お金を知る技術 殖やす技術

  小宮 一慶  投稿日:2010年 6月26日(土)10時18分49秒
 
  Q:このところ金の値段が上がったのは何故?
A:欧米でのインフレ懸念とドル安の為
⇒インフレとは、お金の価値が落ちる事。つまり「実物資産」が上昇する。土地や金が上昇する為。
⇒金はドル経て表示されるから、ドルが安くなると金の価値は上昇する。
⇒「ドル安」=「円高」、「ドル安」=「金高」となる。

Q:米ドルが2008年初めに急激に円に対して安くなったのは?
A:米国の金利が下がったから。一般的には金利の高い通過が買われる傾向にあるから。

「円キャリー取引」とは①低金利の円を借りて、②その円を即座に売ってドルを買い、③高金利のドルで運用すると言う取引。この場合、円安になった分ドルの価値が上がると・・金利差で儲かる上に、為替でもダブルで儲かる。

Q:米国、日本でインフレ率が預金などの表面金利を上回っていた。ユーロではインフレ率が金利を下回るとどうなる。
A:国債の表面金利よりインフレ率が高くなると、円やドルで運用しいてはお金の価値が目減りする。よってインフレ率以上の確定利回りで運用できるユーロにお金がシフトする

●岡目八目<おかめはちもく>●
・人の碁を脇から見ていると打っている人より八目先まで手が読めると言うことから・・
⇒第三者は当事者よりも情勢が客観的に判断出来ると言う意味。

Q:米国の個人消費が減れば、日本経済は減速するが、それは円に対しドル安になるか、ドル高になるか?
A:米国の個人消費が減少すれば米国の貿易赤字は減少するが、日本や中国の貿易黒字が減少することを意味する。これはドル高要因。
  また米国がモノを輸入するとドルの支払いが起こり、そのドルを輸出国企業が事項通貨に換えるため売却し、ドル安となる。この場合は、米国への輸出が減り、輸出国のドルの換金が減る為、ドル高要因になる。
  さらに、これにより日本と中国の輸出が減るため、景気が悪くなり円安・ドル高となる

●資産のリバランス(金融資産の分配を変える事)に注意
投資信託の運用会社、販売会社は手数料で儲けている。売買手数料が必要な株式も同じ。
手数料が欲しいから、出来るだけ取引させようとするので注意必要。
リバランスは、景気の変わり目に行うのが正解!(景気動向等で適切な金融商品が違うから)

一般的には、短期的には高金利通貨が買われやすく、ファンダメンタルズ(経済的な基礎力)の強い国の通貨や株式が買われ易い。金利については・・インフレ率の高い国の金利が高くなる。

一般的なサラリーマンが老後必要とする資金は、退職時で3,000万円と言われる。また年金は夫婦で23万円程度が基本。(企業年金は別途)

●米国の「平均値」に騙されるな=経営格言に「平均値にごまかされるな」とある
貯蓄率が平均でほぼゼロの米国が「平均で」日本以上の金融資産をもっていると言うことはいかに超富裕層がその金融資産の大半を保有しているかが解る。

富裕層とは・・金融資産を1億円以上もっている家庭。日本では50軒に1軒、アメリカでは30軒に1軒。また日本で5億円以上持っている家庭は1,000軒に1軒。

リスクをとる傾向のある人=リスクテイカー、回避する傾向のある人=リスクアバーター。
人間の意思決定には、実は個人の性格が大きく絡んでいる。

●ボラティリティ=予想変動率●
●ダウンサイドリスク(最大限の損失)●偏差(ばらつき)
●PDCA=計画・実行・「評価」・「改善」
日本のバブルのピークは株価では1989年の38,915円。それが2003年には8,000円を切った。

●投資判断について
初心者の内は、小額から始めて分散投資することが大原則。
上級者でお金を殖やすなら、現物株で気に入った銘柄への長期投資が基本となる。
「守破離(しゅはり)」=教えを守り、工夫し、自身で発展していくこと。

商品先物指数は株や債権と連動しない。つまり資産の一部に商品(コモディティ)を組み込んでおけば、株や債権が値下がりした時に資産全体への影響を和らげる事が出来る。

バフェットの言葉=「天と同じく、市場はみずから助くるものを助く。しかし、天と違って市場は右も左もわからぬものを許さない」

金融の世界でリスクとはリターンのばらつきを言う。すなわち「標準偏差」のこと。
「1標準偏差=1σ(シグマ)」をリスクと言う。リスク(1σ)を見たらリターンにそのリスクを±して、その範囲内に10年の内7年は入るが3年は入らないと考える習慣を持つ事。

