目の前にそびえたつのは要塞に囲まれたギスタの城。 

門の前には槍を持った兵士がうろうろしていて、うかつに入ったらブスッと一撃だよぉ~。 

「アイル、どうやって入るの?」 

アイルは困った顔をしていた。 

予想以上に警備が厳しくてアリ一匹通さないって感じ。 

「あぁぁ、時間が止まってくれればいいんですけど」 

リルがため息混じりに言った一言にあたしはピーンと来た。 

「そうだ!時の魔法だよ!」 

アイルは眉をひそめて 

「時の魔法って瑠璃の城の者しか使えないんでしょ~」 

あたしはへへん、と鼻をこすると自慢げに笑った。 

「あたしは、こうみえても瑠璃の城のプリンセスなの!」 

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(あれ?以外だった?そんなにプリンセスに見えないかな~) 

あたしが首をかしげている間にリルとアイルがいきなり土下座し始めた。 

「もっ申し訳ありませんでした。ルリ姫様!数々のご無礼をお許しください!」 

アイルとリルにいきなりルリ姫様って言われるのがちょっとくすぐったかった、うれしいのかな?。 

「やだぁ~ルリ姫様なんて気持ち悪いよ。今まで通りルリでいいよ☆」 

あたしがそう言うと二人は申し訳なさそうな顔で顔を上げた。

「本当にすみませんでした・・・・・ルリ・・・・・・様」 

「いいっていいって!じゃ時間止めるよ――――!!」  

あたしは目をスッと閉じるとカッと開いた!。 

あたしの目が瑠璃色に光る。 

「時の神に命ずる。我は時を司る城の血を引くもの。今我に時の力を授けたまえ―――――」 

キ――――ン 

空気の張り詰めた音がしたと思うとあたりがセピア色に染まった。 

空を舞う号外。動かない時計塔の秒針。そして、止まったままのアイルとリル―――――。 

「あっ、忘れてた!動かして起きたい物は手を触れてなきゃいけないんだった。」 

あたしはあわててアイルとリルの前に手をかざした。 

すると、アイルとリルの体に色がつき始めた。 

「あれ?色が・・・・無い?」 

アイルとリルは周りをきょろきょろ見回すと目をキラキラさせてあたしを覗き込んだ。 

「ルリ様すごいです―――――――」 

「ルリ様はいいって―――――」 

あたしたちの笑い声が色の無い世界に響いていった。