本「レッド」

レッド (1.2刊)
作者:山本 直樹
出版社: 講談社
2刊発売日: 2008/7/23
価格:¥ 1,000 (税込)
広島原爆の日ですね。戦争からはちょっとズレますが、多少関連するこの漫画おすすめします。
「世の中をマシにしようと思っている内に真逆のことをやってしまう。それは歴史的に何回も起きてることだと思うんですよ。中国の文化大革命とかカンボジアのポル=ポトとか。何回も起きたし、起き続けているしこれからもあるし、そういう人間の心理はなんかすごいな、って。理屈みたいなのが地面から足が離れると人間はそういう『狂気』の方向へ行っちゃうのかなって。」
…これが漫画「レッド」について語った作者山本直樹の言葉。
連合赤軍の顛末を克明な取材でドキュメンタリーとして描く。山本直樹といえばちょっとエロな漫画作家のイメージだが、この作品にその空気は微塵もない。
登場人物たちには、死刑や殺害されるまでのカウントダウンが繰り返し表記される。そして死ぬ順番が人物のシルエットに始終ナンバリングされる。日本を社会主義国家へと革命しようとする連合赤軍の、錠のはずれた無軌道な行動は、極端で凄い、破滅的な末路を知っているから尚、読んでいて引き込まれる。
作者は登場人物の行動の変容を、「閉鎖された環境のなかで観念だけがどんどん地面から浮き上がってきて、ついには暴走する。」と分析する。「革命」を、目的・よりどころに生きるひたむきさは、人間性からすこしズレる。「革命」が言葉だけの象徴となってしまうと、ズレだけが残る。このズレ方が「秋葉原通り魔」など最近の犯罪者のイメージにどことなくダブる。信念・意志という面で真逆のはずの両者を、どうしてそう感じるのか、この物語がすすむと解ってくるかも知れない。
物語はまだ始まったばかりで、結末はどのくらい先か解らないが、秀作であることは間違いない、重厚だが読みやすい。日本中の人に読ませたい!









