調査日誌248日目(通算1132日目) -幾世橋八景の和歌①- | 『大字誌 浪江町○○』調査日誌

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旧「『大字誌浪江町権現堂』編さん室、調査日誌」のブログ。2021年3月12日より『大字誌 浪江町権現堂』(仮)を刊行すべく活動をはじめました。2023年11月1日より町域全体の調査・研究のため新装オープン。

2024年7月7日。

 

西村慎太郎です。9月7日に開催される「第10回浪江を語ろう!」では大字幾世橋についてお話ししますので、現在、大字幾世橋について勉強中。

本日は『奥相志』(東京大学史料編纂所蔵写本4141.26-20。福島県編輯科旧蔵)を用いて北幾世橋の風景を詠んだ幾世橋八景を見てみたいと思います。なお、これらの和歌の相馬昌胤によるものです。まずは4首分です

 

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幾世橋八景

 

幾世橋月 秋の風更け行くよるの雲つきて月もきよはし澄みわたる影

竜燈晩鐘 此の寺はみのりの声にたぐへてや入合の鐘ひゝきそといふ

葵坂杜宇 かけて鳴け葵の坂の郭公夜ごろかさねてまつは卯月を

太平晴嵐 吹き送る峯の嵐やさむからしをへる柴人袖かへる見ゆ

 

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一首目は北幾世橋の幾世橋川(現在の新川)に架かる幾世橋から見た月を詠んだもの。二首目は竜燈山大聖寺の晩鐘ですね。三首目は北幾世橋から南を眺めて高瀬村の葵坂(葵の茎)の森を詠んでます。四首目は太平山(大平山)から吹き降ろす春の風。