絶対達成する部下の育て方

  横山 信弘  投稿日:2013年 5月16日(木)23時37分46秒
  

  
  


 
 


 
・まったく新しいマネジメント手法「余材管理」は、目標達成を目指すので
 はなく、「どんなに悪くても目標達成」。
・出来ない営業組織の問題は、チームに目標予算を達成するという明確な意
 志がないこと。結果を出すためには、①目標予算に焦点を当てること、②
 行動量を圧倒的に増やすことが必要

1.絶対達成の第一歩は、目標に焦点をあてること
 ・目標も「見込み」も不足も分からないでは、結果が出るはずがない。
 ・人間は暑くなれば上着を脱ぐ。寒くなればコートを着る。気温変化に対
  し、自分の体温を変えて適応することは出来ない。
  企業も同じで、外部環境が変わったからと言って、予算計画を変えると
  財務が不健全になる予算計画は体温と同じで、健全に存続するためには
  変えてはいけないもの。計画を減らせば経費を減らさなければならな
  い。つまり、外部環境が変化して目標数字を達成するのは厳しい、下げ
  て欲しいと要求するのはおかしい。

 ・マネジャーでも、「出来るはずがない計画」「市場が変化しているから
  しかたない」等という者は、絶対達成すると決意した上で、目標予算に 
  焦点が当たっていないのだ。
 ・マネジャーでも「出来もしない目標をやることが・・」などと質問・反
  論する者がいるが、そんなときは『出来もしない目標と、最初から決め
  付けていることが問題なのでは?』と聞き返すのがいい。
 ・目標予算を絶対達成することが営業の仕事と腹に決めなければ、アイデ
  アも出てこないし腹に決めて活動するのと、言い訳を繰り返して活動す
  るのでは結果は全く違ってくる。
 ・潜在意識で目標予算に焦点を当てていれば、必ず脳に空白が生まれ、空
  白を埋める為に能動的に行動する。

 ・「目標予算必達!と言うと、部下が萎縮する」等と心配する必要はな
   い。『目標を達成するのは当たり前だから絶対にやりなさい』と言わ
   れることで、普段はやる気のない部下も「やるしかない」と言う気持
   ちに切り替えることが出来る。
 ・当たり前のこと、確実なことならば、人はモチベーションや感情に左右
  されずに行動する。そこにストレスはない。「君の目標はいくらだ!」
  「君のタスクはなんだ!」と繰り返し聞かれているうちに、予算達成が 
  当たり前になってくる。それが重要。
 ・出来ないと少しでも思っている人には、出来るはずがない。

2.動かない部下が自ら動くようになる!現状維持プログラムを外す方法!
 ・営業が結果を出す為に必要なことは、①目標に焦点を当てる、②お客様
  との接触回数を増やすことが必要。総務課なら・・部下との会話を意識
  的に増やすことが必要。
 ・インパクトのある体験により習慣は一気に変わる。転職先に、既にその
  習慣が組織として定着している時、異論を唱えるか?(普通はそこに合
  わせる努力をする)

 ・上司の言葉を、腹に落とすことが出来るか否かは、体験に左右される。
  過去に体験のない事を言葉だけで理解するのは無理。よって、「部長に 
  言っていることは理解できない!」等と反発してくる。そんな時は、
  「理解には言葉と体験が必要」だから・・先ずはやってみよう、2・3 
  ヶ月やってみて話を聞こうか?と約束するべき。
 ・KPI=キーパフォーマンスインジケーター
 ・PDCAを回す時は、正しい答えや方法を見つけ出すことではなく、と
  にかく行動を変えること、行動スピードを上げることが大事。
 ・労働時間は増やさずに行動量を増やす。大切なのは結果。結果を出して
  もいない者が効率化がどうのという資格はない。

 ・PDCAでDをする時に大切なのは「やりきる」ことだが、殆どの組織 
  ではDがやりきれていない。中途半端では検証Cが出来ない。やりきら
  ない限り、検証しようがない。
  100%と決めて100%行動するのと、99%では全然違う。「やりきる」習
  慣があるか否かで結果は全く異なってくる。
 ・行動量を増やすと質が落ちるという者がいるが、それは慣れる迄の間で
  あって、恒常的に質が落ちたままになるわけではない。寧ろ問題は、慣
  れるまでに時間がかかるという理由で、その方法を選択しないことであ
  る。
 ・最初は少ない量でもロックをかけてやりきるロックPDCAが必要。出
  来ない理由のない行動をロックすることで、やりきる習慣が身について
  くる。

 ・一度に全部やれは無理。アドバイスは1つずつが基本。一つひとつ習慣
  になるまで反復することが大事。絵に書いた餅になってしまうのは、全
  てを一度にやろうとしてしまうから。
 ・ビジネスには「期限」と「ノルマ」がある。やりきる習慣がつくまでは
  KPIを達成するのがキツイと思うが、それを乗り越えれば、自分が行
  動出来ることに気づき、行動量、行動スピードもどんどんアップする。

3.「絶対達成」させる新マネジメント術・・「予材管理」
 ・「予材管理」は最低でも目標予算を達成させる新マネジメント手法。目
  標達成を目指すのではなく、「どんなに悪くても目標達成」である。
 ・「予材」は「見込み」「仕掛り」「白地(しらじ)」からなる。「見込
  み」は80%はいけるなという時の80%、ほぼ間違いない部分。
 ・目標数値と「見込み」のギャップである20%が空白であるが、「脳の空
  白の原則」は脳に空白があると埋めたいという心理欲求が働くこと。よ
  って、目標達成に焦点があたっているなら、必ず脳に空白が出来るの
  だ。
 ・次に、「仕掛り」は、ひょっとしたら注文がくるかもしれないというも
  の。
 ・「予材」=見込み+仕掛り+白地=目標予算×2倍

