あたしの魔法屋から南に20キロぐらいの所にギスタの城はある。 

ギスタの城っていうのは、魔法の国のお宝を管理してる城。 

『白の腕時計』は白の国のお宝。 

そんなものをジュリアの森の番人がほしがるのか?と思うけど・・・・。 

「あれです!」 

リルが指差した先には、まるで要塞のように立つ壁。 

屋根をツンツンに尖がっていてお城と言うより・・・・・・・・戦う城みたいな?。 

「ここからは、降りていこう。あやしいからね」 

アイルの顔がだんだんこわばる。 

あたしは大きく深呼吸すると高めのツインテールの髪をキュッと縛った。 

(ここからが、本番!) 

あたしは下に降りていくアイルと一緒に降りる。

町は大賑わい。 

ここは、ギスタの城下町。 

おいしい野菜やピチピチと飛び跳ねる魚にジューシーなお肉の香りがあたしの鼻をくすぐる。 

「ルリ!気を抜かないでいつギスタの兵士がくるか分からないわよ」

アイルのちょっと怒った声にあたしの心臓はドキンと跳ね上がる。 

周りを見渡すとあっちこっちによろいをまとった兵士達がわんさわんさと居る。 

(こわ!あの槍に一突きされたら死が待ってるね) 

カランカランカランと鈴の音が鳴り響き 

「みなさま~ベリー新聞の号外だよ~。なんと、『怪盗小町』の予告状が出たよ――――」 

おじさんの配る新聞があたしの足元にハラリと落ちる。 

あたしはその紙を拾い上げると内容を読んだ。 

『怪盗小町、予告状ついに出た!』 

と躍る見出しと共に白い腕時計と忍者の服を着た怪盗小町の写真が載っていた。 

怪盗小町って言うのは、魔法の国の大怪盗。 

どんな包囲網もかいくぐり、狙った獲物は必ず奪う、超かっこいい怪盗なの!。

「私の後を追っても無駄なことですよ」って言って桜の花吹雪と一緒に消えちゃう・・・。 

でも、ある事にあたしは気がついた、 

(怪盗小町ってアイルと似てるな~瞳の色とか髪の長さとか・・・・・・・) 

「ル――リ―――早く――――――」 

はるか先のほうにアイルが手を振っている。 

(そんなわけ無いよね。アイルが怪盗小町なわけ・・・・・・・ないよね) 

「うん!い―――ま―――行――――く―――」 

あたしは首を横にブンブン振るとアイルとリルのところに走り出した。 

ギスタの町にはカランカランと鈴の音がまだ鳴り続いていた。