境界性パーソナリティと尾崎豊さん。 | 精神病・精神障害・発達障害の方への基本情報 (明石市・加古川市・播磨町・稲美町の精神疾患・精神障害の方の支援施設 波の家)

精神病・精神障害・発達障害の方への基本情報 (明石市・加古川市・播磨町・稲美町の精神疾患・精神障害の方の支援施設 波の家)

精神疾患になってしまう事によって、さまざまな困難がともないます。
そういう方向けに、少しでもお役に立てるような福祉制度や、さまざまな支援について、少しずつご紹介していこうと思います。

いまだに、


今は亡き尾崎豊の姿をTVなどでやたらとよく見る。


数年前


NHKの地上波で、彼のドキュメンタリーも放送していた。


ほんの10年位前なら考えられない。


ともすれば、反社会性の象徴といわれる彼を、NHKが。


それも、地上波のゴールデンタイムで・・・




没後15年以上経過して、


すっかり市民権を得たもんだと思った。




僕は、典型的な 「尾崎世代」 


年齢も同じ。


特に浪人中から、大学1・2年の頃は、本当に良く聴いていた。


ただ、「10代のカリスマ」とか


「若者から圧倒的な支持」というフレーズで、


以前番組では紹介されていたが、


それは違うと思う。




当時、若者といわれる世代でも、


尾崎に対する評価は、真っ二つに分かれていたと思う。



「全然ダメなグループ」 と


「熱狂的に支持するグループ」 に。




若者全般に圧倒的に支持されていたというようなら、


「BOOWY」(布袋さんや氷室さん)がメジャーであり、


尾崎豊は、どちらかと言えばマイナー。


しかし、一部の若者からは熱狂的に支持されていた。




実は、僕自身もその一人。


当時から、彼のアルバムは全部持っている。





没後、尾崎に関する評価や研究が進んでいる。


結果、現在では彼は


「境界性パーソナリティ障害(BPD)」


だったのではないか?と言われている。




精神科の磯部潮氏も、その著書


『人格障害かもしれない』や『普通に生きられない人達』で、


「尾崎は、当時の不良と呼ばれた人達の行動、


例えば「卒業」にあるような、無軌道な行動を表現していました。


しかし、尾崎の歌を最も支持したのは、


私のようないわゆる普通の学生だったのではないでしょうか。


私を含めて、不良にはなれないけれど、


その時代の管理教育に不満を抱いていた、


普通の学生達の心を


尾崎の歌が捉えたのではないでしょうか。」




正しくその通りだと思う。


多分、僕自身も境界例(BPD)とは言えないまでも、


磯部潮氏の言う、境界例の辺縁にいる人々。


「境界例心性」を持っていると思う。




僕を含めて、そういった境界例心性をもった連中には、


「尾崎」は、熱狂的に支持されたのではないかと思う。




実際僕自身、仕事柄BPDの方と接する事が多い。


もちろん、重症の方や極端に不安定な方に向き合うのは、


プロの精神科医でも困難な事があり、


我々のような素人が太刀打ちできるものではない。



しかし、ウチ(第3波の家)に来られるような方は、


症状の軽い方や、だいぶ安定している方が多く、


話をしてみると、本当に彼(彼女)等は、魅力的だ。


話にも独特なテンポとかリズムのようなものがあり、


思わず引き込まれてしまう。





そして何より彼(彼女)等に惹かれるのは、


その純粋さというか、不器用さというか・・・。素直さというか・・・。


我々にはあり得ないほどのピュアな部分を持っているという事。



正に尾崎の歌は、


この「純粋さ」「不器用さ」「ひたむきさ」を感じるし、


意図して作ったものではない


「心の叫び」みたいなものを感じる。




正しく、彼は天才だった。


だからこそ、亡くなって20年を経ても、


彼の歌が支持され続けるのではないだろうか?