「戦う組織」の作り方

  渡邉 美樹  投稿日:2009年 8月 8日(土)16時00分40秒
 
  ◎自分の器を大きくする「思考の三原則」とは?
渡邉氏は、物事を深く考える際に、東洋思想家の安岡正篤氏が説いた「思考の三原則」を大切にしているとのこと。
これは、新将命氏に学んだ”多長根”の考え方と同じだ。
①・・目先にとらわれず、長い目で見る。②・・一面にとらわれず、多面的に、全面的に見る。③枝葉末節にとらわれず、根本的に考える。と言うものだ。

◎本当のOJTとは?
人は育てるものではなく、自分の力で育っていく。よって、リーダーに出来るのは部下を育てることではない。育つ環境を整えることと、育つきっかけを提供することだけだ。

伸びが止まってしまう部下は、何事にも他責である場合が多い。
問題が発生した時に、「たまたま・・です」と言う言い訳はあり得ない。きちんとマネジメント出来ていれば、問題が起きる筈はないからだ。「たまたま・・」と言う発言は、自分の自責を他責任にしている典型的な発言だ。

◎評価とは○×をつけるのではない!
部下を評価する時に念頭においておくべきことは、「自分が偉いから他人を評価するのではなく、それがリーダーの役割だから評価する」と言うこと。
そして評価とは、人の能力に○×をつける事ではなく、最も能力を発揮できる役割は何かを判断する為に行う。その結果が、降格人事になることもあると言うことだ。

リーダーにふさわしいかを判断する時に最も必要となるのは、直面している問題から逃げることなく、最後まで踏ん張って戦う精神的な強さがあるかどうかだ。

◎最近の若者は打たれ弱いと言うのは本当か?
これは親の問題がある。親と言う字は、立、木、見に分解される。つまり少し上の立場から我が子の成長を見守ることが親の本来の役割なのだ。
今の親は、なんでも先回りして子供自身が困難を克服する機会を奪ってしまうから、いつまでたっても、自力で川を渡る力がつかないのだ。

◎何故、苦労は勝手でもすべきなのか?
人は困難を克服することで成長しいく。起業家であれば、このような試練は必然的に訪れるが、サラリーマンの場合は、与えられた役割をこなしていれば可とされる所がある。しかしそれでは、いつまでも成長はない。また挫折した人の悩みや苦しみを理解することも出来ない。だからこそ苦労は、買ってでもすべきなのだ。

◎相対的評価の低い人は、価値が低いひとなのか?
例えば、市民ランナーは3時間30分とか20分とかの目標を達成しながら努力を続ける。しかし世界記録は2時間3分台だ。では市民ランナーは価値が低いのかと言うとそうではない。

人の勝ち負けなんて関係ない。自分が今の会社で、或いは社会の中で、どんな地位にいるかなんて、本当はどうでもいいことだ。そこに、夢をもつ意味がある。
夢は他人との競争に勝つためではなく、自分の思いを叶える為にもつものだ。自分の夢を持ち、夢の実現に向けて自己成長させようとしている人は、たとえ競争に敗れても、モチベーションが落ちることはない。

◎物事は徹底的に考えるが、一度決めたら腹を括る
課題については期限を設定して、結論を出すまでは徹底的に考える。しかし結論を出した以上は、悩まないことが大切だ。


●●ピークパフォーマンス方程式●●
人は育てるものではなく、自分の力で育っていく。よって、リーダーに出来るのは部下を育てることではない。育つ環境を整えることと、育つきっかけを提供することだけだ。
評価とは、最も能力を発揮できる役割は何かを判断する為に行うのだ。