新外交フォーラム勉強会 | 並木正芳オフィシャルブログ Powered by Ameba

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友人の拓殖大学客員教授・元産経新聞社中国特派員である野口東秀氏が主宰する『新外交フォーラム』の勉強会が9月19日夕刻、都内で開催されました。

IMG_6934.jpg左秋山氏、右野口氏

 

今回は、元防衛事務次官・(公益財団法人)東京財団理事長の秋山昌廣氏に「北朝鮮問題および台湾問題」をテーマに講演をいただき、野口氏との対談、会員からの質問などが行われました。

 

タイムリーに南北首脳会談が行われた時であり、関心は「北朝鮮問題」に集まりました。

 

米朝首脳会談の成果として大きな枠組みでの合意はできたものの北の非核化や米の政治的・軍事的・経済的にわたる北の体制保証や平和体制の構築までには時間がかかり、段階的・同時進行的に進めざるを得ないのではないか。金正恩のしたたかさとトランプの気まぐれな交渉でどこまで信頼できるのかは会員皆様の共通の疑問でありました。

 

板門店宣言(10・4宣言=第2回南北首脳会談合意)の履行とは不可分だが、韓国文大統領の前のめりが米との歩調と食い違うと日本にとっても不利益が生まれかねない。

 

しかしながら、朝鮮半島の非核化は、プレッシャー(最終的には軍事力)だけにより実現することは不可能で、軍事力を使わない場合は「体制の保証」とセットになって初めて実現しうるということを認識したうえで、日本も体制保証に関与し、「外交による解決」に軸足を移すべきである。

 

日本の安全保障面で備えなければならないことは、①在韓米軍の質的・量的プレゼンスについて下方調整への対応②停戦協定の履行を監督する国連軍司令部(在日米軍)の解体への対応③米韓連合防衛体制の変容への対応が急務となる。

 

米に届く弾道ミサイルの脅威は低下しても、日本攻撃の脅威は変わらないばかりか、日本が経済制裁一本槍では北朝鮮の反感が高まるばかりであり、6者協議などの復活を図って外交戦略を強化するべきである。

など秋山氏から述べられましたが、会員からは北朝鮮には力で対するべきとの意見も出ました。

 

「台湾問題」に関しては、今日の台湾のアイデンティティーは、台湾人であるとの人が60%、台湾人であり中国人であるという人が33%、中国人であるという人はわずか3.7%である。現状維持支持が60%、独立支持が30%、中国との統一支持は10%である。39歳以下の人では、中国が民主化した場合には統一するべきかとの質問にさえ、73%がNOである。

 

トランプの台湾政策は中国とのディール(取引)にされるのではないかと不安視する向きがある。

 

中国は領土の切り離しを許さず、ソフト・ハード両面でプレッシャーをかけるが小康状態が続くのではないか。

 

台湾は当面、内政問題である「選挙」の行方が問題大であるが、総統は蔡英文氏が再選される可能性が高いと秋山氏は見ている。

IMG_6935.jpg質問などに答える秋山氏