わかりやすく【伝える】技術

  池上 彰  投稿日:2009年11月28日(土)08時17分51秒
 
  わかりやすい話をする為には、「聞き手に、リードと言う地図を示す」こと。
「何分お話しします」と予定時間を告げると聞き手に安心感を与える事が出来る。また質疑応答の時間も「30分話した後に質疑応答の時間を取ります」等と最初に言った方がいい。

放送や新聞では、「記事は逆三角形に書け」と言う。
①こう言う事がありました(リード)
②詳しくはこう言う事でした(本記)
③それはこう言う理由でした(理由・原因)
④警察などが調べています(見通し)
⑤ちなみにこんな事がありました(エピソード)
ニュースバリューが大きいものから書けということ。

長い記事やコラムは、「起承転結」の構成にする。
①こんなことがありました(起)
②と言うのも、こうだったんです(承)
③ところが、こんなことがあって(転)
④最後はこうなんです(結)

会議やプレゼンでは、文章を出来るだけ短く切ると良い。また接続詞も極力使わない方が論理的な文章になる。
パワポには、文章を書いてはいけない。文章にすると聞き手が画面を読んでしまう。それなら書面を渡せばすむこと。
パワポは一目で解ることが大切! ビッシリ書き込むのは逆効果!

基本は、キーワードを箇条書きにして、パワポにする。次に、原稿をパワポに基づいた説明の内容に原稿を書き直す。これで初めて、内容が整理出来る。
実際のプレゼンでは、原稿ではなく箇条書きにしたメモを使う。メモならば、自然な話言葉になる。メモの箇条書きは、30分までならA4一枚で十分。

パワポ作成に使う矢印は、因果関係の矢印・時間経過の矢印・移動の矢印などがある。これは色や太さなどを変えて区別することが大事なポイント!
パワポは、1枚ごとに見出しをつける。そして、あれもこれも言いたいかもしれないが3つに絞ること。『3つに絞り、パワポの見出しは文章にしない』の大原則を守ること。

実際のプレゼンでは、見出しに続く3項目は1つづつ小出しに見せると効果的。
3つから先は「沢山」になってしまう。3つは過不足のないきりの良い数字。3つ言った後でも聞き手が聞いてくれそうなら、「ちなみに」「さらに」等と追加説明をすればよい。

最後には、もう一度おさらいをしてから結論とする。最初に戻らずに終わると、言いっぱなし感があり、中途半端な印象を残してしまう。

プレゼンの話し方で気をつける事は、「皆さん」と言う意識ではなく「顔が見える、あなたに」お話しますと言う気持ちで話をする事が大切。
またプレゼン用の原稿は読む文章になりがちだが、話す文書にする必要がある。大事な事は主語+述語にして、長い修飾語の後に主語をもってこないこと。修飾語が長いと、聞き手は主語がわからなくなってしまう。


●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
会議やプレゼンでは、文章を出来るだけ短く切り、接続詞を極力使わない。
パワポの大原則は『3つに絞り、見出しは文章にしない』こと。
最後におさらいをしてから結論とすること。