いまはなき自動車評論家、徳大寺有恒さんのベストセラー「間違いだらけのクルマ選び」。
私はクルマが好きで、高校生の頃から免許も無いのにこの間違いだらけ~を年度毎に購入していました。
今も時々クルマの雑誌やネットの関連記事を読みますが、いまの自動車評論家はまるでダメです。
とにかく批判が少ない。
メーカーへの忖度ばかりが目に付いて読むに値しません。
その点、徳大寺さんはダメなものはダメとハッキリとモノ言える方で、何よりもその文章が独特で読んでいて大変面白い評論家でした。
徳大寺さんと並ぶモノ言える自動車評論家だった「新車情報」の三本和彦さんもいまはなく‥
間違いだらけの後継者となった島下泰久さんもメーカーへのお伺いがチラチラ見えて、残念なことに看板だおれとなっています。
そんないまやすっかり業界の広報マン化した自動車評論家群ですが、ボクシング解説者にも同じ様な事が言えると私は日々感じています。
ダメなものはダメと言えるボクシング解説者、
いま何人居ますか?
(YouTubeやXで誰彼構わず噛みついて屁理屈ばかり言っているだけの人は除く)。
そこでお遊びをひとつ。
間違いだらけのクルマ選びならぬ、間違いだらけのボクシング解説者選びとして、なるべく時系列、私が実際に観た・聴いた方限定で、その解説者に対する私の好き嫌いや印象に残っている事を書いて行こうと思います。
①白井義男
おそらく私の観た解説者の中で一番古い方だと思います。1990年代まで解説をされていたので、ご記憶のファンも多いかと思います。
好きでしたね。わりと厳しい事もハッキリ言っていた様に思います。
いまはボクシングの世界ではこういう長老タイプの解説者は皆無になりましたね。
野球だと吉田義男さんに広岡達郎さんとか権藤博さんとか結構沢山いらっしゃるのですが。
私のなかで印象深いのは、いつもシルバーグレーのオールバックにダンディな背広を決めてとてもカッコいいお爺さんだったという事です。
日本初の世界チャンピオンとしてのオーラがありました。
②海老原博幸
私が観たのは最晩年の一度きりで、確かバスター・ダグラスVSイベンダー・ホリフィールドの解説だったと思います。
海老原さんがやたらダグラスの目方が‥目方が‥ と、
タイソン戦とは別人の様に締まりが無くなったダグラスの身体を気にしていたのが印象的でした。
③ファイティング原田
やはりこの人ですね。
私が観始めた頃の全国放送の解説者といえば。
原田さんの声とともにタイソンや辰吉、玉熊の顔が浮かびます。
そして芦沢アナウンサーとミスター!
辰吉君、辰吉君、と言っていましたね。
解説も感情が入って、特にピンチの時は
アー!オー!ヴーン!!
と言った唸りが聴こえて来て、
観ているこちらも手に力が入りました 笑
④沼田義明
大橋秀行といえば沼田義明!
沼田さんのなんとも言えない柔らかな口調、
そして冷静な解説がたとえ応援している選手が劣勢でもなんとなく安心感を与えてくれました。
特にどういう所が良くて、何処がダメかを分かりやすく話していたのが良かったですね。
私のお気に入り解説者の一人です。
⑤ガッツ石松
感情まかせなだけでは決してなく、熱いなかにも冷静な分析には、まだボクシングをよく知らなかった私は何度も成る程!と膝を打ったものです。
マイク・タイソンVSマイケル・スピンクスではスタジオ解説として当時臨時コーチをしていた内田好之と一緒に出ていましたが、その解説でタイソンは何故強いのか?をとても面白く、観ている側がより興味深くなる様に語っていたのを鮮明に覚えています。
そして大橋秀行VSリカルド・ロペスでの沼田さんとのダブル解説は凄かった。
「大橋!手を出せ手!打ち負けるな打ち負けるな」!
「あー‥ダメですね。うん。もう大橋ダメ」。。
熱かったですね。
ボクシングの世界タイトルがその国のボクシングにとり本当の至宝だった時代でしたね‥
つづく(?)