ウェルチ

  ロバート・スレーター  投稿日:2010年 5月22日(土)14時15分6秒
  
  ウェルチとGE<創業者はエジソン>が称えられているのは、会長就任中の実績だけでなくシックスシグマに代表される取り組みにより、重大問題が起こらないよう先回りして手を打ってきたことに対してである。

ウェルチ曰く、GEの独自性は多様性を活用する文化にあり、無限に学習する材料として、アイデアの宝庫として多様性を活用している。学習し素早く実行に移す能力こそが究極の武器である。

1980年代の初め「リストラクチャリング」を打ち出し、市場支配力のある事業だけを残した市場で1位か2位のものだけをのこし、その水準以下の事業を回復させられなければ、事業停止か売却をした。

ウェルチは、大企業での官僚的な怠惰と機能停止が生まれるとのい理由から「管理」と言う考えを嫌いこう言った。「私はGEを管理しているのではない。指導しているのだ。管理してはいけない。任せて干渉しない事だ。」と。
ウェルチにとっての経営の秘密は、意思決定に関わる全員が必ず同一の事実・情報を共有していることであった。それにより、全員大枠で同じ結論に達すると言う考え方。

中間管理職はチーム構成員であると同時にコーチであるべき。管理ではなく手助けが必要。
管理職は活力を与える存在であり、活力をそぐ為にいるのではない。個人の能力の高さよりも、チームの能力の総和を上げる力が必要なのだ。

GEの完了主義を撃破したのは「ディレイヤリング(階層削減)」だ。リーダーになりたいならば、階層を厳しく見つめ、何処を削減すべきか、どうすれば現場とのコミュニケーションを良くする事が出来るかを判断しなければならない。

スピードこそ命、これはアメリカ人の価値観であるが、ワークアウトのセッションで実施された事の間違いは1割しかなかった。結論は「とにかく実行しろ。多分それは正しい決断だ」である。
ワークアウトと言う名は、「馬鹿げた事をワークアウト(解消)」し、「ワークアウト(解決)」すべき問題に取組むと言う流れからついたもの。

ワークアウトの目標は、曖昧さがなく、具体的で実現可能な内容であること。そして実施期限が設定され、ワークアウトのリーダーが「障害物排除者」を指名して、実施期限が確実にまもられるようにフォローする役目を与え、徹底を図っている。

●ストレッチ目標●
・目標のバーを高い所に置かなければ、本来の能力がどの程度あるのかの判断がつかない。
・仮に目標達成出来なくとも、低い目標よりは遥かに良い結果に結びつく。
・必要なのは新しいパラダイム。根本的に今までと異なった発想をすることが必要。
・進捗が認められた社員には褒章を与えるが、細部の未達成に対しては断罪しないと言うや り方で無い限り上手くいかない。
・毎年10%ずつ向上させようでは実現できない。2倍、3倍と考えるから自分達の能力が伸ば せるのであり、何処まで伸ばせるか、その限界は誰にも解らないのだ。
・ストレッチすることで、現実的目標を追いかける場合よりも、速くこなす術を身に着ける ことが出来る。
・ストレッチとは自分自身に対する本当の挑戦であり、無限の力が自分にはあると信じる事<K高校で良いと思うから、東大に行くと思わないから・・・過去を考えれば解ること>

●シックスシグマ●
・GEの品質への取り組みがシックスシグマ。これはモトローラが10年かけて生み出した
・シックスΣとは、100万回のOP中に発生するミスの回数の統計上の数値である。
・1Σ=完成品の68%が良品
・3Σ=完成品の99.7%が良品
・6Σ=100万回でミスは3.4回と言うレベル

GEでは、2度とチャンスが与えられない失敗が1つだけある。それは・・誠実さに対する明らかな裏切り行為である。

人は物事を複雑にする傾向がある。だから①境界をなくす②スピード③ストレッチ。この3つの価値を推し進める事が大切。これこそが単純化に繋がる。単純化こそがGEの求める革命的な仕事の次なる目標である。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
ウェルチからの学びは、ストレッチ目標とは1割2割の改善を目指すのではなく、高すぎる位の目標を持つ事でこそ、飛躍的に能力開発が出来ると言うことに気づかされた事。
K校で良いと思えればそれ以上にはならない。東大・九大が当たり前と思っていれば変わった筈全ては・・ストレッチ目標が重要と言うこと。