末包選手はベンチにはいたがやはり大事を取ってと言う形で出場は出来ず、ハーン投手の代わりも昇格はない、栗林投手は前日30球と色々考えてもかなり不利な試合であった。

 

相手の左腕松葉投手に対して右の末包選手を起用出来ない打線は、3番が上本選手という状況にチームの苦慮を感じた。

個人的には野間選手と小園選手を離すべきではないと思っていたが。

 

試合は互いにランナーを出すが粘るという展開で進んだ3回裏。

先頭の村松選手にヒットを打たれると、松葉選手には進塁打を打たれた。

鬼門のカリステ選手も打ち取ったが、昨年阪神を戦力外となっていた板山選手に打たれて失点と、阪神時代は抑えていた相手に打たれてしまうのも相性なのだろうかと感じた。

 

4回表は上本選手のヒットを足掛かりに、四球と失策で2アウト満塁までチャンスを拡大したが、矢野選手が空振り三振で得点を奪えなかった。

 

1失点後も玉村投手が粘りの投球をしていたが、6回1アウトから小園選手と堂林選手の連打で1アウト13塁とチャンスを作ると、石原捕手が犠牲フライで同点。

そして玉村投手が6回1失点で投げ切ると試合の流れはこちらに傾く。

 

矢野選手が齋藤投手から粘って四球を選ぶと、代打宇草選手がバントで1アウト2塁。

ここで秋山選手と野間選手に賭けたと思うが、進塁打と四球で2アウト13塁で上本選手の打順となる。

もし代打で出られるのであれば、ここで代打末包選手と行くべき場面に思えたが、ここで出られないという事は、やはり重たい物ではないと新井監督は言っていたが軽い物でもなかったという事なのだろう。

そのまま行かせた上本選手は空振り三振に仕留められた。

 

塹江投手が2奪三振で抑えて迎えた8回。

今日の試合はこの攻防が勝敗を分けたと言える。

 

カープは松山投手から堂林選手の内野安打、菊池選手が粘って四球で2アウト12塁とした。

打者は矢野選手であるが、得点圏で勝負をかけるという意味で私は左の松山選手を切って腹を括って勝負すると思っていたのであるが、新井監督は動かなかった。

結果は4回表同様に空振り三振であった。

4回表があったからこそ代打で勝負と思っていたのだが、初戦と違って動く事をしなかった。

 

その裏。

島内投手がヒットとバントで1アウト2塁のピンチを招く。

ここで打者はカリステ選手。

カープはカリステ選手を率ではセリーグでも抑えている方であるが、被弾数は最も多く勝利打点も奪われており、この打席の次の板山選手にはタイムリーを今日打たれてはいるが、昨年までの阪神時代の相性を考えれば難敵ではない。

次の高橋選手もカープは今年打率1割台とセリーグで最も抑えている。

 

それらを考慮し1点勝負で慎重に攻めて2ボールとなった段階で、私は監督がベンチから出て申告敬遠を選択すると思っていた。

 

だが普通に勝負に行って、一番やってはいけない甘いチェンジアップを失投で投げた結果ヒットであった。

1点勝負なのに守備位置も定位置より後ろであったのか、ホームに送球出来るような形にもならず。

あっさりと勝ち越し点を献上してしまったのである。

 

8回の時点で1失点も2失点も同じなのだから、外野はバックホーム出来る守備位置をするべき場面であるし、前進守備が難しい相手と思っているならば2ボールの段階で塁を埋める選択をして勝負を避けるべきであった。

ストライク先行だったなら勝負するのは分かるが、2ボール0ストライクからなぜ勝負に行ったのか?

石原捕手の若さを考えても、塁を埋める指示をしなかったバッテリーコーチや監督の選択が私は間違っているように感じた。

 

塁を埋めて板山選手にタイムリーを打たれたなら、それは昨年までの相性を考えた結果と言えると思ったのだが、カリステ選手に3連戦で1本塁打以外は抑えて打たれていないという誘惑に見事に引っかかってしまったように見えた。

 

カリステ選手に塁打数だけで言えば1番打たれている球団であるし、勝負所で打たれている印象は昨年から強い。

塁を埋めてセカンド併殺狙い、外野は前進守備で板山選手、高橋選手との勝負であったなら試合はどうだったか?

そちらを見て見たかった。

 

マルティネス投手が厳しいという事は分かっていたし、実際最終回は先頭の代打で切り札の松山選手を切るという正直攻撃としては弱い采配と思えたが(田中選手から切って、ランナー溜まったら上本選手の所で代打松山選手だと私は感じている)、相手からしても本塁打でも同点と考えるとそこまで恐さはない。

結果は5球で3人抑えられての敗北であった。

でも同点で9回表であったなら、こういう投球が果たして出来ていただろうか?

プレッシャーもかかると思うし、実際昨年も同点の場面でマルティネス投手をカープはホームランを打って攻略している(その後に栗林投手が2被弾で逆転サヨナラ負けとなったが)。

 

島内投手が打たれた事は新井監督のコメントにもあるように「島内投手でそうなったらしょうがない」であるとは思うが、首脳陣がカリステ選手と勝負だと腹を括って、全員がバックホームで刺せる位置で守備をしていたなら分かる。

だが8回裏であの守備位置で勝負をした結果だからしょうがないというのは、悔いが残る選択に見えた。

板山選手や高橋選手が相手なら、もっと前で守らせていたでしょう?って思ってしまうからである。

 

この8回の攻防は首脳陣が反省をして次に活かさないといけないと思うし、カリステ選手にはもっとインコースを攻めて行く事が攻略法だと私は見ていて感じてますね。

踏み込んで真ん中から外を打たれているのでそこをどう打たせないか?

高橋選手を今年は抑え込んでいるし、中田選手や細川選手にもそこまで打たれている印象はない。

だからこそ、カリステ選手になぜここまで苦しんでしまうのだろうかと感じる。

パリーグを参考にと言っても抑えたと言える打席数なのはオリックス位なので難しいのかもしれないが(セの阪神・ヤクルト、パの日本ハム、ロッテ、楽天は3割3分以上打たれている)、それだけ攻略が難しい選手と塁が空いていて2ボールから歩かせずに勝負をしたという事は、間違いだったように私には思えてしまうのである。