青灰色の夜の風景の中にそびえる一本の樹木、そしてその手前にかかる白い三日月。

というフレーズから、皆さんはどのような情景を想像しますか?

これはベルギーの画家、ルネ・マグリットの『9月16日』という作品を言葉で表現したものです。マグリットの代表作は『イメージの裏切り』や『光の帝国』などがあります。

 

人は絵を見ると癒されるといいます。今回は絵画を鑑賞することで得られる効果についてお話します。

・癒しの効果がある

現在では科学的、医学的な視点からも研究が進んでいて、徐々にその効果が証明されているようです。絵画を見ることで、脳が活性化されるだけでなく、セロトニンやドーパミンといったホルモンの分泌も活発になります。これらには心を癒す効果があり、更にポジティブな思考にさせてくれる効果があります。

・表現力を高められる

絵画の手法を学んで表現の幅を広げるという効果もありますが、絵画をみて何を感じたか、どのようなエネルギーを受けとったかを言葉にしたり、他の方法で表現したりすることに役立ちます。

・注意力を高められる

全体から受ける印象だけでなく、細部に何が描かれているか、作者が伝えたいことは何か等に注目してみてください。絵画を隅々まで鑑賞することで、注意力が高められます。

注意力が高まると、日常生活でのケアレスミスに気づきやすくなったり、コミュニケーションをとる上で、ちょっとしたことから会話のきっかけを見つけられたりなどのメリットがあります。

 

私が絵画、特にマグリットに興味を持ったのは、2015年の「巨匠いっき見‼」が謳い文句だったチューリッヒ美術館展で先に述べた作品に出会ったからです。

夜の光源は月明りしかないのに、その月が木の前にあるという現実ではありえない描写に心を奪われました。また油絵具の重なりやその厚みを見ることも楽しみ方の1つだと知りました。その時買った画集は、今でも繰り返し見るくらい大好きな1冊になっています。

いつかはマグリットの故郷、ベルギーを訪れてみたいと思っています。

 

みなさんも絵画の世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

地域交流センター 高田