昨日の興行を見ていろいろ考えていました。



うーーーん・ ・ ・




なぜ私の心は満たされないのだろう?  と。



ひとつには中谷もオラスクアガも、中止にはなりましたが田中恒成も、戦前の予想が圧倒的有利だった事。

そして結果もその通りになった事。



最近の世界タイトルマッチ、特に日本人チャンピオンの防衛戦でチャンピオンが不利の予想を立てられたのはいくつあったか?

井岡マルティネスみたいな拮抗した予想すら稀になっている様に思います。



これは井上尚弥のみならず、その殆んどが勝ち負けより内容を問われる試合になっている。



で、昨日の絵にかいた様な圧勝劇。



毎回恒例の圧倒的有利予想で圧勝して「強さ」を見せつけられていますが、ふたつめの理由としては強い(と思わせられる)日本人ボクサーと拮抗した力量の海外ボクサーが著しく減少しているのでは無かろうか?


もちろんこれは私自身の推測であってキチンと調べた訳ではないのですが。

どうもかつての軽量級王国メキシコやタイ、フィリピン・中南米に有力なボクサーが少なくなっている様に感じます。



以前はいま日本人が席巻しているクラスにいま挙げた国の強いチャンピオンがそれこそ次から次へと君臨していましたし、それにプラスしてお隣の韓国にもワンサカ居ましたから。



これら国々のボクサーの体位向上で軽量級人口が減って来たのか?

あるいは単純に時代の狭間でたまたま有力な人材が見当たらないのか?



なんにせよ現実バンタム級は日本人チャンピオンが独占している上に、ウェーティングサークルに控える次世代も日本人ボクサーが数多く連なっています。フライミニマムも然り。


そして井上尚弥のスーパーバンタム級より上の階級では、計ったように急激に国内と世界の力量差がハッキリと分かりやすく見える様になるところも私の推測の大きな要因となっています。



ですので日本人最強!中谷!那須川!圧勝!!

と目の当たりにしても何処かで醒めて見てしまう。



こればかりは日本のボクサーが悪いとかではなく、他所で商売にならない軽量級のボクシングを日本が独自に発展させて一大マーケットにした結果だとも言えますが、それにしても‥



なんというか。

むかし韓国が弱い日本人挑戦者を仕立て上げ、にっくき敵役として自国のリングに上げてボコボコにしていた。

そして同胞の勇姿を熱狂的声援で後押ししてフォークヒーローとして祭り上げていた、あの光景の日本版の様にも思えます。



その韓国ボクシングはいまどうなったか‥?



昨日のAmazonPrime興行を観ていると、

いずれみんなが弱い外国人と日本人しか居なくなった風景に気付いてしまい、そして飽きられ、

つわものどもが夢の跡になるのではないでしょうか。



そうなれば…


フェザー以上への集団移住計画が必須になるかも知れません。

たとえ日本人が勝てなくなったとしても・・


ま、現実には移住計画なんてする筈もなく、場末の小さな会場でマニア相手に細々とミニマム級やフライ級のタイトルを身内でたらい回しにして行われるのでしょうが。





※強い韓国人チャンピオンを際立たせる弱い日本人挑戦者。
たしかにこの構図は隆盛を極めた80年代韓国ボクシング界の目玉でした。

※写真は張正九VSソットチタラダより。

疲れました。


いまprimeBoxingを観終えてなんとも言えない倦怠感に包まれています。


おのおのおおかた予想どおりの圧勝劇。



メインイベント中谷潤人の見事なボディストレート。



那須川天心会心のノックアウト。



オラスクアガと加納の熱闘の末の一撃‥




それぞれKO決着で言う事無しの大団円のはずなのに先の倦怠感。


きっと意外性や驚きがまったく無く、水戸黄門の様な予定調和のボクシングに私が飽き飽きしているからでしょうね。



唯一私が希望を込めて勝ちを予想していた加納陸の散り様には心打たれました。

それが今夜唯一の私からの敢闘賞です。

3ラウンドの短い闘いでしたが、加納此処に在りを見せて貰いました。


選手紹介でシャッター街になってしまった三田市街の街並みが映し出された時は胸が熱くなりましたね。

私が居た37年前はまだ賑やかな商店街でしたから…



オープニングマッチに出場したデビュー戦、スーパーミドル級アマチュア12冠荒本一成の前途は厳しそうです。

鈍い村田諒太と言ったボクシングでした。



しかしやっぱりなかなかボクシングというのは予想をくつがえす闘いは観れないもんなんですねえ‥




※大成ジムのある三田市駅前商店街。


田中恒成の挑戦者ジョナタンゴンサレスが3キロ近いウエイトオーバーで失格。

試合も強行されずに中止になるという事態になりましたが、畑中会長の判断は正解だったと思います。 



ま、もはや恒例行事と化して驚きもなにもなくなってしまった計量失格ですが、毎度思うのは選手の潜在意識の中でも実際にもタイトルマッチというモノの値打ちが落ちているのだろうな‥ という事です。