 ・よくある悪い例・・目標500万に対し、400万しか出来そうにない
  と答えた者が結果470万になった。「大崩しないで頑張ってくれ
  た!」ではない。
  目標未達はダメ。低く見積もっておいて、「実は意外と出来た」といわ
  れれば聞こえは良いが、この結果を放置してはならない。
 ・努力はしているが、それを表にだしたくないという心理がある。個人の
  話であれば良いが、組織ではいけない。「仕掛り」の「予材」を全てオ
  ープンにしなくていいのであれば、営業組織は必要ない。

 ・マネジャーの仕事は、組織の目標数値を達成させることであり、空白を
  埋めるためには、どれ位予材が必要なのか、どんこにその予材があるの
  かという発送になる。その為には常に組織全体の「予材」を探し求める
  ことになる。マネジャーが「予材」を探さないとしたら、単純に焦点が
  あたっていないだけ。
 ・「他にないか」を尋ねた時、「未だお見せできる状態ではないので」
  「もう少し確度が高まったら報告します」とごまかしたり、「気合と根
  性でがんばります」との答えを決して許してはいけない。具体的に、す
  べての「仕掛り」を具体的に確認するのがマネジャーの仕事だ。

 ・ビジネスの基本は定量的であること。よって「できるだけ多く」では
  ダメ。
 ・多くの営業マンは「量を増やさず中身を変えます」と言いたくなるが、
  先ずは量。ここがブレてはダメ。『余材管理』と大量行動はセット!

4.「そよ風型」から「ツイスター型」チームへ変わる方法
 ・頼みたいことは他の人に頼むべき。自分がやった方が早く、完成度が高
  くとも、自分が仕事を抱えることで自分の行動量やスピードを落とさな
  いために。
 ・任せる相手は「理解=言葉×体験」。よって相手に任せることで相手も
  成長するので、体験させることに躊躇してはいけない。
 ・人間は1日経過するだけで、70%のことを忘れてしまう。ヘルマン・
  エビングハウスの忘却曲線。
 ◇効率化してからでないとお客様の所へいく時間を捻出できないのではな
  く、お客様との時間を無理やりにでも捻出するから、結果的に効率化で
  きるのだ。

5.「なくす」「まかせる」「短くする」で一気に業務改善
 ・会議では過去は厳禁。未来のことだけ。会議で大切なのは、過去の情報
  を共有することではなく、未来のこと、今後の計画をどうすると考え、
  コミットしていくこと。
 ・過去の報告より重要なことは「未来の計画」であり「未来の行動」。
  「前向き」な思考を手に入れるには、未来の行動に焦点を当てること。
 ・今までやってきたことを捨てる、なくすのは意外と難しい。そこで、い
  きなり捨てるのではなく、とにかく「一度止めてみる」のがいい。先ず
  は3ヶ月中断し、その上で必要ならもう一度再開すればいい。それで失
  うものは何もない。

6.今日から会議は「2週間に1回30分」だけにしなさい
 ・会議は「仕事」ではない。目標達成させる為の「道具」。目標予算を達
  成させる為には、行動量、行動スピードを上げることが先決。
 ・いつまでに幾ら積み上げるという期限とノルマをネクストアクションと
  して決めない限り、部下はPDCAサイクルを回しようがない。だからこ
  そ、会議ではCではなく、A(改善)だけを議論する。
 ・Aでは、「いつから何時まで」に「誰」が「何」を、「どこ」へ、「ど
  のくらいの量」を「どんな方法で」やるのかを明確にしてコミットして
  もらう。
 ・会議が終わり、次の会議まではDOをしていく。PDCAのC(チェック)検
  証は、事前にメール等で資料配布し、各自でチェックをしておく。

 ◇「改善案を出せ」と言っても出してくる部下がすくない。場合の考え
  方。「これは、自分がなめられているだけ。出来ない理由がない。やら
  ない部下をそのままにしていいのか?」ということ。
 ・定量的な計画をたて、それを100%実行し、求めている結果が出ている
  かどうかを事前に資料で検証する。ギャップがでているのであれば、そ
  れは空白。その空白を埋める為の改善策を出す。これが正しいPDCAサイ
  クル。
 ・やることをやっていない部下に対しては「出来ない理由なんかない」と
  厳しく質問責めにする。やるべきことをやらない部下を許してはいけ
  ない。
 ◇出来ない理由がないことは、絶対にやってもらう。やるべきことは、必
  ず「期限」と「ノルマ」で構成されている。これをマネジャーが明確に
  しているのだから、相談もなしに、「できていません」などは絶対に許 
  してはならない。

 ・80%は性善説で相手に合わせ、いざ会議となったら性悪説でビシッと質
  問責めにすること。
  質問責めは20%。いつも温和な上司が、タマに起こるから意味がある。
 ☆会議でしか部下とはなさない上司は、まったくマネジメント出来ていな
  いと言える。

 ◇先ずは自分が変わります。自分がやって見せて・・と言うのでは遅すぎ
  る。マネジャー自身は変わらずとも、部下を変えねばならない。その順
  序の方が圧倒的に早く組織が変わる。
 ・変わらなければならないのは、若い部下たちの方。部下には「行動を変
  えていこう」でいい。


 ◆◆ ピークパフォーマンス法定式 ◆◆
 ・行動量を増やすと質が落ちるという者がいるが、それは慣れる迄の間、
  恒常的に質が落ちたままになるわけではない。寧ろ問題は、慣れるまで
  に時間がかかるという理由で、その方法を選択しないこと。
 ・会議で大切なのは、過去の情報共有ではなく、今後の計画をどうすると
  考え、コミットしていくこと。