真夜中に宇野港を出港したフェリーは、一時間ほど暗闇の瀬戸内海を渡り、やがて高松の街の灯りが見えて来ました。
高松港のオレンジ色の光がいまでも記憶のなかに強く残っています。
「おおー❗これが四国かー」!!
高揚した気持ちを押さえられずに走り出した私はとりあえずの寝床探しに真っ暗な夜道を進み、やがて仁尾という町で適当な場所を見つけてテントを張りました。
疲れが一気に来た私は直ぐに寝てしまいましたが、どれくらい経った頃か‥ テントの外で
ウー・・・
という唸り声が聴こえて来て目が覚めました
どうやら犬かなにかの獣が外を徘徊している様で、一気に目が覚めた私は怖くなり、獣が居なくなるまでジッと身を潜めていました。
やがて獣の気配が消え、ホッとしていると今度は
パーーーン!
と乾いた拳銃の様な音が鳴り響き、なんや?なんや💦?と、テントのチャックを開け外を窺いましたが正体はよく分かりませんでした。
それよりもテントの外を見てビックリ!
未明に設営したこの場所は神社の境内だったのです。
とりあえず暗くて平らなところを‥ とテントを組み立てましたが、街灯もほとんどなく懐中電灯とランタンだけが頼りでしたので、そこが境内だとは分かりませんでした。
あわてて撤収した私は、事前に予定していたルートである大歩危小歩危を通る道から山あいを抜け、最終目的地の四万十川の清流と沈下橋に行く為にバイクを走らせました。
四国の山並みはポコッポコッとしたおにぎりみたいな山が多く、私はそれを見て「まんが日本昔ばなし」の山を思い出していました。
吉野川沿いの国道32号線は超快適。
大歩危峡のドライブインから真下をのぞき込んだ渓流はエメラルドグリーン色でとても綺麗でしたが、激しい流れは迫力満点でした。
私のブログを見てくださる皆様なら御存知の重大な出来事がこの前日にありました。
そうです!マイクタイソン四年振りのカムバック。 “ハリケーン”ピーターマクニーリーとの一戦です。
この試合の結果が私は気になって気になってと思いながら出発していましたが、当然スマホもケータイも無い時代。
しかも旅先ですから翌日の朝刊を待つしか手段はありません。
そしてようやく大歩危峡ドライブインの売店に並んでいたスポーツ新聞でタイソンカムバックの情報にありつけたわけです。
タイソン復活
この文字を見た私は旅先の非日常と相まって感慨無量の気持ちで胸がいっぱいになりました。
思えばドノバン“レーザー”ラドックとの死闘二連戦を乗り越え、さあ!遂にホリフィールドだ!!というところでのまさかの収監…
その間ヘビー級は新星リディックボウが気まぐれゆえ時代をつかみ損ね、歴史の世界から舞い戻ったジョージフォアマンが奇跡の王座奪還という濃すぎる時間を辿っていました。
そんな戦国時代真っ只中へ真の主役であったタイソンの帰還は本当に待ちに待った瞬間でした。
ですので私にとっては、タイソンVSマクニーリーと大歩危峡エメラルドグリーンの激流はセットになって思い出されます。
そういえばマクニーリーのトランクスも鮮やかなグリーン色でしたね
タイソン復活の報でエネルギーをチャージした私は、大歩危峡をあとにして32号線を南下。
やがて国道439号線に入り四万十川の清流を目指しました。
~ まだまだ続きます ~