そして観ている側にとっても複数組まれたタイトルマッチのなかのひとつに過ぎなくなっていて、


「ああ。残念だな」


くらいの感覚になっているのもまた事実です。



今回田中恒成は可哀想でしたが、これを機会に帝拳のバーターを止めて名古屋や岐阜でメインイベンターとして活躍する事を期待したいです。


このままではせっかく東海地区が生んだ歴代世界チャンピオンのなかでもズバ抜けた実績があるにも関わらず、ファンの記憶にも残らない。


バーターはバムに勝とうがマルティネスに勝とうが何処まで行ってもしょせんバーター。

いずれメインを張る天心の露払いで終わるより、おらが町のスーパーヒーロー田中恒成で歴史に名を刻んで欲しい‥


というのがいちボクシングファンの願望です。



ちなみに私の今日の予想は中谷8ラウンドKO勝ち。

天心判定勝ち。オラスクアガがサウスポーとの相性プラス舐めてかかり加納の判定勝ちと行きましょう!




※考えれば田中の世界チャンピオンとしてのキャリアも長い!バーターより地元のヒーローであれ!


昨日のレミノボクシング中継、セミセミのライト級最強トーナメントからの観戦となりました。


齊藤陽二、今永虎雅、増田陸。



特にメインイベントの日本バンタム級タイトルマッチの富施郁哉 VS 増田陸は増田が瞼をカットして流れが富施のリベンジに傾きつつあった空気を切り裂く右一閃!


パンチは正義。




齊藤、今永、増田を観てつくづくそう感じました。



一発で流れを持って来れるのは魅力ですね~





井上尚弥 VS TJドヘニーが決定し、海外では結構な批判を浴びていますが、ここ日本では批判よりも仕方がない‥ と諦めにも似た声が多い様に感じます。



『ドヘニーには東京ドームのリザーバーをしてくれた恩義がある』。


『毎回毎回強敵ばかりと闘う義務は無い』。


『我々ファンはただ黙って井上チャンピオンの決断を尊重し見届けるだけ』。等々. . .



いやいや。なんやねん恩義に尊重って。

ファンがなんで明らかにつまらなさそうなモノをつまらんと言わずに見守らなアカンねん?

と私なんかは思いますが、

こういう娯楽であるボクシング観戦ですら興行側の大人の事情を理解し、自分を納得させる事こそ美徳でありマナー。



ああ日本人らしいよな‥ と思います。



与えられたもの、結果として突き出されているものを甘んじて受け入れる。

この甘んじて受け入れる気質がそれこそ日常の生活から娯楽に至るまですべてにおいて “常識”としてまかり通っている。



政治で自公や維新がやりたい放題無茶苦茶やっていても「どうせ何も変わらないから」

と投票にも行かず甘んじて受け入れて来たのと同じです。



ボクシングのしょうもないカードや井上への物足りなさにまでこの政治と同じ物差しで見ているから、こういう無駄な思い遣りでファンの方が興行側にすり寄って納得しようとする。


井上が並のボクサーより強いんだからより強敵を求めて闘って欲しいとファンが思うのは当たり前だし、いまの階級にめぼしい相手がいないから上の階級のスターとのドリームマッチを夢想するのも当たり前。



それをその“常識”によって荒唐無稽で可笑しな事を言うな!と口にチャックしようとする。



政治で理想論を語ると「実現出来るわけが無い」と一蹴するのとまったく同じ。


飼い犬根性が染み着いてみずからの娯楽にまでその思想が及んでいるという事です。



皆さんもコメントやまとめを一度見てみて下さい。

政治は勿論の事、野球もボクシングも経営者側・選手側の視点でモノを語る人のなんと多い事多い事!


肉屋の応援をする豚と誰かが言っていましたが、まさにそれです。


なんでそんなに良き理解者になろうとするのかな?



お客様は神様だとは思いませんが、少なくとも対等では無い。


ファンあってのプロ競技。国民あっての政治。



気に喰わなかったらどんどん自分の主張を発信したらいいんですよ。

特にボクシングなんて観ている側はただの趣味なんですから誰かに気兼ねなんてする必要は無い。

私はそう思っています。