トヨタ流「最強の社員」はこう育つ

  若松 義人  投稿日:2010年 5月29日(土)07時51分34秒
 
  ・トヨタ流の改善は人を育て、育った人達の手でその後の改善がなされ、風土として定着する。自分で考える事が求められる。
・改善は「考えさせる」事から始まる。『答えは自分で見つけろ』がトヨタ流。
・常に自分でいくつものやり方を考える習慣を付け、何がベストかを考える。考える時間を惜しんで、正解をもらいたがるようでは、成長はない。

・トヨタ流は「ラインは与えられる物ではなく、自分達で作るもの」、つまりプロセスを自分で作る事を大切にする。そすすれば、どんな変化にも柔軟に対応が出来る。
⇒これは、あらゆる仕事に通じる概念だ!

・売上が上がらない事を不況やお客様の責にしてないか? 自分は一生懸命頑張っているつもりでも、ニーズの変化に対応出来ていなければ、結果は付いてこない。
・自らが日々変化し、ズレを小さくする事が必要。そうすれば需要はいくらでもある。
・お客様が減ってきたと嘆く人は多いが、原因が自分の仕事のやり方にあると考えずに、自分都合の仕事ばかりを続けていると、結局・・お客様は離れてしまう。
・仕事のやり方を、自分都合からお客様都合にシフトすることが必要。
・変わるのが嫌な人ほど相手に変化を求めるが、自分が変わるからこそ、相手も変わることが出来る。

・目的がはっきりせず、ぐらついていると、変えて良いものと変えてはいけないものの区別がつかなくなってくる。「何の為に変えるのか」と言う目的を明確にすれば、変えていいものと、決してかえてはいけないものがはっきりしてくる。
・仕事の優先順位を緊急性や重要性ではなく、やりやすさで決めてしまってはいけない。楽をした結果、あとであわてることになる。

・目標は「なぜ達成出来たのか、出来なかったのか」を突っ込んで調べて活用すること。何故がハッキリしていれば、成功は必然になる。
・『品質は工程でつくりこむ』と言う。不良品を最終検査で見つけるのではなく、不良そのものが出ないモノ作りを目指すのだ。きちんと分析すればプロセスは財産になる。

・クレームは「問題を明確にする」ものであり、問題を解決する事で、モノやサービスは向上する。トラブルや問題は改善への絶好の『機会』だと考えれば、電話に出るの苦にならない。
・トヨタでは「分ったと言うのは実行する事」であり、頭で分っていても言い訳ばかりするのは「分った」とは言わない。

・モノを探すのに手間取ると言った時間、つまり付加価値を生まない動きを無駄と考える。
・トヨタでは何時間働いたかを評価しない。どれだけ知恵を出したか、どれだけ付加価値を生んだかを評価する。
・大切なのは「どれだけ成果を上げたか」であり「長時間働いている」は高い給与をもらう理由にはならない。

・代案もなしに反対するのは、ただの評論家だ。問題を自分のこととして、主体性をもって取組まない限り、人も会社も変わっていかない。
・部下に指示命令を出す時には、自分もその指示命令を受けたと思って考えろがトヨタ流。
・反対意見を述べる時は、代案くらいは示すべき。

・知恵は困らなければ出てこない。率先して問題のある現場に立ってみるべきだ。
・「今がピークだと思ったら終わりだ」現状に満足せず「よりよいもの」を目指すべきだ。

・「頑張ったのだからもう十分だ」と自分で勝手に限界を引いてはいけない。「出来そうもないからやめておこう」と勝手に撤退をしてしまわない事だ。
・環境がどうであれ、要は自分がやらなければ何も変わらない。
・「自分には無理か」と考える位なら・・「言い訳をする頭で実行をする事を考えろ」「人は苦しまなければよい知恵はでない」と言うのがトヨタ流。
・正しい事を正しくやれば、必ず結果はついてくる。これは精神論ではなく、事実だ。

・「時間がかかるから止める」のではなく「時間をかけても達成する」のだ。
・計画を立てた事で仕事をした気になっていては駄目だ。計画は形になって初めて意味を持つ。抵抗や困難を乗り越えて目標にたどり着く事こそ、「仕事をした」と言う。
・目の前の仕事をこなすのに汲々としているようでは駄目だ。相手が求める一歩先、一つ上を見て仕事をする習慣をつけろ。

・予防医学同様、仕事には予防保全が必要だ。客数が減るには原因がある。その前兆を捉え真因を探る必要がある。その真因を早い内に改善すれば、元に戻すのも十分可能だ。
・「ベンチマーク」とは、基準とする企業や組織を定めて比較対照し、最良のやり方を学習する手順を指す。これはゼロックス社で使われ始めた言葉。

・リコーの浜田会長曰く、「社員満足」は難しい、「社員納得」をしてもらう。
・自分の考えを紙に書いて配っただけで全員に浸透したと勘違いする人がいるが、それでは納得どころか、説得さえ放棄している。ペーパーを作るだけで物事が進むならこれ程簡単なことはない。実際に人と組織を動かすには、一人一人の納得を得る地道な作業が欠かせない。
・やりたい事をやって貰いたいならば、相手の目を見て、「納得したな」と分るまで話す習慣をつけること。
・改善には普段のコミュニケーションが欠かせない。アイデアの実行を支えるのは、普段のコミュニケーションによって築かれた信頼関係である。

・トヨタの強みは「物作りは人作り」を実践し、人材を育ててきた事にある。まず人がいて企業があるのだ。
・自分の頭で考え3現主義を徹底すれば、おのずと良い仕事は出来る。管理職は自分を凌駕する部下を育成する事だ。先輩に育てて貰った恩は、後輩を育てる事で返す。この繰り返しにより、人が育ち、企業が成長する。

・トヨタでは「前工程は神様、後工程はお客様」と呼び、後工程がより付加価値の高い仕事が出来るような仕事のやり方を心がける。スタッフが余計な伝票を現場に書かせるような仕事のやり方は許されない。
・仕事は、沢山の人の協力を得て、沢山の人を巻き込みながら進める方が成果を上げやすい


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
「自分で考えて、答えは自分で見つけろ」⇒考える時間を惜しんでいては成長はない「目的は常に明確にしておけ」⇒変えて良いもの、いけないものが分らずにブレてしまう。
「正しい事を正しくやれば必ず結果はついてくる」⇒環境がどうであれ、自分がやらなければ何も変わらない。