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大学のいじめっ子①

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大学のいじめっ子シリーズ 登場人物まとめ

 

 

過去にミンコにいじめられていたきび子がミンコの意見に同意したのには考えられる理由が2つある。

 

一つ目の理由として考えられるのは「プライドを傷つけられたから」

 

きび子は絵を描くことが何よりも誰よりも好きで絵を描いている自分に高い誇りとプライドを持っていた。

休み時間や大学の講義の空きコマの間も暇さえあれば絵を描いていて、2年生のときに共通で受けた講義で自分が寝ているときに見た夢についてパワポで資料を作って発表するという課題があったときには、きび子は片腕がなくなった夢を見てその内容について発表していた。

 

「夢の中の私は片腕がなくなったことについて特に動揺していなくて、でも”私は片腕がなくてもこれからも死ぬまで絵を描き続けるんだ!”と思っていた」

 

と話していて、さらに自分の主義主張を補強するかのように現役で活躍する片腕の画家の名前を出して自分もその画家のように何があっても絵を描き続けると主張していた。

 

そのような気質だったのでスケッチ教室のときにマニアックな画材について話していた私にイラついたのだと思う。

 

そして2つ目の理由は単純に私のことが嫌い、気にくわない、気が合わないと思っていたからであろう。
 

私は大学2~3年生のときにきび子の不興を買ってしまった出来事が何度かあり、思い出せる限りでは3つの出来事があった。

 

 

Watakoのきび子に嫌われ事件簿①

「トナラー事件」

 

当時、きび子と私が住んでいる場所は近くてその日の学校帰りの電車で私はきび子と遭遇した。

電車内はガラガラできび子はドア近くの端の席に座っていて、私は「きび子~」と話しかけながらきび子の隣に座った。

きび子はタブレットで何かを見ていて私に気づいて軽く会釈をしてからもタブレットに集中していた。

私はきび子が何をしているのかが気になり

 

「きび子~、何してるの?」

 

と隣に座るきび子の横顔を見ながら話しかけた。するときび子は

 

 

「ちょっと!!人のタブレット勝手に見てこようとしないでよ!!最っっっっ低!!そういうのマナー違反だって教わらなかったの?!常識ないの?!ありえないんだけど!!」

 

「ごっごめん。でも、タブレットの画面は見てないから安心して!きび子の顔を見て話しかけたからが何してたかわかんなかったから!」

 

「ハァ?!そういう問題じゃないから!それに車両がスカスカなのにわざわざ隣に座ってこないでくれる?!それもあり得ないから!常識ないの?!」

 

きび子はそう言うと座席から立ちあがって、隣の別の車両に足早と移動していった。

まだ、世に「トナラー」という言葉が出てくる前だった。

「トナラー」という言葉を知った時に、私はきび子が怒った理由が分かった。

きび子的には、同じ電車で遭遇して挨拶して少し会話するのはまだ常識の範囲内だったが、その後に「じゃあね」「またね」など一言言って違う車両に移動してそこで会話終了というのが正しい距離感だったようだ。

仲がいい(同じ学科でそれなりに会話する子)と思っている子がスカスカの車両に乗っていて、声をかけて隣に座っておしゃべりするという行為は私にとってそれほどおかしな行為ではないと思っていたが、きび子にとってはNGな行為だったのだ。

 

そもそも仲がいいというのも私の思い込みで”私”だったから嫌だったのかもしれないし、気分的な問題だったのかもしれない。

当時の私ははただきび子は”そういう人なんだな”という認識しかしておらずきび子に嫌われている、きび子とは相性が悪いなどという考えは浮かばなかった。

なので、このようなことがあっても私はそれからもきび子に話しかけたりしていた。

 

Watakoのきび子に嫌われ事件簿②

「共感しなかったからブチギレられた事件」

 

それはある日の空きコマの時間、私は同じように空きコマの時間に仲がいい同じ学科の人が集まっている教室を見つけてそこにいた。

その教室には私を含めて女子5人がいてその中にきび子もいて、その日のきび子はお腹をおさえて机に突っ伏していた。

理由を聞くと、きび子は生理で重い生理痛で苦しんでいるとのことだった。

 

 

「あぁ~~~~~~なんで女はこんなに毎月毎月苦しまなきゃならないんだ~~~~~~~~不公平だ~~~~~~」

 

「あはは・・・辛いよね~~~~~。まぁ、でも男に生まれて生きるのも生理痛とはきっと違う苦しみがあるよ~~~」

 

私はきび子にそう返した。

するときび子は

 

