先日久しぶりに駅前の書店へ行った。


ここはこの辺りで唯一ボクシングビートを置いている店。マガジンがあった頃は毎月15日には二誌が並んでいた。

サッカーや野球誌に埋もれていた時には普及活動として目立つ前面に並び替えたものだ。

Amazonより減り行く書店の応援になれば‥

といつもここで購入していたが、昨年ビートを読まなくなってからは足も遠ざかったままだった。



久々のスポーツコーナーにビートが並んでいる。

と言っても1冊だけだ。

私が毎月購入していた時すでにこうだった。

店の人に聞くと

「売れないのでとりあえず一冊だけ仕入れています」

と言われたのを思い出す。

既に末期のマガジンは並んで居なかった。

村田諒太がGGGに挑んだ時は取り寄せた。


それからも毎月一冊ビートは店頭に並び、私が買う。それが続いた。

そしてイノウエビートと化した頃、私も買わなくなり、その間誰か他のファンが買っていたのかは分からないが、一年近く振りに見たビートの表紙は矢吹だった。


「ほう」


手に取った表紙に井上尚弥の名がない。

いつ以来だろうか?分からないが、井上尚弥井上尚弥といつしか試合が無くても表紙になってからはすっかり見なくなったので新鮮に感じる。


井上じゃなければやっぱり売れない。

とビート編集部が返本の山を前に思い違いをしてはイカン!と私は矢吹を見つめながらレジへと向かった。


岩田翔吉はこんな風に考えていたのか。

にしてはお前のボクシングはつまらないぞ!

ま、でもそう思っているのなら岩田に注目して見たい。

増田陸の海老原博幸を真似たファイティングポーズ。井岡一翔のコラム。

あれ?尾崎恵一のは何処へ行った?あれ好きだったのにな。

Jr.フライ級王者名鑑は良かった。

やはり柳井岡、そして張大橋2だ私は。


ジョーさんの所で出ていたパワージャブ。

チャーリーシャイプスの名を聴いて、たしか安部譲二さんがジョージフォアマンを語っていた時出ていたよな‥ と思い出した。

シャイプスは元選手でしかもパワージャブが売りの選手だったのか‥と30年近くを経て初めて知った。



画家になった井上岳志が特集されている。どうせならカラーにして欲しかった。

画家に転向したボクサーって他に誰が居るのだったかな?

プロレスのゴーディエンコはピカソみたいな絵を描いていたな。


葛西は老けたけど田村知範は変わらず男前だな。

李炯哲戦は階級の壁を感じたけど印象に残る試合だった。

イランはボクシングが強いのか。紀行ものはもっと読みたい。


懐かしい。むかしこういう感じでワールドボクシングの頁をめくっていた。

読み物として面白かったよ今月のビート。


さらばボクシングビート!!と言ったけど

失くなったら日本からボクシング専門誌が消えてしまうので、これからは井上が絡まない時だけ買うよ。


井上じゃなくてもボクシングは面白いんだ。

その原点を物凄く久しぶりに見た気がする。


編集部は今月号を読み返してそれを忘れないでくれ。





ガッツ石松さんがなくなられた。


得がたい人だった。



私は世界ライト級チャンピオンガッツ石松を見ていない。

私が物心ついた時は既にタレントで、ガッツさんをよく知ったのはちょうど内田好之がヒルベルトローマンに挑戦する時にガッツさんが臨時コーチをして激しい特訓を課していた頃だった。


目の周りに青アザを作った内田がガッツさんと共にタイソンスピンクスのゲスト解説で呼ばれていて、

「世界を獲るにはこれくらいの事をしなけりゃいけないんですよ」

と苦笑いする内田へ父親の様に語り掛ける姿が印象に残っている。


内田は世界を獲る事は出来なかったが、ローマンからダウンを奪う見せ場を作り、当時三田市のサナトリウムに入所していた私は、ナースステーションの前にあった座敷のテレビの前で立ち上がってガッツポーズをして喜んだ。


ちなみに私がガッツポーズという言葉がガッツさん由来だと知ったのはこの日から10年以上ものちの事だ。



そして私はガッツさんの解説が好きだった。

沼田義明さんとのコンビでテレビ朝日の解説を聴くのが楽しみだった。

静の沼田さんと動‥というより激のガッツさん。

そうなれば沼田さんは静でなく柔だ。


柔と激のコンビ。これが本当に良かった。



やはり大橋秀行とリカルドロペス。

この時の解説こそ、今のボクシングからは感じる事の出来ない熱いモノのかたまりだった。


大橋!手ェ出せ手!!


打ち負けるな!打ち負けるな!!


