化されるたび、演じる役者に賛否両論おこる。こんなに気になるのは、それと並ぶ小説ということか?でもたしかに次が読みたい。「楽しかった。」









