MBAクリティカル・シンキング

グロービス・M・インスティテュート  2011年12月23日(金)11時03分14秒

 
  ◎クリティカル・シンキングとは
・「クリティカル」の直訳は「批判的な」である。つまり、自分がきちんと論理的に考えているかチェック(批判)しながら思考を進めていくことが「クリティカル・シンキング」
・普通の人は、何かの問題を目にすると、直ぐ答えを出してしまい、あまり考えない。どんな解が得られたかは重要ではない。どこまで考えたか、どうやって考えたかが需要。
・問題を目の前にした時に、直ぐ答えを出そうとするのではなく、じっくりと考えて問題を突き詰めるべき。

・思考の効率を上げるために、最低限必要な方法論とフレームワークが必要。
・クリティカル・シンキングの方法論は3つ。
 ①論理展開 ②因果関係の把握 ③構造的アプローチ
・何かの結論に達したと思っても、さらに考えることが重要。「so what? hwy so?True?」何故、だから何、本当の3つ。
・問い続けることで、考える力や考える習慣がついてくる。

◎論理を解き明かす
・有効な対応策を見つけるには、目の前の問題がなぜ起こっているのか、その原因を正確につかむことが出発点となる。
・何故、こういう現象が起こっているのか。その原因は何か、という問いかけを常に行う姿勢を身に付ける必要がある。

◆全ての論理展開の基礎となる「演繹的・帰納的思考」に加えて、「因果関係」について理解することで「ビジネスに必要な論理思考力」の基礎が作られる。
・論理展開とは、1つの結論を言う場合に、「それは何故か」を示すことともいえる。
・交渉で、断る場合(例えば、値上げ拒否)でも、単に駄目ではなく、何故駄目かを説明しなければ納得はしてもらえない。
・論理展開の方法は2つ。演繹法と帰納法。
・演繹法は三段論法とも言われる。定義は「2つの情報を関連付けて、そこから結論を必然 的に導き出す思考法」である。

◆演繹法は、観察事項がルールに合っているかどうかで結論をだす。
◆帰納法は、観察される事象の共通点からルールを導き出す。

◎因果関係を見極める
◆スキーマとは、物事に対して、その人が無意識にしてしまう、見方・考え方。
 ≒偏見、先入観に近いのか?(我思う)
・手段が目的化するのを防ぐには、他者に仕事を指示する際に、本来の目的を明確に説明しておくことが必要。そうしなければ、指示を受けた方は、忠実に実行することが使命(目的)だと考える傾向があるから。

◎構造を解き明かす
・複雑なことを正しく捉える為の思考技術が「構造的アプローチ」。
・構造的アプローチとは、複雑に見えるものをいくつかの要素に分解し、要素間の関係を明らかにして、全体と部分を同時に理解出来るようにすること。「頭の中に地図をつくる」と言い換えても良い。
・構造化には2つの側面がある。事象の構造化と論理の構造化である。
・構造化の為に使える概念やツールとして、1つがMECE。2つ目はロジック・ツリー、3つ目がフレームワーク。

◎構造的アプローチ
・構造化とは重要な思考技術で、人々に欠けているのが物事を構造的に捉える考え方である。
・構造化することは、①大局を見る、②関係を分り易く整理するの2点から構成される。
 ①大局を見るとは、重要ポイントを見落とすことなく全体を見て、各ポイントの重要性を比較することである。
・真に効果のある対策案を出すには、一つ一つの側面だけでなく、もっと大局的に物事を見て、どこの部分に本質が潜んでいるのかを正しく把握しなければならない。

◆企業の競争について分析した「5つの力(ファイブ・フォース)」ポーター教授とは、任意の業界について「業界内競合」「代替品(の脅威)」「新規参入者(の脅威)」「売手(の交渉力)」「買い手(の交渉力)」の状況を見ることで、その業界の構造的魅力度を知ろうとするもの。
・分析時のポイントは、必ず仮説を持ち、仮説を検証するというスタンスで分析を進める事
・分析結果から、結局なにが起こっているのかを引出し、それを仮説的に構造化する。
◆全体のステップでの要点は2つ。1つは、そもそも「事象の構造化」(ツリー?)という思考パターンを心がける事の方が遥かに重要!
◆構造化して考える癖を持っているかいなかで、ビジネスマンの生産性が変わってくる。
・論理を構造化することは、事象の構造化を念頭に置いた上で、そこからメッセージを抜き出し、文章やプレゼン資料などの形に落とし込むこと。
・ピラミッド型にメッセージを構成すると、相手にとってもわかり易く、自分の思考の完成度のチェックにも役立つ。

◆ビジネス・システム
・ビジネスの仕組みを分析する際に役立つフレームワークとしてビジネスシステムがある。企業がどのようなプロセスで価値を生み出しているのかを明らかにするものである。
・分解した各プロセスごとの、どこに強みやユニークさがあり、何が弱点やボトルネックになっているかを検討する必要がある。
・ビジネスシステムを一企業枠ではなく、仕入先や販売先など関係する企業群まで広げて考えたものを「サプライチェーン」と呼ぶ。

◆組織・人の分析フレームワークとして7Sがある。7Sはマッキンゼーが開発したモデルで、組織を・・ストラテジー・組織構造(ストラクチャー)・システム・スタイル・スキル・スタッフ・共通の理念(シェアードバリュー)の7つの観点から見るというもの。

・構造的に考える際の注意点
・第三者の視点を入れる。何故、そのテーマについて考えたのか問い直す。利害関係者を設定し、その視点から発想する。外部の人間の視点に立って物事を見る。上司や社長の視点から、自分と関連づけながら物事を眺めてみる。時間を置いて見直す。「検討する」など思考停止ワードに注意。(改善するなども同じ)
◆キーワードのみで考えるのではなく、主語・述語を明確にしたフルセンテンスで考える事
◆10兆円は日本人一人当たり10万円。外食産業が年30兆円なら、日本人一人あたり年間に30万円の外食をすることになる。

◆ヒアリング時のポイントは、最終的な結論の仮説をもち、それを確認するようにヒアリングすること。「目的もなく、何となく聞いてみよう」では駄目。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
◆構造的アプローチ
 ①大局を見る、②分解して分り易く整理し「頭の中に地図をつくる」
◆ヒアリングは結論の仮説をもち、確認するように行うこと。
◆演繹法は、観察事項がルールに合っているかどうかで結論をだす。
◆帰納法は、観察される事象の共通点からルールを導き出す。