弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる | 白玉猫のねむねむ日記

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平凡な日々のなかで、ふと、胸をかすめていった思いや、感じたこと、旅行記、本や映画のレビュー、時には、詩やエッセイのようなものを、書いています♪

ブログが外の世界に繋がる橋になるといいな☆彡

本日の読書感想文



概要 



内容紹介(「BOOK」データベースより)

「ええか。区別はええねん。差別はあかんねん」
「心の線が細い人の気持ちが分かるんは、心の線が細かった人だけや」
「女性が生きづらいっちゅうことは、男性も生きづらいんや」

1980年、東大阪。母親の言葉とニューミュージックの風に吹かれて少年は大人になる。

校内暴力、貧困、ジェンダー、学生運動、民族差別。切なさを一つ一つ集めながら、
大人への階段を一段一段のぼっていく…。

『恋するラジオ』に続くスージー鈴木、音楽小説第二弾。

2024年2月発売
ブックマン社
256ページ

著者情報(「BOOK」データベースより)

スージー鈴木(スージースズキ)
1966年大阪府東大阪市生まれ。作家・音楽評論家・ラジオDJ。
早稲田大学政治経済学部卒業


目次

イントロダクション

第一章 八神純子/想い出のスクリーン

第二章 西城秀樹/ラスト・シーン

第三章 庄野真代/飛んでイスタンブール

第四章 原田真二/タイム・トラベル

第五章 堀内孝雄/君のひとみは10000ボルト

第六章 渡辺真知子/ブルー

第七章 浜田省吾/風を感じてEasy to be happy

第八章 久保田早紀/異邦人 シルクロードのテーマ

第九章 渡辺真知子/唇よ、熱く君を語れ

第十章 RCサクセション/雨あがりの夜空に

第十一章 ジョン・レノン、ヨーコ・オノ/
     スターティング・オーヴァー

最終章 THE BLUE HEARTS/TRAIN-TRAIN






​感想⑴ タイトルとザ・ブルーハーツのこと 



弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる


この印象的なタイトルは

ザ・ブルーハーツの

名曲TRAIN-TRAIN』の歌詞から取ったもの





わたしは著者と同世代ですが

残念ながら

ザ・ブルーハーツのことを殆ど知らず、


今回、この本を読み、

俄然、興味を覚え

聴いてみました。


歌詞も、曲も、歌も、

╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

最終章を飾るのに相応しいものでした!

\( ˆoˆ )/





感想⑵ 著者の父母の言葉 



第一章 (八神純子/想い出のスクリーン)での、父親の言葉(高校教師・社会科)



「弱い者らが、より弱い者をいじめる。

それで得するんは、誰や?」







最終章 THE BLUE HEARTS/TRAIN-TRAINで、母親の最期の言葉(中学教師・社会科)



「大阪はな、弱い者らが夕暮れて、

さらに弱い者たたきよる街になってしもうたんや…」







まるでペアを成すような著者の父母の言葉が、心に刺さりました。







「弱い者が、より弱い者をたたく」構図は、まるで、悪意のトリクルダウンのよう。




著者の父親が問うように、

この仕組みで得をするのは誰なのか?





巡り巡って・・・


トリクルダウンの受益者?

大きな既得権益を持つ人?

国家権力に近い人々?


どうなんでしょうか。

是非、皆さんも、考えてみてくださいね!











こんな人におすすめ 



全編、音楽にあふれ 🎶〜♪"

読みやすく、

且つ、社会性を失わない

硬軟のバランスが絶妙なエッセイ集!


誰にでも勧められる一冊です!

ヽ(*^ω^*)ノ