ドミトリーと紀之介 | 旅はまだ終わらない

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コンサート、観劇、鑑賞の感想&気になるあれこれ

先日、雪組公演「星逢一夜」の映像を見ていた。

今公演中の、宙組公演「神々の土地」と同じ上田久美子先生の作品だ。

 

(ネタバレ多し)

ロシア革命は、宝塚歌劇ではあまり舞台化されていないようだ。

フランス革命は多いのに。(^^ゞ

ドミトリーはオリガ(ニコライ二世の娘)と婚約しようとしていた。

紀之介は貴姫(徳川吉宗の姪)と結婚した。

時代背景や多々違いはあれど、どちらも政(まつりごと)に参加し、有利に進めるため、本当に好きな相手をあきらめていた。

 

ドミトリーは、婚約披露の日、駅の爆破のテロルから這う這うの体でやってきたイリナを抱きしめてしまう。切なくて、胸が締めつけられる。

結果、オリガとの結婚は叶わない。

 

紀之介は、三日月藩の藩主となり、農民の泉とは、いっしょにはなれない。吉宗の改革を手伝うためにも後ろ盾が必要だった。

三日月藩に一揆が起こり、その首謀者源太(泉の夫)を処罰する。夫の敵を討とうとする泉、その泉を抱きしめて紀之介は、「この世で愛したのは、おまえだけだ」と告白する。胸が震え、涙を誘う台詞だ。

 

どちらも史実があり、そこに創作が加わり、そして、宝塚歌劇で演じるための魔法が掛けられた作品だ。

 

大変、気になる演出家、上田久美子先生。

悲恋ものが多いから、ハッピーな作品も観てみたいです。

 

3日に2回目を観劇した。

お芝居は、重厚感は否めないが、まぁさまのまっすぐさが際立った。

個人的にはシェークスピアのような破天荒だけどどこか憎めなくて楽天的な役が朝夏まなとに合うと思う、しかし、進化するためにも高みを目指すためにもドミトリーという役は挑戦して然るべきだ。

 

ショーの黒燕尾、朝夏まなとにしびれるね。

ホント、手足の長いこと。