いつも序盤戦、交流戦、オールスター前、シーズン終了時の4回勝手に選んでいるカープのMVPを個人的に選出する企画。

 

今回は交流戦10勝8敗と2017年以来の勝ち越しで阪神を抜き首位に立ったという事で、その中でのMVPを選出しようと思う。

 

◆私が個人的に選出するカープ交流戦MVP。

◇野手

秋山選手(18試合、打率296、本塁打1、打点7、得点圏333、出塁率346)。

 

交流戦ではカープは打では苦戦が目立った印象であり、交流戦前に得点圏リーグトップだった小園選手が得点圏打率が1割5分8厘と沈み、菊池選手も得点圏は5分3厘、末包選手の2割2分2厘でもかなり上という部分で交流戦12球団トップの防御率1.85の頑張りと比較しても、野手陣は総じて苦しんだ印象であった。

そんな中でチームを引っ張ったのは1番に定着した秋山選手であった。

安打数、打率(規定未達であれば野間選手が1位)、得点圏打率、打点(1位タイ)で規定到達者でチーム4冠という数字をたたき出し、西武連覇時の1番打者というパリーグの主力選手だった姿は、年齢を重ねてチームでも會澤捕手と並んで2番目の年長者となっても技術は健在であったという証明をして見せた。

 

手術もあり当初はレフトでの出場というのを想定したと思うが、野間選手が離脱が多く末包選手も膝痛明けという事でセンターに戻った事で安定している。

 

1番打者として感じた事を後ろの打者に伝える役割をこなせる秋山選手。

その復帰の争奪戦で2年しか契約を提示できずカープに持っていかれた事も、西武の現在の苦境に繋がっていると松井監督が休養時に記事に出ていたが、その記事が出る前から慣れた1番に置いた途端に数字が上がって来たという点を考えても、秋山選手は今年は1番固定となるだろう。

 

カープの野手陣の問題は3番打者を誰にするかであり、小園選手を3番に配置するのか5番に配置するのかは監督も悩んでいるように見える。

数字はかなり低いが菊池選手を3番で我慢するのか、その辺りが今も定まっていないので打線が完封される試合も二桁を既に超えてしまっているが、そこが定まれば3連覇以来の優勝という文字も見えて来るかもしれない。

残念ながら今は首位であっても、優勝出来るだろうとまだ思えないのは打線が定まっていないという所が大きい。

下位打線が決まらないのはどうにかなるが、中軸が決まらないのはかなり厳しい。

 

明日からのバンテリンドームの中日戦という大きな鬼門をどう乗り越えるか?

野間選手が練習に復帰し、上本選手も1軍に戻って来るという事であるが、チームのその課題を克服できるかは注目したい点である。

 

 

◇投手編

大瀬良投手(3試合登板、QS3試合、防御率0.00、1勝0敗、失点1、自責0、奪三振15)。

 

投手陣は床田投手や森下投手が黒星を喫するなどしたが防御率は2点台であったが、2点台でも悪いと思ってしまう位、九里投手(防御率0.41)と大瀬良投手(ノーヒッターを含む防御率0.00達成)が無敗で0点台と頭1つ抜けていた。

 

救援陣では7試合5セーブ防御率0.00の栗林投手、6試合で防御率0.00で1セーブのハーン投手、4試合で防御率0.00の河野投手とかなり多くの投手が頑張ったと言える。

 

だがその好成績同士であえて比べるとなると、対戦相手球団の質の高さ(ロッテ、敵地のソフトバンク、敵地の楽天)に加え、ノーヒットノーラン達成で防御率0.00という条件も加えたら、大瀬良投手をMVPとするのが妥当であると思うし異論も出ないだろう。

ここ3年位は5月以降の数字は初回に失点し、試合を作れないという事が多かった。

巨人戦とDeNA戦は数字を残しているが、残りの3球団は登板を避けた方が良いレベルであったと思える位に数字が出ず、中6で回るより中10日以上空けて2人で1人というローテ案を提案する位、5月から9月の数字を私は評価していなかった。

 

間隔が空いた10月のCSの投球を見た時には、やはり10日の休養でフルスペックを発揮させる方が長く現役を続けられるのではとも感じたわけであるが、手術明けの今年はカットボールの比率が増えているという報道はあったが、カットボール以外の球の性能、威力が増したように感じている。

その結果、相手打線が150キロ出ないのにバットに当たらないという現象が起きており、あのソフトバンクにも失点はしたが失策絡みであり防御率は0.00をキープ。

他球団の投手は3勝した投手もいたが、防御率0.00は大瀬良投手ただ1人の達成であり、12球団で1番安定していた先発投手という称号を得たと言えるだろう。

 

大瀬良投手が先発として6月になっても安定して防御率もセリーグトップで0.96。

勝ち星は3しか付いていないが、無敗という点でも分かるように打線の援護が足りていないという証である。

 

かつて今永投手(今年カブス入り)が「援護ないという言い訳は防御率0点台の投手だけが言える」という言葉を残し、1点台であれば打てない野手を責めるのではなくその前に失点している自分が悪いという意味で、先発投手の自覚を対外的に示したすごい言葉であると感じたが、大瀬良投手はその「援護がないから勝てていない」という言葉を言える防御率0点台に突入したわけである。

交流戦も防御率は0.00でも1勝しか出来なかったのは、打線が相手投手に沈黙したからである(早川投手に10イニング無得点はさすがに見ていてガッカリした)。

 

それでも援護がないという言い訳をせず、投げ続ける姿でWHIPはついに0.99。

巨人のエースとなった戸郷投手(WHIP0.80)、阪神の岡田監督も賛辞を惜しまず事実上のエースとなった才木投手(WHIP0.92)がレベルが高いので3番手となっているが、防御率だけで見れば大瀬良投手が抜けており、同じく序盤勝てなかった九里投手もWHIPは1.00であり、WHIPが1.00以下はエース級の投手と評価されるわけであるが、カープはエース級を2枚持っているという事になり、そりゃ首位に立てるなという思いも持った。

子供が生まれた事で今年の数字が伸びて来ている大瀬良投手であるが、この勢いがどこまで続くのか。

正直今年の大瀬良投手の活躍には、私も脱帽しているというのが本音である。

ここまでやれるとは正直思っていなかったと同時に、昨年ピンポイントで頑張っていた野村投手が今年飛ばないボールのはずなのに2軍でも苦戦している姿を見ると、大瀬良投手が手術後に本当に努力を積み重ねたのだろうと感じている。

夏場を乗り越えてこの数字を維持出来ていたならば、リーグMVPという言葉も見えてくるかもしれない。

 

以上が交流戦部分の私が選出したカープMVPである。

次回はオールスター前のいわゆる前半戦終了時に行います。

オールスター前も首位でターン出来るか?

要注目です。