ビジネスマンのための「解決力」養成講座

  小宮 一慶  投稿日:2010年 9月22日(水)23時06分42秒
 
  ◎ラテラル・シンキング=水平思考。ロジカル・シンキングは左脳型であるが、ラテラル・シンキングは右脳型の新しい価値を生み出すことが出来る。

・「自分が責任者ならどうするか」と、自分なりの優先順位付けや対応策を考える習慣をもつことが重要。継続すれば、問題解決能力があがり、自分に直接関係ある問題が起こった時にも対応出来る。

◆緊急度と重要度の四象限のマトリックス
・重要度と緊急度を決めるには基準が必要。企業なら収益やお客様に与える影響度を基準にするとよい。
・ダウンサイドリスク(最大限被るであろう損失)が大きくなるものほど重要度は高まる。対応が遅れる程、ダウンサイドリスクが大きくなるものは、緊急度も高くなる。
・思わしくない現象に気づいたら、もし、それが最悪の状況に繋がっていったら、どれだけの損害があるのかを考え、ダウンサイドリスクを推測する。これが問題の優先順位、つまり重要度、緊急度を決める大きな要因となる。
●小さな事でもダウンサイドリスクを常に考える習慣をもつと、問題の優先順位付けの能力が高まる。

⇒解決すべき問題の優先順位は、ダウンサイドリスクの評価で決定する。
⇒重要でも緊急でもない些細な現象の中に、放置すると拡大する「問題の芽」が潜む。

◆非常に単純なケースでも、ロジカルツリーを使い分解することで、本質的な問題を特定しやすくなる。

◆UDE(Undesirable Effects)=好ましくない現象⇒根本問題を見つけ出す手法
・現象の中に問題があり、現象の中で好ましくないものを「問題」と呼ぶ。
・コツは「何故」「本当」「それから」のキーワードで考えること。
①UDEをポストイットに書き出す ②原因(下)と結果(上)になるように貼る
③ネガティブ・ループが現れるまで続けて、根本問題を見つける。
⇒ネガティブ・ループがを断ち切る対応可能なUDEが根本問題である。

・十分な情報がない中で、簡単に結論を出してはいけない。つまり、直感的にものを考えてはいけない。それは占い師のやること。Aという事実が出ればこうする、Bという事実が出ればこうすると、場合わけして考えるのが論理的思考というもの。

・何事も、「事実」と「仮定」を区別し、論理を構成し、そこから出た結論を「仮説」と考え、それを検証することが必要。それが論理的思考力。

◆プロコン・リスト(良いことと悪いことの一覧表)⇒問題解決策定の為のツールプロコン解決策a解決策bのように記入すると、漠然と考えるより物事が見えてくる。

・複数の視点で考える方が、優れた結論を出すことが出来る。皆で話し合うというのは、多数決で決めるということではない。皆で話し合うべきもう一つの理由は、話し合いの過程で、皆が納得していく事にある。

◎リスクを積極的に取る人=リスクテイカー、リスク回避しようとする人=リスクアバータ ーという。
●一旦ゴールしたことでも、全てが仮説であう、という認識に立てば、その仮説と結果を検証し、次の仮説に生かすことが出来る。次の失敗確立を下げ、成功確立を上げていくことが出来る。それを本当の「経験」という。

◆解決策の実行プランで重要な5点
①ゴールと現状のギャップの確認と共通認識
②計測可能なゴール
③ゴールから逆算し、細分化した細かい行動計画
④いつまでに(期日)、だれが(責任者)、何をどれだけ(数値化)やるか?
⑤資源(人・予算・時間)の最適配分

◆PERT図の活用
・複雑の工程を伴うプロジェクトでは、PERT図を書く。プロジェクト全体の複数の工程の相互依存関係をネットワーク図にして、効率化を図るもので、便利なツール。

●成功確立を上げるには、検証が必要で、そのコツは検証の責任者をもうけること。
●検証やその進捗のチェックを実行部隊に任せると、時間制約の中で検証は後回しにされがちである。すると、制度が上がらない。その結果、いつまでも頑張っているだけになり、やがて疲弊してしまう。
⇒PDCA、計画・実行・検証・改善。Cの検証がなければ、螺旋のように上に上がっていくことは出来ない。

・人は、意味の共有ではなく、意識の共有によって動く。

◎マーケティングの5P
・プロジェクト(商品)、プライス(価格)、プレイス(流通)、プロモ(販促・宣伝)パートナー(どこと組むか)
◎プライス理論
・価格の下限は、コストから決まる。価格の上限は、お客様から見た価値があるか否か。
◎QPS=お客様の視点から見る
・クオリティ(質)、プライス(価格)、サービス
◎AIDMA(アイドマ)の法則⇒人が物を書くに至る過程をモデル化。
 ~ものが売れない時の解決策を考える時に使う。
・アテンション(注意)⇒インタレスト(関心)⇒デザイアー(欲求)、モーティブ(欲求の高まり)、アクション(行動)
⇒この流れの何処が切れて、ボトルネックになっているかを分解して考える為のツール。

◆SWOT分析=経営寄り視点で、強みと弱みに対するコンセンサスを持つことが大切。
・ストレングス(強み)、ウイークネス(弱み)、オパチューニティ(機会)、スリート(脅威)でSWOT。

◆ABC分析から
・ここでは80:20の法則が大抵当てはまる。本来ABC分析は、BとCの中から「売り逃し」を見つけるために用いる。BとCを切り捨てる為のものではない。

◆レーダーチャートで見える化
・何処が強い、何処が弱いとの事が、一目で対象となるものの状態を表す。

●ボトルネックという言葉を共通認識にすること。
●全てを解ったつもりになっている人。これが『バカの壁』である。この壁は強靭である為「何故?」「本当?」「それから?」のキーワードを活用すること。
・会議等で理屈を言う。それに対しては「何故?」と尋ねる。また何かいうと「本当?」と聞き、「それから」と尋ねる。
 「何故」「本当」「それから」を繰り返す内に、自分の考えでもそう考えられるようになる。繰り返し行ううちに、深く考える力(論理的思考力)が身につくようになる。

◎イスラムの常識には「金利」という概念がない。イスラム世界では金利をとってはいけない事になっている。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
・ダウンサイドリスク(最大限被るであろう損失)が大きくなるものほど重要度は高まるUDE(Undesirable Effects)=好ましくない現象⇒根本問題を見つけ出す手法
・現象の中に問題があり、現象の中で好ましくないものを「問題」と呼ぶ。