選挙結果
予想通りと言えば、予想通りの選挙結果か。
消費税の税率アップに言及した菅首相の発言により、いったん盛り返した
民主党の支持が落ち、結果、若干自民党に流れ、若干みんなの党に流れた。
どうやら、国民新党はゼロ議席のようで、
この点については、国民の良識に拍手を送りたい。
国民心情を端的にいうと、
「ギリシアのようになるのは困る。かといって、増税というのは?
その前にもっとやることがあるだろう!」
といったところか。
菅首相の消費税への言及は、直前の財務相経験が背景にあるようだ。
確かに、俯瞰して見たら、財政問題は重要な課題だ。
ただ、一方で、家計は、特に、地方の経済圏は、相変わらず沈んだままだ。
そのような中で、消費税を上げることへの抵抗感を読み切れなかったことが、
この結果ではないだろうか。
民主党の勝ちで、増税が容認されたような雰囲気になることも困るが、
ねじれ国会で、政治の混迷が深まることはもっと困る。
「負けた」民主党は無論、「勝った」と喜んでいる自民党も、勘違いせず、
国家国民のことを考えて、活動して欲しいと思う。
人材登用 ~サッカー、経営、そして政治~
まずは、またサッカーの話から。
一昨日は、サッカー日本代表の軌跡について取り上げていたスポーツ番組が多かった。
私は、W杯前の日本代表の試合は、余り興味もなく、ほとんど見ていなかったので
なんとなくでしか知らなかったが、岡田監督は、W杯の試合を前にして、
大幅に戦術を変え、それに合わせ、選手起用を変え、結果、それが当たり勝ち進んだ、
とのこと。
(もしかしたら、戦術が先ではなく、選手のコンディションを見て、調子の良い
選手に合わせて戦術を変えたのかもしれないが)
いずれにせよ、私が一連のこのチームの変化、そして、この度の結果を見て思ったのは、
トップクラスの人間が集まった集団であれば、そこにおいて個々の能力の差は大してなく、
過去の実績や評価によることなく、その時点で調子の良い人間を起用することが、
より良い結果をもたらすということである。
それで、実は、これは企業経営にも当てはまることではないかと思った。
一つの企業の中のことではなく、
たとえば、ありえない話であるが、現在の、一流と言われる日本企業の
CEO,CFO,CTOなどを選抜し、経営ボードを組成して
一つの会社を作ってみたら凄い企業になるのではないか、などと思う。
もうすぐ参議院選挙。
実業の世界では絵空事に過ぎないが、実は、国政とは本来そうあるべきだと思う。
サッカーの日本代表が、日本全国のサッカープレイヤーの中から選ばれた、23人であったように、
政治家も、日本全国の政治家の中で、トップクラスの人材を集めるべきだと思う。
世襲やタレントが、100%悪いとは思わないが、政治家の家に生まれたことや、
タレントとして知名度があることのそれ自体は、政治の能力とは全く関係がない。
(彼に息子がいるか知らないが、)釜本やラモスの子供が、世界で言えば、
ペレやジーコの子供が、親と同じようにトップクラスのサッカープレイヤーでないように、
政治家の息子(娘)が、親が政治家というだけで政治家になる(なれてしまう)ことは、
大変憂うべき事態だと改めて思った。
役員報酬の開示
ついさっきネットのニュースで、
任天堂の役員報酬の開示で、
「マリオの生みの親 1億2,600万円」
とあったが、本当に、「マリオの生みの親」だとするならば、
安すぎると思う。
勿論、実際は、この人の貢献が大きかったにせよ、
「マリオ」の誕生、そしてヒットは、この人一人の力によるものではなく、
多くの人の力の結集により、生まれたのだろうけれど。
(そうは言っても、1億2,600万円といわず、もう少し高額でもいいと思う。
まあ、ボーナスではなく、役員報酬なので、今の日本の状況を考えると、
妥当と言えば妥当な水準なのかもしれないが。)
私としては、格差の広がりが、世の中に暗い影を落としつつあることを
憂慮しながらも、やはりビジネスで成功した人には、それなりの報酬を
堂々と受け取れる社会の方が健全だと思う。
アメリカの、破綻した(しかけた)金融機関の経営幹部の報酬水準は、
異常だと思うが、グローバルで事業を行なう会社の経営陣であれば、
もう少し水準を上げないと、競争に打ち勝つことも難しいのではないか。
ホワイトカラーが従事する事業の場合、安価な人材を10人集めても、
2倍の給与で優秀な人材を5人集めた方が、生産性が高いように思う。
失業率の低迷が社会問題化する中で、言いづらいことであるが、
人をマネジメントして成果を出すことを求められる立場に立ったことが
ある方であれば、共感いただけるのではないか。