著者 : 小山 昇 
           

  
  1.会社の将来は現在の「決定」で決まる

   敷衍(ふえん)= やさしく言い換えたり、詳しく述べて説明す
                        ること
   アセスメント = 対象を客観的に調査し評価すること
   知悉(ちしつ)= 知り尽くすこと細かい点まで知っていること

 ・全ては、やり方ではなく決定で決まる。ここを間違えて「どのよに
  しよう」と、やり方を決めてしまうから上手く進まないのだ。まず
  「変える」決定が大事。
 ・決定は「早く決定する」ことが大事。何故なら、いきなり正しく決
  定するのは不可能だから。
 ・自己満足の「正しさ」を求めて悩むより、早く決めて駄目なら次々
  とやり直すほうがはるかに効率的。

 ・㈱武蔵野は月末に締めたら、翌日にはPL・BSが出せる。月末締めの
  給料は15日締めの25日払いにすればいい。仕入れは毎月20日締めに
  すれば月末までに請求書も揃う。
 ・人は忘れる動物、だから、方針は常に言葉として紙に残す仕組み、
  そして読ませる仕組みを作っておかないと駄目。


2.経営のありようを「決定」して利益を出す
 ・クレームに対しては「わが社の損より誠意」と決定して大成功し
  た。原因がこちらにあるのなら、金銭的には損をしても、早く問題
  を解決することが大事。
 ・マニュアルは実施後にミーティングを行い、改善すべき点を洗い出
  し、記録に残す。担当者は改善点だけを改訂する。これを重ねれば
  マニュアルの精度は向上する。
 ・イベントの実行においては、年間スケジュールに基づき各予定に担
  当者を割り振ること。担当者を決めないと、だれも自発的にはやら
  ないから。

 ・経理は正確でなければいけないが、社長はアバウトでいい。その代
  わり「早く」知ることが大切。大ざっぱで構わないから早く数字を
  把握して、次の対策を打つのが社長の仕事。
 ・自分の人生、家族の生活がよくなるのも悪くなるのも、ひとえに仕
  事次第。だから今の仕事をきちんとこなすことが幸せにつながる。
 ・仕事へのモチベーションを維持するには、同僚と自分を比べるので
  はなく、過去の自己ベストと比べて現在の自分はどうかを意識す
  る。自己ベストと比較すれば人は少しずつでも成長する。仕事が人
  生になる
 ・報告の鉄則は「悪いことが先、よいことは後」。人間は最後に聞い
  たことが印象に残る。つまり報告する内容は同じでも、順番を変え
  て話すだけで心証は違う。

 ・銀行から多額の融資を受ける時、普通は土地や建物を担保に出す。
  銀行はこの土地に抵当権を設定する。
 ・抵当権には「抵当権」と「根抵当権」の2種類があり、抵当権は返
  済が終了すると解除されるが、根抵当権は解除されない。
 ・銀行は「根抵当にしておけば、毎回担保を設定する必要がない」と
  説明するが、それほど単純ではない。
 ・2億円の土地に根抵当権をつけて1億円借りたとする。「まだ1億
  円の余裕がある」と思うが、これは業績のよいときの話で、業績が
  悪い時は銀行は貸さないのだ。よって、お金を借りるときは根抵当
  権ではなく抵当権で借りるのが正しい。


3.人材への対応を「決定」してモチベーションにつなげる
 ・評価面談では最初に「あなたは前期と比べて、自己評価は100点満
  点で何点ですか?」と質問する。つけてはいけない点数は100点と0
  点。また50点もだめ、それは「どっちつかず」だから。
  50点は駄目だとすると・・49点と自分に厳しい社員と51点の自分に
  甘い社員に分かれる


4.組織のあり方を「決定」し、強い会社をつくる
 ・仕事の目的は、お客様に喜んでいただくこと。大切なのは、大きな 
  仕事をすることではなく、社長や上司に命じられたことを直ぐに実
  行すること、それが一番大切。「そんなやり方で大丈夫でしょう
  か」という社員は駄目だ。
 ●経営幹部に直接与える言葉で、勘違いされて受け止められる言葉に
  「任せる」がある。経営幹部に任せるのは「社長が決定したことの
  実施であり、方針・数値目標・ポジションを明確に示した上で「こ
  の範囲で自由にやってよい」ということだ。あくまでも決めれた枠
  の中で実施を「任せる」のだ。
  このことを明確にしないまま「任せる」と、訓練されていない幹部
  は勝手にやってよいと理解する。
 ・幹部といえども一社員であり、勝手にやっていい筈はないのだ。
 ●任せるのはあくまでも社長が決定したことの実施だ。決定そのもの
  を任せるのではない。
 ・社長が間違った決定をしない為に、幹部は現場の報告を社長に密に
  する必要がある。特に悪い情報は早く、正確にすることだ。
 ●実務の局面で感性を磨くのに最も効果的なのは、上司の指示を直ぐ
  に実行することだ。新人や一般社員が上司の指示を素直に実行しな
  いのは、上司が何を意図しているのか分からないからだ。
  体験が少ないから、分からないのは当然だ。上司に言われた通りに
  実行して成果が挙がれば「ああ、そういうことなのか」と気づき、
  気づきが感性を磨くのだ。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
・自己満足の「正しさ」を求めて悩むより、早く決めて駄目なら次々と
 やり直すほうがはるかに効率的。
・報告の鉄則は「悪いことが先、よいことは後」。人間は最後に聞いた
 ことが印象に残る。つまり報告する内容は同じでも、順番を変えて話
 すだけで心証は違う。
●任せるのはあくまでも社長が決定したことの実施だ。決定そのものを
 任せるのではない。