なぜ、オンリーワンを目指してはいけないのか?

  小宮 一慶  投稿日:2008年12月 6日(土)22時17分22秒
 
  「正しい努力」とコツさえつかめば、誰もが一人前の経営者になれる!

◎「未来予測」より「現在過去分析」
未来を読み解くには、過去と現在の分析が必要。その為には、毎日の新聞を大見出しだけでもよいから一面から丹念に読む事。
◎「目標=ゴール」より「目的=ビジョン}
目的とは究極的に行き着くところ、目標はその通過点。企業において目的=ビジョン。
◎「オンリーワン」より「ナンバーワン」
セブン-イレブンは他のCVSと殆ど同じものを売っているのに平均日販が2割も他より高くあり続けるのは、単品管理を徹底しているからだ。
何をやらなければならないかは、多くの会社が分かっている。ライバルに勝てないのは、それを「徹底」出来ないから。
◎「新規客開拓」より「既存のお客様」
京都には「一見客お断り」の料亭がある。既存のお客様を大切にする事の方が、新規客ばかりを追って、既存客を逃すよりも結果的に儲かると言うことを経験から知っているからだ。
◎「客観的一番」より「主観的一番」
日本で一番広い湖は?琵琶湖。では二番目は?日本で2番目に高い山は?。正解は、霞ヶ浦と南アルプスの北岳だが、知らない人が多い。つまり、2番手は覚えてもらえないのだ。
では、「日本で一番のデパートは」と聞くと、関西は高島屋、東京は三越、若い人は伊勢丹と言う。本題は、デパートには何故1番が沢山あるのかと言うこと。それは、客観的基準での質問に対し、デパートの判断基準は回答者に委ねているから。それぞれが主観的判断基準で一番を選んでいるからだ。ここに、マーケティングのコツがある。
意識するかしないかに関わらず、其々が最適なQPSの組み合わせを持ち、その一番を選んでいるのだ。
◎差別化を具体化するQPS<Q=品質、P=価格、S=サービス>
勝ち残りの鉄則は「おたくが一番」と言ってもらえるQPSの組合せを提供すること。
◎「満足」より「感動」
満足は100点ではなく80点だ。感動は期待していた以上のことが起こった場合に生じる。満足は、期待したとおりと言うことにすぎない。
◎「クレームゼロ」より「クレーム発生」
ミスゼロ運動は正しいが、クレームゼロ運動をやると報告をしなくなる。クレームは不満に思った方の4%しか申し立てないと言う。クレームは処理ではなく、クレーム対応。100倍大変なことと思って対応することが大切。
◎「努力賞」より「メジャラブル」
方針は立てるが目標に落とし込まない会社が多い。目標とは測定可能な具体的な数値に落と仕込んだものだ。目標を曖昧にしていると、努力賞を評価して結果のでない会社となる。箱田忠昭氏曰く「何を、いつまでに、どのレベルまで」
◎「評価」より「幸せ」
働く幸せは2つある。一つは働く事により自己実現が出来ることだ。そうでなければ、人生の多くを無駄にしてしまう。自己実現とは「なれる最高の自分になる」ことだ。もう一つの幸せが、経済的幸せだ。
◎「言う」より「書く」
何をすべきか、してはいけないかを全体に浸透させるには、具体的に紙に書いて渡し、毎朝それを読む。「理解は偶然、誤解は当然」と思い、コミュニケーションを高める努力が必要そうした地道な努力で会社は少しずつ変わる。「そんなことで効果あるか」と思っている間は頭で経営を考えている段階だ。頭で泳ぎ方を考えているだけで泳げるようになると思っているのと同じだ。経営は実践、行動なのだ。
◆「仕分け」より「読み方」
売上高が前期より増加したとき、BSの資産がどれくらい増加したかもチェックが必要だ。「売上高÷資産」を「資産回転率」といい、資産の活用度合いを表すが、これが落ちると感覚的には、企業の活力が落ちているような気がする。
◆「利益」より「キャッシュフロー」
会計、財務実践上で最も重要なことは、現預金など、すぐに資金化出来る手元流動性を、一定以上確保しておくこと。中小企業ならば、最低、月商の1.5ヶ月分だ。
◆「負債」より「資本」
貸借対照表は右の負債と資本で調達した資金を、資産で運用しているとも言える。負債は必ず返済しないといけないお金だが、資本は返済しなくても良いお金だ。負債には銀行借入など金利支払いが必要な有利子負債と、買掛金などの無利子負債があるが、どちらも返済義務をおっており、返済できないと会社の倒産リスクは一気に高まる。
自己資本比率は、資産を賄っているお金の内、返済義務のない資本の割合を示したものだ。目安は最低15%、10%以下はいなかる業種でも過少資本である。
◆「ROE」より「ROA」
ROE(資本利益率)は、負債の比率を高めるだけで改善してしまう。財務の安定性を崩すほど値がよくなる、と言う危険な指標だ。少しでも、会計を勉強した人ならROA(資産利益率)が重要としっている。
◎「金儲け」より「正しい人生」
藤本老師曰く『お金を追うな、仕事を追え』。お金ばかりを追っても、お金はやってこない。良い仕事をすれば、お金はついてくる。お金は結果だ。逆に、お金がついてくるくらいの良い仕事をやり続けることが大切だ。

●● ピークパフォーマンス方程式 ●●
『お金を追うな、仕事を追え』の通り、お金は結果だから、お金がついてくるくらいの良い仕事をやり続けなければならない。また、ROA(資産利益率)、資産回転率(売上高÷資産)、手元流動性(月商の1.5ヶ月分)、自己資本比率(最低15%)の意味と見方を正確に覚えておくことが必要だ。