弱者の兵法

  野村 克也  投稿日:2009年 9月19日(土)14時32分44秒
 
  当著に触れる切っ掛けは「1日30分を続けなさい」の古市氏の強い勧めがあったからだが読後に分かったことは、野球も仕事と同じ。つまりプロ野球選手が考えることは、プロのビジネスマンが考えるべき事で、監督の立場は会社のリーダーの考え方、見方に通じると言うこと。

それでは、野村監督の言葉を参考に、ビジネスマンとしてどう考えるべきかを考えながら以下に記すことにする。

●「監督には言葉が必要」と言う理由は、一流であった選手は感覚でプレーが出来るから言葉にする必要がなかった。しかし選手の殆どは天才ではない。いわば「凡人」を指導する。
その時に必要なのが言葉であり、「表現力」が必要不可欠なのだ●
⇒ビジネスでも、誰にでも理解できる言葉が必要だし、それを実行するためには本を読み語彙を豊富にすることと、説得力を増すための経験が必要ではないか。

●選手は監督の「敵」だと考えている。監督はチームと言う組織を第一に考えるのに対して選手は自己中心的に考える。監督の考え方を理解させ、動かす為には意識改革が必要●
⇒ビジネスでも、部下や社員はある意味「敵」だと言える。リーダーは全体最適を考えるが部下は、部分最適、さらには自己最適しか考えないからだ。その為には、日頃からビジョンの共有を意識的に実行する必要がある。

●目に見えない力、「観察」「分析」「判断」「洞察」「決断」などを『無形の力』と表しているが、無形の力こそが個人の資質や技術力に勝ると考えている。何故なら、有形の力は有限であるからだ●
⇒ビジネスでも、日々の努力によりつけた力は、根本的なIQの高さ、学力の高さをしのぐと言うことだと思う。才能とは、努力を継続する力と言った羽生氏に通じると思う。

●スコアラーに説くのは「表現力」なら、選手に言うのはデータをどうつかうか、つまりいかに「準備」をするかと言うこと●
⇒飲食店の店長には準備、スタンバイが要求される。本部ならば、プレゼンや説明の1回1回に手を抜かず、真剣に取り組むことだと思う。

●「人間は何のために生きているのか?」仕事を生きる糧としている以上、仕事と人生を切り離して考えることは不可能。仕事を通じて人は成長し、人格が形成される。仕事を通して社会の恩恵に報いていく。それが生きることの意義である。●
⇒最高の人格形成を目的に、仕事を手段にしているのが今の自分。仕事をしている時間が人生においてもかなりの時間になる。だからこそ、仕事は前向きに取り組む必要がある。

●「進むときは上を向いて進め。暮すときは下を向いて暮らせ」は、野村監督が自身の戒めにしているとのこと。つまり、仕事では高い目標を持つことが重要だが、上ばかり向いていると過信やうぬぼれになってしまう。だから普段は下を向いて、自分よりも貧しくつらい目にあっている人、苦境にあえいでいる人を見えれば、自分がいかに恵まれていて、どれだけ幸せであるかに気づく。そうすれば、感謝する心も生まれるし、他人にも優しく出来るとのこと●

●評価とは他人が下すものが正しい。人間は自己愛から逃れられないから、自分に対する評価は甘くなる。よって、他人の評価が正しいのである●
⇒常に謙虚な気持ちを忘れないこと。人の話や意見はしっかりと最後まで聞くことが大切ということか。


●●ピークパフォーマンス方程式●●
「進むときは上を向いて進め。暮すときは下を向いて暮らせ」
自分に対する評価は甘くなる。評価とは他人が下すものが正しい。