設備保全の手引き大島 栄次 投稿日:2013年12月15日(日)00時02分14秒 |
・「前年がこうだから今年もこう」ではなく、計画的な保全作業を行うこと ・故障を直す、故障を防ぐという考え方よりも、設備管理としては設備の寿命を伸ばすという積極的な姿勢を大切にしていく。 (保全の方式) ・時間基準保全方式 ⇒定期点検、定期修理、オーバーホール、予防的部品交換 ・条件基準保全方式 事後保全、劣化傾向管理(予知保全) ・事後保全 ・設備の部品や機器が故障していることが発見されると、それを修理するなり、交換するなりし て修復させる方式が事後保全。 ・事後保全は原子的であるように見受けられるが、実用上は寿命まで使い切るのであるから、そ の点だけを見れば最も経済的な対策。 ・日常点検と定期修理 ・過去の経験から約6ヶ月に1回の頻度で故障することが解っている設備に対して、3ヶ月の周期 で点検することを考えたとすると、1年に1回程度の故障率の設備に対しては同じ周期では点検 せず、例えば6ヶ月に1回の点検周期となる。日常点検でも設備の性質によって方法は異なってくる。 ・操業中に点検するのでは、点検可能箇所も限られる。たとえ劣化が発見されても、停止させない と修理できないことも多い。そこで行われるのがオーバーホールである。 ・予防保全 ・設備の寿命を予測する方法論は2つある。一つは故障物理に基づく寿命予測。もう一つは統計的 手法に基づく確率的予測。 ・保全情報の管理 ・収集された保全情報は、関連部門との連係活動に反映されなければならない ◎保全活動全般にわたる報告:1回/月 部門長、保全課長、スタッフが参加する保全連絡会 ◎設備設計部門との保全技術検討:随時 保全予防を目的とする情報交換と設備の検討会 ・点検、検査計画の留意点 ・周期が短すぎて異常がほとんどない→周期の延長 ・周期が長すぎて異常処置が多い→短周期にするよりは改善を推進する ・修理工事の分類 ・事後修理工事→故障しても生産性・安全性に支障がなく、経済的検知から故障後でよいもの。 ・予防修理工事→検査結果により、故障発生前に計画して行う修理工事このタイミングでやれば、検査実施が有用になる。 ・保全工事の基本 保全工事をどのように計画すれば良いか、あるべきを明確にしていなければ、成り行き形の保全工事に陥る。 ・オーバーメンテナンス工事を避ける 常にオーバーメンテナンスではないかと疑い、トータルの修理工事件数を減らす努力が必要。 ◎重要な工事は1件ごとにPERTで工程をたて、工事仕様は確実にチェックする 部品材料は図面通りか、機能面からのチェックも行う。 ◎外注工事管理◎ ・工事仕様、役務範囲を明確にする。 工事着手前に請負契約を結ぶことを目指す。 ★積算基準を整備して施工者選定は慎重に ・発注は見積金額の高低だけで判断せず、施工者のもつ技術力を重視して施工者選定を行う。 ・直接保全担当者が作業員を監督するようでは、管理が疎かになる。工事に際しては施工者側 の 監督者を必ず付けさせて、保全担当者は施工管理に専念することが大切。 <以下、気づき> 固定資産の管理は、維持管理して、簿価を決め、最終的に、会社の貸借対照表に資産の部として計上されることになるので、固定資産(所有する土地、建物、機械設備など)の一覧を把握して、現状、どうなっているのか、今後どうしたいのか、聞かれたら分かるように整理しておくことが必要。 ◎作業工程等の表を作るときのイメージ No. 部位 担当 工程 備考 6月 7月 5日 6日 7日 10日 11日 12日 1 2 3 (参照)計画保全システム ・研修室運営の参考事項 ・言って聞かせるのは、なにをどうするかというノウハウ(Know How)ではなく、何故そう するのかをはっきり理由づけのできたKnow Whyでなくてはならない。 ・保全コストに関する指標は、過去2年間の実績と比較することが必要 ◎「品質は工程で作り込め」と言われるが、製造設備の自動化が進むほど、品質は設備で保証 する時代になっている。 ・保全のコストは壊れたら直す事後保全と、先手を打った予防保全と大きく2つに分けて、予防 保全にお金をかけて、合計したコストをミニマムにする。 ●● ピークパフォーマンス方程式 ●● 設備保全は、前年がこうではなく、計画的な保全作業を行う。 設備の管理は故障を直すというより設備の寿命を伸ばす。 固定資産管理はBS計上されるので一覧を作成し、現状把握と今後どうするかを計画すること。 保全コストは、予防保全にお金をかけて合計コストを最小にする。 |