もうね。一ラウンド二ラウンド見過ぎちゃってペースを与えたんですよ。


もう駄目ですね。うん。駄目駄目。



世界タイトルの流失が一国のボクシングの生死に関わる時代最高の解説だった。

観ているこちらにその重大さがひしひしと伝わって来た。


かつて安部譲二さんがガッツのタイトルは他のタイトルとは価値が違うのに馬鹿な日本のスポーツマスコミはJr.もカサ増し階級もみんな一緒くたにする。と書いていたが、その通りだと思う。



もうこんな時代も来ないし、

こんな人は出て来ないだろう。




※ごはんが美味しくなるこの歌。
今夜は久しぶりに聴きます。ガッツさんありがとう。









先日のABEMATV3150FIGHT、IBFフライ級王者矢吹正道が挑戦者3位レネカリストを初回2度ダウンを奪う判定で王座防衛した。



安定期に入ったな。私はそう感じた。



安心して観ていられる。

この感覚はこれまでの王者でもあって、

古くは井岡弘樹が柳明佑を大番狂わせで破った後の初防衛戦。北九州でのノエルツニャカオ戦で

ついに井岡のボクシングが完成したな‥

とそれまでの紆余曲折を目の当たりにして来たファンとして嬉しかった。



これはのちの辰吉𠀋一郎がシリモンコンから奇跡の奪回を果たしたあとのホセラファエルソーサとの一戦でも同じだった。

結果的に両王者とも栄華は続かなかったのだが、

完成形とはそんなものなのかも知れない。

ある一瞬だけ凄いボールを投げる野球の投手。

一打席だけ完璧なスイングでホームランを放つバッター。


かつてレイパショネスとの世界前哨戦で魅せた辰吉の理想的完成形を数年遅れでとうとう再現させたか‼️

とこの時は染々と感じたものだった。


今の矢吹にもその感覚がある。

ABEMA興行の継続が予断を許さない状況ではあるが、矢吹のボクシングが完成に近付いているのは間違いなく、これからがとても楽しみだ。






蒸し暑くなった。


先週までは朝晩などひんやりしていたものだが、

ここ数日は夜半になると窓を開けていても夏特有の風が止まりムワッとする凪を感じる様になった。


その暑さもあってか中々寝付けず、音楽や映像をYouTubeで観て聴いているうちに朝を迎えてしまう‥という良くない習慣に陥っている。


昨夜は久し振りにボクシングを観ていた。

エスパラゴサ杉谷満、ブリーランド尾崎、バービックタイソン、フォアマンアリ・バグナー・フレージャーⅢ(日本語実況ダイジェスト)、リチャードソン辰吉、ウィラポン辰吉Ⅱ‥

と、脈絡なく何となくついフルラウンドで立て続けに観た。


杉谷も尾崎も内容は完敗だったが、世界タイトルの遠さと重さをまざまざと見せつけられ、

タイソンはやっぱりいつ見てもエキサイティングだし、このヘビー級を超えるインパクトは今だ誰からも感じさせられた事はない。


辰吉は何というか。

身内を見ている様な、自分の子供の運動会で組体操を観た時の様な感情を抱いてしまう。

入場シーンからこちらが緊張するのは辰吉しか居ない。


だから辰吉が撃たれれば痛みまで感じる。

心が痛いのだ。

これは当時もラバナレス戦以降そうだったし、いま結末を分かり切ってYouTubeで観ても変わらない。


どれもそう。面白いし、やっぱりジーンとする。

何度観ても熱くなる。


結局私はボクシングに何を求めているのだろう?

何に惹かれて何十年も観続けているのだろう?

その闘っているボクサーの何かが私に伝わって来るのを求めているのだろうか?

それは生き様か、強さか、何なんだろうか?


何故、現代のボクサーよりむかしのボクサーによりそれを感じるのだろうか?

単なるノスタルジーなのか?

実際に理由があるのか?


そんな事をあれこれ考えているうちに夜が明けていた。



※辰吉には何故か身内や家族の様な感覚が昔からある。











ようやく読み終えた。

去年の秋から途切れ途切れで読み進めていた中川右介著「100年の甲子園」。
似たボリュームのジョー小泉著「ボクシング珍談奇談」と同じく時系列毎の一話完結の集合なので、その点で気楽に読めるのは嬉しい。

甲子園球場開場100年である2024年に出版された本で、開場前夜の話から高校野球と阪神タイガースのその年にあった出来事(大会の主なスコア・活躍した学校や選手、阪神ならシーズン中の動向)を極力感情を控え淡々と記されている。

いわゆる豆知識やこぼれ話的な要素は少なく起きた事実を書いているだけなのに、それでいて文章は面白い‥  という中々難しい事をサラッとやってのけているのに感心した。


それにしても。
あらためて阪神タイガースという球団のここ一番での勝負弱さ、毎年毎年同じ事を繰り返し続けて来た事がよく解った。
巨人と優勝争い、天王山で敗れる。
翌年は燃え尽きて下位。そしてまた優勝を争い、
終盤のここで一勝していたら‥
という試合を必ず落とす。

91年の歴史を持ちながら一度も連覇が無い(1リーグ時代を除く)というのがそれを物語っている。
特に昭和40年代は何度も優勝のチャンスがありながらことごとく敗れ、巨人の9連覇を許した。
肉薄しながらあと一歩届かず、たまに巨人に勝つのは阪神でなく中日であり広島・ヤクルト。

数十年に一度優勝しても続かない。
ことごとく優勝に縁の無い球団だと思う。

1987~2001年まで続いた暗黒時代を経て
21世紀になってからは毎年の様に優勝争いをするチームにはなっているが、それでも18年間優勝から遠ざった。

2023年に38年振りの日本一、そして昨年はリーグ優勝。

遅れてきた立石の活躍がめざましい。
これで阪神は森下・佐藤・大山・立石とクリーンナップすべてドラフト1位。これに近本まで帰って来たらスタメン5人がドラ1という凄い事になる。

まさにいまだろう。

今年こそは悲願の連覇でこの敗け続けた歴史に終止符を打って欲しいと心から思う。