「72の法則」・・複利で運用した時、72を利回りを割った年数で資産が倍増する。       6%の利回りだと72÷6=12年で倍増する。

●表面金利ではなく実質金利を見る
物価上昇を加味した金利を実質金利と言うが、金利を考える場合は実質金利を考えねばならない。物価が下がると言うことはお金の価値が上がる事を意味する。

企業では粗利益から給与が払われる。つまりGDPが伸びないと給料は上がらない。経済にとっては大切な数字がGDP。
GDPは名目GDP(実学)と実質GDP(インフレ・デフレ調整後)があり、現在は実質の方が10%大きい。これは、実質ベースでは10%のデフレが進んだことを意味する。デフレの時はお金の価値はその分上がっているので、「実質金利」がそれだけ上がったという事。

金利は、①中央銀行が決める政策金利をベースに、②資金の需給で決まる。
中央銀行が決める政策金利は『短期金利』。日本では銀行間で短期的な資金の貸し借りを行う『コール市場』と言うプロ市場があり、『翌日物(オーバーナイト)金利』つまり銀行同士が1日だけ資金を貸し借りする金利の『誘導目標』を政策金利としている。

短期金利として『コール翌日物金利』、長期金利として『10年もの国債利回り』は毎日チェックすること。

●国債の「利率」と「利回り」
「利率」=発行時に額面に対し支払われるのが決まっている金利の額
「利回り」=その時々のリターンのこと
額面100円に対し、利率1%の価格が上昇し102円になった場合、利回りは1円÷102円×100で0.98%となる。
国債を買う人が増えれば国債の価格が上がるので利回りはダウンし、逆に国債を買う人が減れば国債価格は下落し、利回りがアップする。

サブプライム等のように不確実性が増すと、安全資産を皆が求める。
●スタグフレーション=物価上昇と景気後退が同時に起こること

住宅ローンは、強制的に貯蓄をさせられている事と同じと考えれば良い。
少しでも余裕が出来た時は、繰上げ返済をすること。

投資信託と言う金融商品の活用法はすごく簡単。自分で買えない金融商品を買う時に使う。
あくまで「手数料を支払って運用を代行してもらっている」と考えること。証券会社や銀行は、手数料を如何に取るかが一番の関心ごとであるから注意する。

<定期的に分配金の出る投資信託=グローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)
 信用力の高い先進主要国の国債に投資し、安定した成果を目指すファンド>
毎月の分配金が得られる為、知恵と小金のあるリタイヤ組みに人気。

プロのファンドマネジャーでも上手く行かないのは、彼らは通常四半期ごとのパフォーマンスが評価されてボーナスが決まる為、短期で値動きの激しい銘柄を狙いがちにになり負けてしまう。長期運用のバフェットは、このプロの失敗により儲けているのだ。

●株式で長期的に資産を増やすためには・・
①余裕のある資金で、②長期保有を前提に、③自分が気に入った優良企業の株を、④市場全体の地合いが押した(下げた)時に買うのが鉄則。

日経平均株価は225社、TOPIX(東証株価指数)は東証1部全銘柄を指数化したもの。

●株式投資で押えておきたい指標
PER(パー)株価収益率=株価÷1株当り純利益
PBR(ピービーアール)株価純資産倍率=株価÷1株当り純資産
⇒PBRが1倍以下と言うことは、株価が純資産の価値を割っており、人気薄の反面、簿価上の価値より安く買えるため、大きく株価が下がる可能性は引い。買収され易い。

実質金利が上昇すると、投資資金は固定金利商品にシフトする傾向がある為、金利が上昇すると株価は下落する。

一般的に円高は、株価下落をもたらす。日本は貿易黒字国だが、円高は輸出を減らし景気を悪化させる。現在の日本では円高は日本経済の悪化、企業業績の悪化をもたらし、株価全体を押し下げる構図となる。

過去の経験則が通用せず、リスクが読めなくなり不確実性が増大すると株式のようなリスク資産から一斉に国債などの安全資産に逃避する。

日本は少子高齢化の中、先進刻の中で対GDP日最大の財政赤字になっている。


● ピークパフォーマンス方程式 ●
金利は、①中央銀行が決める政策金利をベースに、②資金の需給で決まる。
日本では銀行間で短期的な資金の貸し借りを行う『コール市場』と言うプロ市場があり、『翌日物(オーバーナイト)金利』つまり銀行同士が1日だけ資金を貸し借りする金利の『誘導目標』を政策金利としている。
短期金利として『コール翌日物金利』、長期金利として『10年もの国債利回り』は毎日チェックすること。