私は魔境に生きた

  島田覚夫  投稿日:2015年 2月 4日(水)10時55分38秒
  
  副題:終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年

・当著との出会いは、鮒谷氏の強い推薦からであった。小野田寛郎、横井庄一さんよりは短いものの10年余りのジャングルでの籠城生活。そして原住民との交流。考えられない事である。
・気づきを得た文言を記しておく

<驚き>
・タピオカは多少の中毒性がある。多量に食べると食中毒の様な症状を起こすことがある。
・流れる汗はまさに滝の如くである。ただ汗が目に入っても、塩分がないのでしみないのが幸いだった。

<原住民の慣習・生きる知恵>
・古来野蛮な彼らには野外を歩く場合、不意に敵と遭遇することが多く、これに備えるために男はつねに荷物をもたないのだが、これから想像しても、いかに彼らの生活が殺伐なものであったかを伺いしることが出来る。
・現在ではオランダの統治下にあり、このようなこも少ないが、依然としてその習慣は残り、今でも男は荷物を持たない。またこうして山を歩いている時、突然、何かの獲物に出くわした場合、直ちに応ぜられるという利点も考えられる。

<原住民の本能のままの生き様が解る>
・彼らは、一旦女を見込んだ以上、それがたとえ人妻であろうと、相手の男を殺してまで奪いとる。これらの掠奪(りゃくだつ)は夜間相手の寝込みを利用して、一撃の下に斃(たお)すのを一番の手段とする。

<贅沢の無い世界でも幸せはある。足るを知ること。>
・いかに目的の女を手にいれても、・・私たちの経験から考えても決して楽しいとは思えないが、文明の世の味を知らぬ彼らには、サゴ椰子があり、火喰鳥、猪などの棲んでいる所であれば、結構それで満足して生活できるのである。一旦、文明の世に生を受けた私たちにはとうてい想像もできないことだった。

<資本主義でない原住民の態度こそ、人間の真の姿かも>
・彼らは極めて無愛想である。男であれば物を与えても礼を言う位のことは心得ているが、彼女らはそんなことは全くなく、ただ黙って手を出し受け取るだけである。
・これは彼女らの通有性で、男は比較的、外人などと接する機会が多いため、一応の礼儀もわきまえるているのだが、女はそんな機会がないため、その点については全く零なのである。
・彼らの間で久し振りの客がやってきても、別に挨拶をすることはなく、ただ黙って家に入り用件だけ話すと黙って出て行く。
・しかしこれは彼らの間では普通のことであって、別にそれが感情を害している訳ではないのである。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
・人間の生命力は凄まじい。人は水がなければ3日で死ぬ、食糧がなけれ
  ば3週間から1か月で死ぬらしい。海水は飲んではならないが、生死が
  かかる状況であれば、1日500cc程度ならのんでもいいことをWEBで
  知ることにつながった。
・やはり、『足るを知る』ことが大事だと思う。その意味するものは、石
  井裕之氏が言うように『現状の中に見出せ』ということだと思う。