副題:情報があふれる世界でよりよく生きる方法

 著者:ロルフ・ドベリ

    1966年、スイス生まれ。ビジネス書籍の要約を提供するオンライン・

    ライブラリー「getAbstract」を設立。 

・「能力の輪」の外側にあるニュース記事を消費したところで、あたなが得るものは何もない。

   時間が無駄になるだけだ。 

   ・ニュースを断つにあたって、強調しておきたい点は・・ニュースの消費を抑えることは、何かを

   断ち切る辛い行為では決してない。その逆だ。そうすることで、様々のものを手に入れられる。
   時間の余裕が出来るし、物事の本質をつかみ、今よりも幸せになるための新しい視点を得ること
   が出来る。

 

 
 1.私がニュースを断つまで
  ・ニュースはいたるところにあるし、その大半は無料で考えずとも意識の中にするりと入りこむ。
   この”マイナスのハードル”のせいでニュースは非常にたちが悪い。
  ・2010年以降、日刊紙は購読していないし、テレビのニュースも見ていないし、ラジオのニュー
   スも聞かず、ネットニュースに浸ってもいない。
  ・ニュースなしの生活は、自信をもっておすすめ出来る。
 
 2.ニュースは、砂糖が体に及ぼす影響と同じような影響を精神に及ぼす
  ・編集者は、読者の興味を掻き立て、新聞の売上につながるものは全て「伝える価値のあるもの」
   と見なすようになった・・それが重要かどうかとは関係なく。新しいものを重要なものと称して
   売るという、根本的な欺瞞に関しては、今日まで何ひとつ変わっていない。
  ・インターネットやスマホが定着したことにより、ニュースへの依存度は危険で病的なレベルまで
   に達している。いますぐにでもニュースの消費が及ぼす影響を見極め、デトックス治療を始めな
   くてはならない。
  ・ニュースを際限なくむさぼることは出来るが、それらは安っぽい砂糖の塊にすぎない。
   本書は「日々のニュースを食べ放題」の現状を変えることを目標にしている。
 
 3.徹底的にニュースを断つ
  ・今すぐすべき事は、ニュースを自分の生活から排除することだ。ニュースから自由になるのだ。
   それも、完全に。
  ・ブラウザのホームページにニュースポータルを設定するのはやめよう。ブラウザのホームページ
   には、決して変化しないサイトを選ぶといい。私はウィキベディアに設定している。
  ・週に1冊は本を読もう。そして別の本をはさむことなく、つづけてもう一度読み返す。二度読ん
   だ時に得られる効果は、ほぼ10倍に跳ね上がる。「二度読み」の効果の高さは、長文記事にも
   当てはまる。
  ・何を探すかを決めるのは、自分でなくてはならない。進む道を定めるのは自分でなくてはならな
   い。ニュースメディアに自分の注意を操らせてはならない。ニュースを断つと、人生の質と決断
   の質には目覚ましい効果が現れている。失うものは何もない。得ることばかりだ。
 
 4.「30日計画」を立てよう
  ・一番つらいのは、ニュースを断った最初の週だ。30日間ニュースなしの生活を送ってみるのだ
   「30日過ぎたら元の生活に戻ってもいい。でもそれまでは頑張り通そう」。前よりもずっと時
   間の余裕が出来ていることに気づくだろうし、集中力が上っていることにも、世界をもっとよく
   理解できていることにも気づくだろう。
  ・以前よりも1日あたり90分、余分に時間を手に入れたことになる。控えめに見積もっても1年
   につき1箇月以上もの時間が出来るようになる。
  ・広く学ぶのではなく、深く学ぼう。重要度が高く自分の「能力の輪」にかかわりのあるテーマに
   とり組むといい。「能力の輪」とは自分が並外れた能力を発揮できる得意分野を指す。
   ニュースを断てば、年に4週間という時間の贈り物が手に入り仲間やライバルに大きく差をつけ
   られるようにもなる。
 
 5.ニュースはあなたとは「無関係」である
  ・1年間に読んだニュースは、およそ2万本にのぼるだろう。控えめに見積もって、1日あたり約
   60本は読んだことになる。その中に、自分の人生やビジネスに関して、よりよい決断を下すの
   に役立ったニュースはあっただろうか。
  ・あなたの人生における重要なこととニュースには、なんの関連もない。
  ・私にとっての重要事項は、ほかの人々にとっての重要事項とまったく何の関係もない。ましてや
   世界規模のニュースメニューなど、個人にとっての重要事項と関係がある筈がない。
  ・数えきれないほどのニュースよりも、たった一冊の良書の方が何千倍もあなたの人生と健康の為
   になる。
 
 6.ニュースは「体に毒」である
  ・悪い事は、よいことよりも重要だと感じられる現象を「ネガティビティ・バイアス」という。
   ネガティブなテレビニュースは、個人的な心配ごとを深刻化させる。ストレスが増えるにつれ
   て意志の力は弱くなり、すべき行動を先延ばししがちになる。
  ・快適ではないが重要な行動を、快適だが重要でない行動に置き換えるようになる。ジムで体を酷
   使するかわりに、ネットサーフィンをしてしまう。そうなるともう悪循環だ。
 
 7.ニュースは私たちの脳を「変化」させる
  ・脳はおよそ870億個の神経細胞からできていて、それらは100兆を超えるシナプスで結ばれ
   ている。ニュースは脳の配線を変化させるのだ。脳のある領域が発達すると、それに伴い別の領
   域は退化するのだ。
  ・ニュースを消費するほど、素早く目を通せるようになるように、神経細胞の回路をトレーニング
   していることになる。それに伴い、深く掘り下げた内容の本を読んだり、深遠な思考をしたりす  
   るのに必要な回路は退化してしまう。脳の構造がもとどおりになるには、約1年はニュースを断
   つ必要がある。
 
 8.ニュースは私たちを「受け身」にする
  ・自分にはどうしようもないことについて聞かされていると、私たちは「受け身」になる
   自分にはコントロールできない曖昧な情報に脳が出くわすと、行動を起こそうとする意欲が失わ
   れ、受け身になってしまう。この現象を「学習性無力感」といい、軽うつ状態に陥ってしまう。
 
 
●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
  ・ニュースの消費を抑えることで、様々のものを手に入れられる。時間の余裕が出来るし、物事の
   本質をつかみ、今よりも幸せになるための新しい視点を得ることが出来る。
  ・インターネットやスマホが定着したことにより、ニュースへの依存度は危険で病的なレベルまで
   に達している。いますぐにでもニュースの消費が及ぼす影響を見極め、デトックス治療を始めな
   くてはならない。
  ・今すぐすべき事は、ニュースを自分の生活から排除することだ。ニュースから自由になるのだ。
   それも、完全に。ニュースを断てば、年に4週間という時間の贈り物が手に入り仲間やライバル
   に大きく差をつけられるようにもなる。