和風ツナパンのブログ -4ページ目

和風ツナパンのブログ

ブログの説明を入力します。

和風ツナパンのブログ

関東のはずれ街の、とある駅。
休日の終電間際の閑散としたホームに、私はいた。

足音の良く通る寂しいホームで見つけた、一組の若い男女。
年は20歳前後と思われる。

友達以上恋人未満の関係なのであろうか。
あと半歩だけ進めば、お互いの体が触れ合う。
そんな距離で並んで立っていた。
ホームの屋根を支える柱の陰で。
男は柵に片肘を乗せてもたれ掛かり、女は柵に手を添えて。


私が気付いてから数分。
二人に会話はなかった。

 女は時おり首を下に向けていた。
足はずっと地面に”のの字”を書いていた。
何かを言いたそうで、タイミングを伺っている…
 そんな風にも取れる女のそのしぐさが、何とも初々しかった。


 ”のの字”を書き終えたかと思うと、首を上げて女は口を開いた。

「もう…時間だね。」


「あ?…うん…。」
そっぽを向いて生返事をした男に、女が半歩を踏み出した。


奥から緩やかにカーブを描き、ホームに向かって来る電車。
乾いた目に飛び込んでくるライトがまぶしかった。

二人は光に溶けてシルエットとなり、そのまま重なって…


擦れ切った私の心に深く染み入ってくる、感慨深い場面であった。

映画を見ているような気分であった。

(※写真はイメージ)



私は知人を自宅最寄り駅まで見送りに行った帰りだった。

知人は若い。
年代で言えば、先の男女と変わらない。

電車での移動中、知人の将来についての話に耳を傾けていた。


どんな力をつけて、どんな仕事に就くか。

熱心に語る知人の目を、私は直視することができなかった。


自分の中では、20歳の頃と気持ちは変わっていないつもりであった。
負けていないつもりでもあった。

だが、改めて現実を突きつけられると、臆病な私は負けを認めることができず、逃げてしまったのであった。


知人を見送ったあと、何とも言えない気持ちのまま対面した、先のホームの一場面。


偶然重なった2つの出来事。

自身の今後の人生について、色々と考えさせられた一日であった。



若いって、いいね。