井上尚弥の次期挑戦者がここに来て挑戦を渋っていると。


むかしからボクシング界隈あるあるの片っぱしから声掛けたけど誰もやりたがらなかった。

というヤツの変化球版でしょうか。



井上に関しては可哀想だなと思う気持ちもあります。


バンタムで敵が居ないからスーパーバンタムに上げたのに一年足らずで王座統一。

頼みの綱のカシメロとアフマダリエフは自滅‥


で、私の様に日ごろから井上の無敵路線に飽き飽きしているボクシングファンからはさっさとフェザーに上げろ!と言われるという。



ま、フェザーに上げても正直どうなん?と思います。

時代のアヤと言いますか、井上の時代にライバルと呼べるボクサーが今のところ並立していません。

バレラとモラレス、パッキャオとマルケスの様な。


これらの選手には同時期に周囲にも魅力的な選手が沢山いました。

しかし井上にはそれがない。全盛期タイソンやホームズもそうでした。



私はネリ戦が終わってから、ファンの声の潮目が変わって来た様に感じています。



以前なら井上がリングに上がる姿を見れるだけで嬉しい!

いわゆる井上ならなんでもありがたがる信者的存在の声が目立ちましたが、ここへ来て先のフェザーへ上がれ!

を代表する様に、

より強い相手と闘って欲しい。

勝つか負けるか分からないギリギリの井上が見たい。

なんなら敗けるところを見てみたい!

といった意見が多く目に付きます。



私が思うに、ネリからダウンを奪われたあの瞬間。

おそらくあの時に今まで井上で味わった事の無い麻薬の様な忘れられない感覚‥


それを観ていた多くの人が感じたんじゃないか?と。



旧くからのファンなら一度は感じた事のある、

無敵のチャンピオンが倒れた時のあの衝撃。

ある意味エクスタシーの様な、見てはいけないものを観てしまった背徳感が混ざった非日常な感覚。


ダウンのあと、あまりにもクールな対応でいとも簡単に危機を乗り越えた井上の姿がまた、余計に観る者への思わせ振りを増長するもどかしさを感じさせるという‥



しかし一度ソレを知ってしまうと、またどこかで欲しくなる‥

もっと!もっと!と刺激を求めてしまう。



こうなるともう、並大抵な対戦相手ではモノ足らない。みんな目覚めてしまったと言いますか。



いまのファンはその状態なのだと私は感じています。



そしてヘビー級で小さなウシクが巨人フューリーを倒したのを観てしまったのも大きかった!



なんか軽いクラスでキロ単位の階級差って一体なんなん?と私は思いました。

ヘビー級の体重差と軽量級のソレはまったく意味が違うんだ!としたり顔で語るマニアの話なんて馬鹿馬鹿しく感じてしまった。



理屈じゃなしに、です。



東京ドーム最大の成果は、ボクシングの真の魅力はどちらが勝つか敗けるか判らないところにある!

と多くのファンにあらためて気付かせた事でした。


そこに来てのフューリーウシクですから…




で、井上。グッドマンが逃げ、ドヘニーですか‥



いかにライバルが居ないとはいえ、もうそんな試合は見たくない!

と満足出来なくなってしまったファンの欲望を満たしてくれるのか?

それとも我関せずで無敵路線のままキャリアを終えてゆくのか‥



私は後者で終わる予感がしますが、ここはひとつ、昭和プロレス魂を持つ大橋会長に期待するしか無いですね。