「あのさぁ・・・!こういうときはただ共感してくれるだけでいいのになんで余計なこと言ってくるわけ?!人が苦しんでるときに否定系のこと言ってくるとかデリカシーないの?!」

 

と机に突っ伏したまま、私をにらみながら普段よりもドスの効いた低い声でそう言った。

私はハッとしてすぐに謝ったがきび子から許してもらうことはできず、きび子に対して悪いことをしてしまったと思いしばらくきび子関わらないようにしていた。

この経験から、私は共感を大事にして会話することの大切さを知った。

 

 

 

Watakoのきび子に嫌われ事件簿③

「先生役放棄事件」

 

ある日、私が授業の課題をできなくて悩んでいるといち早く課題を終わらせたきび子が機嫌よく満面の笑みで

「しょうがないなぁ~私が教えてあげるよ!」

といってわからない問題を解くことを手伝うと言ってきた。

しかし私はきび子の説明をすぐに理解できず、きび子の顔から笑顔が消えていった。

そして開始2分くらいで

 

「なんっでこんなんもわかんないの?!」

「なんで理解できないの!!ほんっと頭悪い!!」

 

ときび子は激高し始めた。

そして

 

「もう知らない!!勝手に単位落とせば!!」

 

といってそのまま教室のドアを乱暴に閉めて出て行ってしまった。

私とその教室にいた人間はきび子の言動に唖然としてしまい教室内は静寂に包まれた。

その後、優しい他のクラスメイトの力を借りてその日の課題をこなして単位も無事にとることができた。

 

この一件から、私はきび子が怖くなってしまい積極的に関わることはだんだんとなくなっていった。

 

きび子は私以外の人とも度々衝突していて、学科内で誰かと仲良くなっては喧嘩→疎遠というを繰り返していたた。

そのため、きび子はだんだんと学科内で周囲から避けられ気味な存在になっていてた。

自身が避けれられている事実に気づいたときにきび子があれだけきつく当たってきていた私に対して弱々しく話しかけて来たときにはとても驚いた。

 

きび子は言葉や態度がきついほうだが、それほど強い人間ではないのだなと私はそのとき思った。

 

 

きび子もミンコもデザイン学科の学生としてそれなりにプライドを持っていた+「私は能力が高くてすべてにおいてWatakoより格上の人間だ!」という考えで生きていてマウンティング気質だったために私の発言にむかついたのと、そしてきび子もミンコ同様に単純に私のことが嫌い、気が合わない、気にくわないと思っていたのだろう。

 

(仲が良かった白石と日吉を奪った極悪人認定して私を逆恨みでいじめてくるくらいだし)

 

二人とも趣味趣向も違うし仲もよくないが「自分は誰よりも絵がうまくて知識があって周囲にいる人間の中で一番能力が高くて素晴らしくてすべてのことにおいて格上の人間だ」「Watakoのことが嫌い・気にくわない」という部分が共通していたために敵対していたにもかかわらず今回の件では意見が合致したのだと思う。

 

そして、ミンコもきび子もナルシストだった。

 

私の発言に対して怒りを感じたミンコときび子は二人とも共通してプライドが高く、能力が低いと格下認定した相手(Watako)に対してはどの分野であろうとも勝っていたいという気質を持っていたのだ。

 

ただ、二人はナルシストだが似ているようでタイプが違っていてミンコは

「たくさんの人から称賛される私SGEEEEEE」

な周囲に認めてくれる信者が存在することで自己を肯定できるタイプのナルシストで、きび子は「才能ある私ってSGEEEEEE」

なナルシストでいくら信者がいても目に見える結果(数字)や成果が出なければ意味がないと感じるタイプのナルシストだった。

 

 

きび子は自分の信者を作って幅を利かせることによって承認欲求を満たしたがるインフルエンサー系のミンコとは違って人脈を作るのはあまり得意でない職人気質の気難しい親方タイプだった。そして、ミンコに比べて不器用で人間的な可愛げがあって向上心もあり正当な過程を経て評価されることを願うタイプだった。

 

しかし、きび子もミンコ同様に不機嫌で周囲を振り回したり、失敗したりうまく出来ない人を見つけては指導や注意の名目で周囲に自分の有能さをアピールするかのように大声で怒鳴りつける・ひどい言葉でなじるなどの行為を

「正義執行!」

とのたまい実行するパワハラ・モラハラ気質を持っていた。

 

 

スケッチ教室での一件から、ミンコはきび子に対して1年生のときのようにバカにするような態度をとることなくなり、むしろ同志的な感情を抱いたようだった。

もしかしたら、ミンコはこの頃からきび子のことを私を追い詰めるための協力者のように思い始めていたのかもしれない。