↑最終戦ハイライト。田中選手と松山選手も出場したが、ヒットは出なかった。
田中選手を1番ショートにし、2番菊池選手という過去のタナキク再現が話題となったが、試合自体は残念ながらほぼ盛り上がりに欠ける試合となった。
先発が先制、中押しをされ、来季の契約が不透明なハーン投手がアウトを取れず降板と、いつもの負けパターン。
得点は渡邉選手のプロ初安打がタイムリーのわずか1点で5連敗フィニッシュ。
15年ぶりの借金20の大台になり、セ・リーグ内対戦成績も最下位、最下位のヤクルトに8勝15敗2分とほぼダブルスコアを付けられるなど、救いがない負けっぷりであった。
最終回に新人4番の佐々木選手がヒットを打ったが、187打席で長打はわずか3本に終わった。
出塁率より低い長打率に終わり、大砲としての育成を指導者が失敗してしまったと言わざる得ない。
アベレージタイプとしての獲得なら成功だが、求めたのは20発打てる打者と考えると、本塁打0本は誤算であった。
その佐々木選手をランナーに、松山選手が代打起用されたが併殺打と、らしさを示したのが試合の中での数少ない盛り上がりポイントだった。
試合が終了し、セ・リーグの全日程が終了。
カープは今日死球を受けた小園選手が、首位打者と最高出塁率の2冠となり、鈴木誠也選手以来の2冠達成となった。
今年の年俸は9000万円とされているが、タイトル料(1つ辺り1000万円[※注意]カープ在籍経験がある選手から伺っているので正しいとは思いますが、もっと貰っている可能性もあるので、額を鵜呑みにはしないようにお願いします)が2つ発生するので、今年の年俸が1億円を超えた形になる。
そこからの首位打者、最高出塁率と考えると、1億円増の1億9000万円〜2億円のラインになるのではないか?
特に打撃三冠は評価が高くなるので、さすがにここはケチになってはならないだろう。
しかしながらタイトルを獲得した小園選手以外となると、149安打で17本塁打のファビアン選手と、長打率が4割を超えた9本塁打の中村奨選手位しか収穫はなく、投手も二桁勝利投手0人。
救援陣も60試合登板で防御率1点台コンビの森浦投手、島内投手が収穫であるが、他は終盤支配下になった辻投手の奪三振率の高さと、菊地ハルン投手の球威位しか収穫はなかった。
非常に厳しいシーズンだったと言わざる得ない。
↑セレモニーハイライト。
セレモニーでは新井監督、退団の田中選手、松山選手、引退の上本選手の言葉がファンに向けて告げられた。
新井監督「残念ながらこのような結果に終わり、悔しい気持ちとともに自分の力の無さを反省しています」と反省の弁を語ると「現在チームは変革期にあります。変わろうとしているとき、また新しい力が生まれるとき、必ず苦しみが生じます。来年以降もこの苦しみは続いていくと思います」と話し、ファンのブーイングを浴びた。
「逃げる事なく忍耐強く」と締めた後に、田中選手の言葉に。
田中選手「チームは転換期にはありますが、ただ1軍の場は勝つことを求められています。選手の皆さんはそこに甘えず来年はもっともっとスタジアムを満員にする野球をやってください」
田中選手から見ても私から見てもですが、やっぱり若手が与えられて満足してしまっている現状が歯がゆいという気持ちである。
昨日の内田選手のストライクを振らずに3球三振とか、久保選手のヒットが続かない部分とか、積極性や継続性に乏しい若手が多かった。
プロスペクトとされた田村選手が、そういう選手を抜かせず終盤1軍に上がれないのも今は何をしている?という話ですし、斉藤投手も5回を投げきれないなどその1試合に合わせて調整というのが、出来ない選手があまりにも多かった。
これでは来年も苦しいなと。
松山選手は「まだ野球をやらせてください」と燃え尽きなかった事を語り、NPB以外でも声がかかればどこでも行くと指導者勉強になる形となった。
「そしていつかカープに恩返しができるように成長した姿を見せられるようにがんばっていきたいと思います」と、指導者での復帰に望みを託した。
上本選手は「新井監督を胴上げ出来なかった事が心残り」と語り、「来年は必ずここにいるメンバーとまた新しい力が加わってきますので、そのメンバーで胴上げしてくれることを願っています」と締めた。
リハビリ途上という話であったが、代打でも走る事もままならない姿を見ると、限界までやり切ったという気持ちになったのだろう。
どこかの放送局の解説者になっていそうだなと感じました。
それ以外の言葉などは、公式の動画を見てくださいという事で。
■新井監督が来年以降苦しみが続くと言ったが、事実上のFA流出を意味する言葉か。
カープはかねてから私が書いているように、来年オフから主力選手複数人がFA同時初取得が3年続く形となっている。
なのでカープがやる手段は2つしかなかった。
1つは新井監督を今年解任し、勝てる監督を招聘し、可能な限りの資金を投入してFAに参加で戦力を補強し、来年の優勝に全部を投入し勝負を賭ける(いわゆる大谷翔平最終年で売却せずに、ワールドシリーズを目指したエンゼルスのような形)。
もう1つは来年から3年間FA流出をやむなしとして、新戦力を9名程若手からレギュラーに育て上げて、4年後にほぼ新規戦力で勝負をする形。
松田オーナーがどちらを選ぶかで球団の未来は変わったのであるが、後者を選択した事で3年間の低迷がほぼ確定したような物である。
若手を育成する間に、FAラッシュのFA選手の大半は流出しますよという宣言でもあった。
■カープ来年オフから国内FA初取得ラッシュの一覧(以下敬称略、いずれも最短取得の場合)。
□2026年オフ
坂倉、床田、島内
□2027年オフ
栗林、大盛、森下(※26年オフ説有、怪我時に申請したら日数に加算される制度の認められた日数が不明な為に判別が出来ない)
□2028年オフ
小園、矢野、森浦
※リストを見たら分かるように、チームの根幹の選手ばかりであり、現在の年俸金額的にも全員の引き留めは最初から不可能に近い。
新井監督はならばこの中からトレードしてでも、戦力を整えてくれないと数年苦しみは続くと言っており、方針の違いから上手くいっていないフロントとの対立が、今年も鮮明なのかなと感じた。
ドラフト、トレードを上手くやらないと、毎年最下位争いのチームになってしまう。
その危機感が監督にはあるが、フロントにはあまりないのが厳しい。
新井監督は確かに良くない監督ではあるが、監督とした以上はフロントは支えないといけないし、ノーサイドでやらないと来年以降益々戦えなくなる。
ファンが黙って年間シートを継続さえしてくれたらOKというフロントの考えは、改めて貰いたいと切に感じますね。