「数字力」養成口座

  小宮 一慶  投稿日:2010年 3月20日(土)08時25分39秒
 
  ●基本的な個別の数字を、定義と一緒に把握していることが重要●
~上を目指すビジネスマンならば、マクロ経済の数字とミクロ(企業)レベルの自社の数字や経済、会計用語の定義を把握しておく必要がある。
・労働分配率=全産業の平均は60%
・日本の人口=1億2,800万人、その内の就業者は約6,000万人
       (理由は女性が半分いるから)
・給与所得者の数=4,500万人、その給与の総計=200兆円弱
         一人当り平均給与=450万円
・付加価値率=平均30%

・物事を確実に実行するならば、現状と目標数字で具体的に把握することが必要。
 数字をつくっていく力、目標を達成する力に、最も必要なのは、数字を上げていくことに対する「責任」。それには・・常に数値化して考える癖をつけることが必要。上司なら、部下にその癖をつけさせること。
★『~もう少し~』と部下が言ったなら、『具体的にいくら?』と聞く。自分自身でも「もう少し」ではなく、具体的に「あと○○」と考えるようにする。
★習慣化されると、漠然とした表現では、自分も他人も許せない、数値化して示されないと納得できなくなってくる。

・ビジネスでは全体でどうなのかをザックリと掴む事も重要。全体と個別のバランスを見つつも、大きなところは絶対に外さない事が大事。

●為替の売買の仕方
・「今のドル相場は109円10銭~20銭」等とでるが、これは外国為替市場独特な相場の唱え方で、「銀行は109円10銭だったらドルを買います、20銭だったら売りますよ」と言う意味。
・売り買いの相場を一度に唱える事で相場を出しているのだ。その相場の違いを『値幅』と言う。

・日経平均株価=代表銘柄225種の平均
・TOPIX=東証株価指数で、東証1部全銘柄が対象

★数字を読めない人は、最初にきちんと勉強しないから。それで何十年も損をする。逆に少し手間をかけて勉強するとその後の人生でずっと得をする。
 「定義」を覚えるのではなく、「理解して知る」ことが重要。

・「日銀短観の将来値は悲観的に出る」と知っておくこと。何故なら、答える経営者は将来を慎重に見ているから。

●数字力を鍛えるには、①主な数字を覚え②定点観測し③仮説で部分から全体を推測し④数字を関連づけて読み⑤常に数字で考えること。

・アメリカのGDP、人口は日本の約3倍と覚えておく。中国のGDP、今は300兆円
・世界のGDPは5,000兆円。
・日本の中長期財政赤字は、国と地方あわせて800兆円。日本の一般会計予算総額は83兆円・・・つまり『財政赤字は国の予算の10倍』ある。

●借入総額が年間の付加価値額を超えると資金繰りがしんどくなる。(小宮氏の経験則)

・総人口の21%が65歳以上。新成人は140万人、新生児は110万人。団塊ジュニア世代は1学年200万人。
・月曜日の日経新聞の景気指標は要チェック。名目GDP、現金給与総額前年比、有効求人倍率、消費支出前年比、消費者物価指数前年比。

・ゼネコンの成績が最高益と言う時は近いうちに景気が下がる(小宮氏経験則)
・消費者物価指数が上がっていないのは、最終消費財が世界的に供給過剰で価格を上げられない事や、家電の価格下落などにより抑えられているから。

★PLで売上高の伸びを見た時に、BSで資産の伸びを見る。資産の伸びよりも売上高の伸びが高ければ望ましいこと。<資産利益率、資産回転率は上がる>

★大切な習慣は「常に数字で考える習慣」を持つ事。目標は測定可能でなければ意味がない数字力をつけるには、日頃から数字に落とし込む癖をつける事。
★会議や商談でも、日常会話でも、「高い」とか「安い」とか「良い」とか「悪い」とか、「もうちょっと」「たくさん」「みんな」等の言葉が出たら、直ぐに「それは具体的にいくら?」「何人中の何人?」「何%?」と言う質問をする。自分に対しても、曖昧な言葉を考えたら、「具体的にいくつ」と質問する。
・全てをいつも数字と結びつけて考える思考パターンをもつこと。
・目標は必ず数字で言う。

①国内総生産GDP
・名目GDP=実学、実質GDP=インフレ・デフレを調整したもの。
・2007年で515兆円と、560兆円。

②日銀短観業況判断
・日銀が四半期に一度、企業にアンケート調査をする。良いと答えた%から、悪いと答えた%を引く方式で発表され、景気動向の重要指標となっている。

③景気動向指数
・景気を先取りして動く「先行指数」、景気と並行して動く「一致指数」、景気に遅れて動く「遅行指数」の3つがある。
・「一致指数」が3ヶ月連続で50%以下の場合は、景気後退が疑われる。

④現金給与総額
・所定内給与+所定外給与+賞与。2006年は平均334千円

⑤M2+CD
・マネーサプライの代表指数。
・現金通貨+準備通貨(大半は定期預金)+CD(譲渡性預金)

⑥減価償却
・長期に渡り使用する資産を、使用期間に渡って費用化していく考え方。例えば、10年使える機械を1億円で購入した場合、購入時に1億円の資産が増加、費用は毎年1千万円づつ減価償却費として費用化し、かつ、機械の資産価値を1千万円づつ減価していく。

⑦時価会計
・国際会計基準導入の一環で2001年に導入された。有価証券・デリバティブズが対象で、期末時点での簿価を時価に書き換える。それ以外の資産は減損会計の対象となる。
・減損会計は時価と違い、資産価値が落ちた場合に簿価を切り下げるだけで、切り上げはしない。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
売上の伸びを見た時は、資産の伸びを見る。資産の伸びよりも売上の伸びが高ければ望ましい。<資産回転率が上がるから>
「常に数字で考える習慣」を持つ事。「高い」「安い」とか「良い」「悪い」とか、「たくさん」「みんな」等の言葉が出たら、「具体的にいくら?」と質問すること。