所者の方によく相談を受けるのが、
「手帳」と「障害年金」の事。
「申請したほうがいいのか、しない方がいいのか?」と聞かれれば、
「申請しない理由が見つからない」
まず、とりあえずデメリットはなんだろう?
よく勘違いされているのが、
「周りの人に知られる」
「就職が出来ない」
「結婚が出来ない」等々・・・
まず、「周りの人に知られる」というのは、
自分がしゃべらない限りわかるはずがない。
なぜなら、こういったことは最高レベルの個人情報であり、
我々のような施設でも、
市や保健所に照会しても決して教えてはくれないし、
もちろん、我々自身も守秘義務が課せられているので、
決して外部に洩らしてはいけない事になっている。
また、就職や結婚についても、
まず企業には一定の割合で、障害者の雇用が義務つけられている。
職安なんかでも、手帳を持っていれば別枠で対応してくれる。
つまり、就職はしやすいのだ。
それに、もし手帳や年金を必要ないと思うようになったら、
次に更新しなければ良い。
手帳なら2年毎。
年金なら病気の種類にもよるが1~3年。
更新しなければ自動的に資格を喪失する。
それでは、メリットはどういうものがあるだろう?
数え上げれば、きりがない。
まず、経済的に基礎年金だけでも、
1級なら 年約100万円、
2級なら80万円支給される。
年金保険料の支払いも免除される。
まして、扶養家族がいたり、発症が厚生年金加入時であれば、
額はどんどん加算される。
うちの通所の方でも、最高で200万近くもらわれている方もいる。
それに、厚生年金加入時に初診日があれば、
たまたま1ヶ月しか加入してなくても
3級であっても、年間約60万円は支給される。
その他にも、手帳を持っていれば携帯の料金が半額になったり、
税制面でも優遇されていたり、マル優も使えるし、
手帳の等級にもよるが、医療費もほぼただみたいになる。
「お金はないより、あった方がいい」
私の言っている事は間違っているだろうか?
うちの通所者の方で、今まで何人も、メリットを説明し、
申請の手伝いをしてきた。
最初かなり抵抗を感じられていたようだが、いざ認定されると
「なぜ今まで申請しなかったのか?」
「本来もらわれるべきお金ももらわず莫大な損をしていた」
と後悔されている。
それに、勘違いされている方も多いが、
申請や認定は、それほど難しいものではない。
極端な事を言うと、診断書一枚で決まってしまうのだ。
一般的に1年半以上の通院歴があり、精神病の病態を示していて、
ある程度、お医者さんも理解のある方で、
ちゃんと通院もしていればたいがいは協力してくれる。
それと、現在申請の予定はなくても、絶対にしておいてほしいのは、
若い人で、年金支払いの減免や猶予の申請をしていない場合は
必ずやっておいてほしい。
将来、いざ障害年金の申請をしようと思っても、
年金が不払いで減免や猶予措置の申請もしていなければ
どうしようもない。
基本、前年度の所得が低ければ、全額減免も可能であるし、
仮に家族の収入で引っかかってしまったら、
世帯分離という手もある。
また、10代で発症し、1年半以上通院歴があれば、
20才になった時点で基礎年金の対象になるので、
1円も年金を納めていない人でも、障害年金の申請は出来る。
何にしろ、もし年金や手帳についてわからない事があれば、
直接私に相談してください。
最近では、インターネット上で年金の申請を代行してくれる所も多くあるが、
かなりの金額はボッタくられる。
私なら1円もかかりません。
それと、年金申請の場合、
同じような症状を示していても
申請できる病気とそうでない病気があります。
簡単に言うと、精神病の病態を示していれば申請は出来ますが、
本人がどんなに苦痛を伴っていても、
パーソナリティ系や神経症での申請は難しいので、
一度そういった事も含めて相談してみて下さい。