イギリス人アナリスト日本の国宝を守る

  デービッド・アトキンソン  投稿日:2015年 4月12日(日)08時31分46秒
  
  副題:雇用400万人、GDP8%成長への提言

◎日本のGDPが高いのは当然
・GDPは経済規模の点で中国がトップクラスに入るまで、上位各国の経済順位は、おおよそ人口の順位とイコールだった。
・戦後の日本経済が急成長を遂げた理由は「爆発的な人口増」があるから。終戦時点で7,200万人だった日本は、そこから爆発的に人口が増えている。

◎一人当たりの購買力平価GDP
・今の日本では都合の悪い数字は一切報じられない。その象徴が、「国内総生産(一人当たり・購買力平価換算)」の国際比較だ。日本人の多くは、自国のことを世界でもトップレベルの経済大国と信じて疑わないが、一国トータルのGDPは人口の多寡が大きく影響している。

◎「効率の良さ」は世界で25位
・国民一人当たりがどれだけ生産性が高いかの実質比較をすると、日本は25位になる。
・GDPは人口現象している今、既に世界四位にまで転落している。2014年6月発表の数字ではインドの経済を購買力調整すると、もはやGDPが日本を上回っているのだ。

◎コンセンサスは時間の浪費
・イギリスでサッチャーは「コンセンサス・ポリティックス(合意形成型政治)」を終わらせた人物として知られている。<我思う、実績と評価は小泉首相の倍以上を考えるとイメージ出来る>
◎「大半」から「過半数」へ
・サッチャーが導いたコンセンサス政治の終焉は今も国策に大きな影響を与え続けている。サッチャー政権以前は、議会や当事者から反対があると、対立しないように「調整」して問題を先送りしていたのだ。それを様々な既得権益が悪用し、国の運営自体が危うくなっていたのだ。
・国の統治権は政府にあり、既得権益ではない。コンセンサスが国を支配するのではなく、民主主義の下では「過半数」が絶対だ。故に今でもイギリスではサッチャーの訴えた「過半数」の政治運営を続けて
 いるのだ。

◎日本経済を分析した結論
・人口が減っていく日本で経済が今より厳しい局面を迎えるのは避けられない。ただ、輸出入業で経済を15%以上伸ばすことは可能だ。中でも輸出量の伸びしろに最大限貢献出来るのが観光業だ。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
・GDPは人口と連動している。日本はインドにも追い越されて4位、
  一人当たりでは25位なのだ。
・サッチャーから学ぶことは「調整」ではなくて「過半数」が絶対
  という運営手法。会社も同じだ。サッチャーは合意形成型政治=コ
  ンセンサス・ポリティックスを終わらせた人物として知られてい
  る。